イナズマンF
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『イナズマンF』(イナズマン フラッシュ)は、1974年(昭和49年)4月9日から同年9月24日までNET系列で、毎週火曜日19時30分から20時00分に全23話が放送された、東映製作の特撮テレビドラマ。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
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ストーリー
謎のロボット戦士による切り崩し工作によって、ファントム軍団は崩壊した。だが、帝国に君臨した帝王バンバを倒したイナズマン・渡五郎の前に、新たなる敵・デスパー軍団が現れた。その尖兵・ウデスパーは、ファントム軍団を瓦解させたあのロボット戦士だった。ウデスパーの猛攻の前に、エネルギーの回復していない五郎は退却するが、彼を助けた男女は殺され、偶然近くにいた作業員も巻き添えを食って襲われてしまう。
と、そこにライフルを持った男が現れ、銃声一閃、五郎を助けた。男は五郎を自らの地下アジトに連れて行く。
男はインターポールの秘密捜査官・荒井誠と名乗り、この地下アジトに潜伏して戦うことを申し出る。そして、たった2人の辛く厳しい戦いの日々が始まる。
概要
本作は TV 版『イナズマン』の第3・4クールに相当する。シナリオナンバーも『イナズマン』からの通し番号になっている。よって本作の第1話は前作の最終回の続きから始まっている。しかし、いわゆる「変身ヒーロー」が活躍する子供向け特撮アクションドラマが、作品の乱立によって衰退に向かいつつあった当時の状況下、『イナズマン』もスタッフの意気込みとは逆に低視聴率に苦しんだことから、本作は『イナズマン』(第2クールまで)とは大きく方向性を変えている。
方向性変更の中心となったのは、東映側のサブプロデューサーだった加藤貢である。これがプロデューサーとして最初の作品だった加藤は、低視聴率の原因やその打開策について、助監督の長石多可男をはじめとする若手スタッフとの間で意見を交換していた。折りしも、チーフプロデューサーの平山亨は他の番組も抱えており、先任サブプロデューサー(実質的にはチーフ)だった井上雅央も第2クール終了後他番組に移動したため、平山は加藤に『イナズマン』を任せることにした。
加藤が最初に着手したのは、設定の変更である。すでにイナズマンこと渡五郎のバックボーンであった「少年同盟」は、原作設定を活かし切ることなくフェイドアウトしていたが、『F』では、第2クールまでのレギュラーだった大木姉弟や丸目豪作ともども完全にカット。サナギマンや愛車・ライジンゴーの登場場面も極力減らした。代わって、妻子を敵組織・デスパー軍団に拉致されているという設定を持つインターポール捜査官・荒井誠が五郎のサポーターとして登場。日活で鈴木清順に悪役の素質を見出され、キャリアを積んでいた上野山功一が荒井役に起用された。こうしたヒロインも主人公の弟的存在の子供レギュラーも排除され、主人公と相棒の男性キャラクターを中心とした展開は前作の『イナズマン』の中盤以降ですでに試みられており、五郎と豪作の2人だけしか登場しないエピソードが多く作られた。しかし、『イナズマン』のレギュラーヒロインだった大木サトコが削除されたことで五郎と荒井の2人を中心とした、ヒロインも子供もいない男臭い雰囲気になるのは加藤らスタッフも辛かったらしく、初期の時点で女性ゲストを頻繁に登場させるようになった。
スタッフ面でも、硬派のエピソードを数多く書いていた上原正三をメインライターに、新人監督ながらアーティスト志向が強く、 ATG ファンの加藤とはウマが合った塚田正煕[1]をメイン監督に据えるなど監督・脚本陣を大きく刷新した。この結果、新生『イナズマンF』は、強制収容所を思わせる実験都市・デスパー・シティを擁し、サイボーグによる独裁国家を企図するデスパーと、これに対峙し、デスパーの打倒とデスパー・シティ市民の解放を目指す五郎・荒井の「たった2人のレジスタンス」を軸とするドラマを前面に押し立てることになった。
新体制の下で、主演の伴直弥をはじめとするキャストや、加藤、上原、塚田を中心とするスタッフは「自分たちの作りたい・演じたいドラマ」作りに力を注いだ。テレビドラマの限界に挑戦するかのような前衛的な画像や、当時の子供向けドラマの水準を飛び越さんばかりの重いストーリーを持ったエピソードが多く作られた。伴の回想によれば、第20話「蝶とギロチン花地獄作戦」の初号試写を見た岡田茂(当時の東映社長)は「学生映画なんか作ってるんじゃない!」と怒ったという。加藤貢は後に、「プロデューサーとして一年目で、ひょっとしたら生涯最高の作品を作ってしまったのかもしれません。鳥居恵子に出演交渉したときのような情熱は、今の自分にはもうありませんね。」と述懐している。
結果として、『イナズマンF』の視聴率は『イナズマン』と大差なかったといわれる。しかし、本作が表現した(原作漫画の「超能力者による組織戦」とも大きく異なる)「ヒーローの孤独」の描写は、ほぼ同じスタッフによる『仮面ライダーアマゾン』で再び試みられることになる(ただし序盤のみで、中盤から主人公のアマゾンが多数の仲間とともに戦う明るい活劇になってしまうため、『イナズマンF』の野心的な試みを仮面ライダーシリーズに移植しようという試みは潰えてしまった)。そして、本作自身も1970年代変身ヒーロードラマの異色作として、(特に1980年代中期以降)カルト的な人気を得るようになった。
特徴
世界観、ストーリー面での主な特徴は「概要」で触れたので、ここではその他の点について述べる。
本作が後年、カルト的人気を得た理由の一つに、毎回登場し、各話の核心を担う女性ゲストの存在がある。重いストーリーを持つ本作だけに、彼女たちは単なる華的な立場に終わらず、時として視聴者に強烈な印象を残した。そのキャスティングも、東宝出身で宣弘社作品を中心とする1970年代前半の特撮ドラマでアクション系ヒロインとして鳴らした牧れい、のちに『ウルトラマンレオ』にレギュラー出演する奈良富士子(第20話)、日活ロマンポルノの主力女優であるとともに当時の東映特撮でもアクション面で活躍した鹿沼えり(第7話)、渥美マリらとともに大映を支えた八代順子(第1話、第18話)と多彩で、なかでも、最終回にガイゼル総統の娘・カレン役で出演した鳥居恵子は当時の東宝の若手人気女優だった。第16話に出演した山科ゆりも、当時の「日活ロマンポルノ」での高い人気を考えると、テレビドラマであるとはいえ他社作品への出演は異例と言えた。また、第11話のゲストである隅田和世は『ダイヤモンド・アイ』や『キカイダー01』で特撮ファンにも知られるが、『八月の濡れた砂』(藤田敏八監督作品)を「毎日見ていた」という加藤プロデューサーのたっての頼みで出演が実現した。
ドラマ重視の方針から、サナギマンやライジンゴーの場面が本編から極力削られたのは「概要」で述べた通りだが、アクションシーン不足への不満を考慮し、EDと次回予告の合間に1分弱の「イナズマンFアクション・タイム」と呼ばれるコーナーが設けられていた。これはライジンゴーのポピニカが売れているのにもかかわらず、テレビ本編ではあまり活躍しなくなったことによって関連商品の売れ行きに支障が生じかねないと考えた東映側の、ポピーに対する事前の配慮だった。さらに本作のエンディングで、前作限りの設定であったはずの少年同盟員が登場していたのは、前作に続きスポンサーを務めていた松下電器への配慮でもある[2]。
最終回「さらばイナズマン ガイゼル最期の日」[3]は、準備稿段階では、ガイゼルを倒した代償として超能力の全てを失った五郎が、「東映まんがまつり」の看板を無感動に一瞥し、風吹く街の何処へと去っていく、というラストシーンをはじめ、守ろうとした仲間や新人類の全滅など、陰鬱で重い展開だった(加藤によれば「ドラマの世界から現実に引き戻すことで、『イナズマン』の世界を否定する」意図があったとされる)が、「善良な一般市民が悪の組織に襲撃されているところを間一髪助けるというシーンを必ず入れる」などハッピーエンドを大事にするというポリシーを持つ平山の反対を受け、大幅に改稿された。このプロットは助監督を務めていた長石多可男の提案だったという。また、脚本にはラストで塚田正煕の作詞による『イナズマンのバラード』なる挿入歌を流すことが指定されていた[4]。
没稿の最終回以外にも、放送された作品には「人間狩り」などのきわどい表現が多々あり、表現が過激すぎたために却下された構想もいくつか存在する。
登場人物
イナズマンとその仲間たち
- 渡五郎 / サナギマン / イナズマン
- ファントム軍団を倒した正義の超能力者。デスパーの無差別攻撃が周囲の人々を巻き込むことを恐れ、大学の寮を引き払い、荒井とともに地下50メートルに作られた基地に隠れ住む。前作ではラフな服装だったが、前作の第24話(F編の事実上の第1話)からは背広姿。
- サナギマン、イナズマンともに外見は前作と同一だが、イナズマンは前作の第24話からマフラーの色が黄色からオレンジ色に変更されている(本作第1話からは、新たに「F」の文字が染め抜かれている)。戦闘では空手アクションを多用するようになり、超能力はあまり使わなくなった。しかし、超能力そのものはゼーバーの性能もあって向上しているらしい。一例としてサナギマンからイナズマンへの変身ゲージが溜まる時間が大幅に短くなったことが挙げられ、第8話以降ではサナギマンに変身したあと瞬時にイナズマンに変身できるほどになっている。
- 新たな武器としてゼーバーを持つ。これは前作の第25話でバンバによって特殊な地下牢獄に閉じ込められた際に、ベルト右脇のパーツとイナズマン状態での自身の目、そして、触角の一部を加工して作り上げた超能力増幅機である。大きさは携帯電話ほどであり、イナズマ状のアンテナを2本と、3色のレンズ付きアンテナを収納している(赤いレンズは逆転チェストを、青いレンズはテレポーテーションを、黄色のレンズは透視能力を増幅する)。必殺技はゼーバーのイナズマ状のアンテナを立てて、増幅された雷撃を放つゼーバーイナズマンフラッシュ。
- ゼーバーの設定はドラマ性の重視以外にも、あまりにサナギマンの弱さが目立ってしまったことや、イナズマンの技が多彩であった反面、仮面ライダーにおけるライダーキックのような代表的な必殺技がなかった、という反省に基づく強化策だった。
- 本作で使用されたイナズマン、ライジンゴーの超能力・技
- ゼーバー・イナズマンフラッシュ
- イナズマンの必殺技。ゼーバーの稲妻状のアンテナを立て、増幅された雷撃を放つ。
- ゼーバー・逆転チェスト
- 前作の「逆転チェスト」の強化版。赤い突起を展開したゼーバーを掲げて、相手の攻撃を反射する。初使用は第3話。第15話では決壊したダムを元に戻す際にも使用している。第21話ではスプレーデスパーの放った捕獲網「スプレースパイダー」に捕縛されるも、この能力で逆にスプレーデスパーを捕縛した。
- ゼーバー・テレポーテーション
- 前作の「瞬間移動」の強化版。青い突起を展開したゼーバーを掲げて、瞬間移動する。ライジンゴーごと移動可能。初使用は第4話。
- ゼーバー・透視チェスト
- 前作の「透視能力」の強化版。黄色い突起を展開したゼーバーを掲げて、透視能力を働かせる。初使用は第5話。
- 解凍能力(名称不明)
- 凍りついた相手を指差して念力を放ち、解凍する。ジェットデスパーに凍らされた姉弟を救出した。
- ゼーバー・イナズマンエネルギー
- 黄色い突起を展開したゼーバーを掲げて相手に生命力を分け与える。破傷風で倒れたコウジ少年を救うために第14話で使用。
- ゼーバーシュート
- ゼーバーを投げつけ、稲妻状の突起を突き刺す。第14話で合体ウデスパーの弱点である眉間を貫き、動きを止めた。
- 念力キック
- ジャンプして、宙返りをしてから飛び蹴りを食らわす。前作で使用された同名の技とは別物。主に繋ぎ技として使用されるが、ボイラーデスパー戦では決め技となった。
- 念力パンチ
- ジャンプして敵に飛び込みながらのパンチ。前作で使用された同名の技とは別物。主に繋ぎ技として使用されるが、ナイフデスパー戦では決め技となった。
- イナズマンミラクルチェスト
- 2体に分身しながら飛び跳ねて敵を幻惑し、隙を誘う。初登場は第8話。この状態から敵に飛び込んでパンチを決めるミラクルパンチはガイゼル戦で使用されたが、破られた。
- イナズマンパワーキック
- 空中で縦回転しながらの両足蹴り。ハサミデスパーのハサミホークを破壊した。
- イナズマンきりもみキック
- 空中回転でひねりを加えたキックを繰り出す。ジェットデスパー2号を倒した。
- イナズマンフラッシュキック
- 必殺の飛び蹴り。念力キック、念力パンチとの連続使用でハンマーデスパー2を倒した。
- マフラー
- 前作でさまざまな能力を発揮し、イナズマンの戦いをアシストしてきたマフラーも本作での活躍は皆無に等しく、第19話のミキサーデスパー戦で自身の眼部に巻き付けて、中性子を遮断したことが唯一の使用となった。
- ライジンゴー
- 本作での活躍は初期のエピソードに集中しており、後半にはほとんど登場しない。従来のミサイルや噛み付き戦法、体当たりに加え、ローター部分を直角に曲げて敵の攻撃をはね返す逆転ジェットスクリュー(第2話)、潜水モードに変型しての水中潜行、ライジンゴー潜水(第2、8話)、口からドリルを出しての地中潜行、ドリルライジンゴー(第3話)など、新たな能力を見せた。
デスパー軍団
前作の第24話から暗躍を始めた新組織。ファントム軍団にクーデターをしかけ、その壊滅後に本格的に活動を始めた。ファントム軍団を遥かに凌駕する科学力と戦力を持ち、優れた超能力者を機械改造したロボット戦士(デスパー怪人)を戦力とする。日本の地下深くに人工太陽が輝く地底都市、デスパー・シティを建造。5万人の人間を閉じ込め、市民をサイボーグに改造し圧政を行なっている。
- ガイゼル総統
- デスパー軍団を支配する総統。顔は白一色で、右目は傷を負っている。服は漆黒の将校服。失敗した者は絶対に許さない冷酷非情の独裁者だが、一人娘のカレンには優しく、また、優れた部下には全幅の信頼を置いている。
- ファントム軍団の帝王バンバをも凌ぐ大超能力者で地下に作られた巨大都市デスパー・シティは彼の超能力によって作り出されている。また格闘能力にも優れておりイナズマンの技をことごとく受け止める。
- 趣味は捕らえた人間を使っての狩猟とチェス。第18話でレッドクインの放った銃弾により右耳を失い、以降は傷痕を隠すプロテクターを装着する。最終話でデスパー・シティの人工太陽を爆発させて日本列島を海底に沈めようとするが、カレンの裏切りによって失敗。その後イナズマンと対決し弱点である右目を自身の杖で貫かれたためデスパー・シティが消滅、壮絶な死闘の末にイナズマンのパンチを浴びて息絶えた。
- ウデスパー
- 前作第24話から登場したデスパーの参謀。ガイゼルの「右腕」として忠誠を尽くし、ガイゼルからも絶対の信頼を受けている。卑劣な策略家としての一面と誇り高い戦士の一面を併せ持つ。戦闘時は腕にカギ爪、ガトリング銃、ムチなどのアタッチメントを装着して戦う。第7話でイナズマン抹殺の直命を受け、女サイボーグ・ミスワンを利用して渡五郎を殺そうとするが失敗。ミスワンを処刑した後、サナギマンにタイムアップの猶予を与え、イナズマンとの真っ向勝負に挑んだ。ゼーバーイナズマンフラッシュにも耐え抜いたが、皮肉にも自分がミスワンに与えた暗殺用ペンダントによって爆死した。
- ウデスパーα
- 第8話から登場。爆死したウデスパーの破片から作られたロボット戦士の一人。体の形状は旧ウデスパーと同一だが、体色は赤銅色であり、少し小さくなった頭部には右に大型の刃状の角、左に小型の刃状の角が着いている。戦闘時には万力状のアタッチメントを使用。βと角を交差させて「クロスハリケーン」という大竜巻を起こす。ウデスパーの「力」を増幅して受け継いだが、力に頼りすぎて粗暴な面が目立ち、手柄を焦る傾向がある。弟であるβとは仲が悪い。
- ウデスパーβ
- 第8話から登場。爆死したウデスパーの破片から作られたロボット戦士の一人。αと同じく形状は旧ウデスパーと同一だが、体色は銀色であり、頭部の中心部に曲刀状の角が装備された。戦闘時にはムチ状のアタッチメントを使用し、第9話では単独でイナズマンと交戦している。ウデスパーの「知」を増幅して受け継いでおり、性格もウデスパー同様に冷静沈着。しかし、その性格のために短気な兄であるαとは仲が悪く、最終的にはガイゼルから合体ウデスパーへの合体手術を強制される。
- 合体ウデスパー
- 第10話から登場。αとβに合体手術を行なって誕生させたウデスパーの最終形態にしてデスパー軍団最強のサイボーグ戦士。右半身が銀色、左半身が赤銅色になっている。その強大な力でイナズマンを圧倒するが、戦闘中に動力回路がオーバーヒートを起こしたために撤退し、再び2体に分離された。第13話で再度合体手術を行ない、欠点を克服して復活(眼や口の部分が黒くなった)。左腕のムチの先端を発射する「合体ウデスパー落とし」という新技を使って第14話でイナズマンと戦うが、弱点の眉間にゼーバーシュートを受け、ひるんだところをゼーバーイナズマンフラッシュの直撃を浴びて倒された。
- サデスパー
- 第12話から登場。デスパー・シティの市長を務め、親衛隊を率いてカレンを警護している。ウデスパー、ウデスパー兄弟より上位の地位にあるらしい。合体ウデスパー死亡後はデスパー軍団の新参謀となる。頭部に多数の角を有しており、十字状の眼からは催眠光線を放つ。胸の装甲を左右に開き、その中に敵を挟み込んで体内から発射するトゲで刺し殺す[5]。正攻法の作戦を好んだウデスパーやウデスパー兄弟と異なり、イナズマンを精神的に追い込んだり、殺し屋や麻薬を利用した作戦を行なう。最終話でゼーバーイナズマンフラッシュの直撃を受けて爆散した。なお、サデスパーという名前はサディスト・デスパーの略称である。
- デスパー怪人
- 改造手術を施されたサイボーグ。ロボットのような外観をしており、デスパーロボット、ロボット戦士とも呼ばれている。さまざまな武器や機械の機能を有しており、それを利用して戦う。
- デスパー兵士
- デスパー軍団の雑兵。赤と黒の縞模様の服を着て、胸部にデスパーの紋章が刻まれた装甲を着けている。掛け声は「ディー!」。武器は手槍、マシンガン、ライフルなど。設定ではファントム軍団を裏切ったファントム兵士を再改造したもので、頭部のマスクもファントム兵士と同じガスマスク風[6]。デスパー少年兵から兵士となった者の存在も暗示されている[7]。
- 村野ユキ
- 第12話に登場したデスパーの女幹部で、認識番号は8001。忠誠の証としてサイボーグ手術を受け、ガイゼルと参謀の会議の場に出入りできるほどの信頼を得ているが、実はデスパー・シティの市民たちによるレジスタンス活動のリーダー。彼らの「救世主」イナズマンこと渡五郎と荒井をデスパー・シティ内部に手引きする。五郎たちに関する情報をデスパーへとリークした実弟・ヨシオを射殺後、戦闘で体内のダイオードを損傷した荒井に自らのダイオードを与えたうえ、おびき出したウデスパー兄弟を道連れに爆死した[8]。
- レッドクイン
- 第18話に登場した女スナイパー。本名は飛鳥夕子。過去にデスパーによって両親や住んでいた村の人々を殺されており、その復讐を誓った。ガイゼルに近づくために、村の生き残りで唯一の友人である哲也を殺し、サデスパーの信頼を得る。渡五郎の暗殺を命じられた際、超能力者に苦痛を与える「死のメロディ」を利用して狙撃しようとするが失敗。五郎に手を引くように言われるが、自身の手でガイゼルを殺すことにこだわり、最後はデスパーの銃撃を浴びた。しかし、死の間際に放った銃弾はガイゼルの右耳を削ぎ落とした。
- カレン
- 最終話に登場。ガイゼルの一人娘で、父と違って心優しい女性である。しかし、彼女に関わった者はサデスパーの親衛隊に射殺されるため、デスパー・シティの市民にとっては恐怖の対象となっている[9]。デスパー・シティに潜入した五郎との邂逅で人間の優しさを知り、人類を「凶悪な生物」と見なす父の主張に疑念を抱く。デスパーの日本壊滅計画を知り、人工太陽の爆破スイッチを切ったが、裏切りを許さないガイゼルの手によって処刑された[10]。
キャスト
- 渡五郎 / サナギマン / イナズマン:伴直弥
- 荒井誠:上野山功一
- ガイゼル総統:安藤三男
- ウデスパー(声)、ウデスパーβ(声)、サデスパー(声):岩名雅記
- ウデスパーα(声):渡部猛
- 合体ウデスパー(声):和田周
- K麻耶:山科ゆり
- 村野ユキ:久万里由香
- レッドクイン:八代順子
- 白鳥ジュン:牧れい
- カレン:鳥居恵子
- ナレーター:村越伊知郎
スタッフ
- 原作:石森章太郎
- プロデューサー:荻野隆史 (NET) 、平山亨、加藤貢
- 監督:塚田正煕、山田稔、田口勝彦、前川洋之
- 脚本:上原正三、高久進、平山公夫、島田真之、峰沢脩(塚田正熙)、さとうかずゆき、楢岡八郎(加藤貢)、長石多可男、曽田博久、山田哲久、山崎久(田口勝彦)
- 助監督:長石多可男、平山公夫
- 音楽:渡辺宙明
- 演奏:あんだんて
音楽
本作のBGMおよび主題歌・挿入歌・イメージソングは全て渡辺宙明が作・編曲した。
主題歌
- オープニングテーマ「フラッシュ! イナズマン」
- 作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:秀夕木
- エンディングテーマ「イナズマン・アクション」[11]
- 作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
挿入歌・イメージソング
番組放送中に発売された主題歌・挿入歌LP[12]に収録
- 「揮えゼーバーイナズマン」
- 作詞:田中守 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
- 「平和の戦士サナギマン」
- 作詞:島田真之 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
- 「怒れライジンゴー」
- 作詞:田中守 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
- 「カイゼルデスパーの歌」
- 作詞:土井信 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:こおろぎ'73
- 「五郎の歌」
- 作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
- 「イナズマンの子守歌」
- 作詞:伊賀正雄 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎
- 「イ・ナ・ズ・マ・ンの歌」
- 作詞:赤井圭 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:コロムビアゆりかご会
放送リスト
| 放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場怪人他 | 脚本 | 監督 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1974年 4月9日 | 1 | 恐怖のガイゼル総統と謎のデスパー軍団! |
| 上原正三 | 塚田正煕 |
| 4月16日 | 2 | 戦慄のサファリ! 海中大作戦!! |
| ||
| 4月23日 | 3 | 水爆500発!! 地底大戦争! |
| 田口勝彦 | |
| 4月30日 | 4 | 謎の飛行船? 宇宙へ!! |
| 平山公夫 | |
| 5月7日 | 5 | DES(デス)ミサイル大空中戦!! |
| 高久進 | 山田稔 |
| 5月14日 | 6 | ガイゼルの大要塞 |
| 曽田博久 | |
| 5月21日 | 7 | 大決戦! ウデスパー対イナズマン!! |
| 上原正三 | 塚田正煕 |
| 5月28日 | 8 | ウデスパー兄弟! クロスハリケーン!! |
| ||
| 6月4日 | 9 | 少年サーカスとマルチ大作戦 |
| 田口勝彦 | |
| 6月11日 | 10 | ウデスパー兄弟の挑戦状!! |
| ||
| 6月25日 | 11 | 美しいサイボーグ! 暁に分身す!! | 島田真之 峰沢脩 | 塚田正煕 | |
| 7月2日 | 12 | 幻影都市デスパー・シティ |
| 上原正三 | |
| 7月16日 | 13 | 白い闇!! 鬼女がうたう子守歌 |
| 前川洋之 | |
| 7月23日 | 14 | 大空中戦!! 合体ウデスパー戦略部隊 |
| ||
| 7月30日 | 15 | 大洪水作戦!! |
| 山崎久 | 山田稔 |
| 8月6日 | 16 | 謎の女 その名はデスパー秘密捜査官 |
| 平山公夫 | |
| 8月13日 | 17 | 青い瞳のインベーダー |
| 山田哲久 楢岡八郎 | 塚田正煕 |
| 8月20日 | 18 | レッドクイン 暗殺のバラード | 長石多可男 | ||
| 8月27日 | 19 | イナズマン デスパー軍団に入隊す!! |
| 上原正三 | 前川洋之 |
| 9月3日 | 20 | 蝶とギロチン 花地獄作戦 |
| さとうかずゆき 楢岡八郎 | |
| 9月10日 | 21 | 死者部隊ルート047 |
| 上原正三 | 山田稔 |
| 9月17日 | 22 | 邪魔者は殺(け)せ ガイゼルの至上命令 |
| 塚田正煕 | |
| 9月24日 | 23 | さらばイナズマン ガイゼル最期の日 |
| 上原正三 | 塚田正煕 |
劇場版
- イナズマンF(1974年7月25日公開)
- 第12話のブローアップ版。
- 東映まんがまつりの一編として上映。
2007年12月7日に発売された「東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX」や、2009年10月21日に発売された「東映特撮ヒーロー THE MOVIE Vol.2」及び、2011年10月21日に発売された「復刻! 東映まんがまつり 1974年夏」に収録されている。
映像ソフト化
- ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は傑作選として、3巻・9話分を収録したものが東映ビデオよりリリースされている。
- 1996年1月21日から5月21日にかけてLDが東映ビデオより発売された。全3巻の各2枚組で各巻8話(Vol.3のみ7話)収録。
- 2004年4月21日から6月21日にかけてDVDが東映ビデオより発売された。全2巻の各2枚組でVol.1は11話、Vol.2は12話収録。
- 2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録されている。
脚注
- ^ テレビマガジン特別編集『変身ヒーロー大全集』(講談社)における加藤貢の証言によると、塚田は音楽面にも造詣が深く第18話でレッドクインのテーマとして使われたピアノ曲「暗殺のバラード(シナリオでの表記)」や、第22話で白鳥ジュンが歌う楽曲は塚田のオリジナルスコアとのこと。
- ^ 本放送時には、少年同盟員が運転する「ナショナル自転車」のCFも放送されていた。
- ^ 準備稿サブタイトルは「さらばガイゼル イナズマン最期の日」
- ^ ファンタスティック・コレクションNo.48『イナズマンF』P35(朝日ソノラマ)
- ^ モチーフは刑具の「鉄の処女」。
- ^ 造型もファントム兵士の頭部を改造したもの。
- ^ その他、第7話でミスワンの行動をサポートした女戦闘員(胸部装甲は共通しているが服が黒一色)、第21話に登場した「死者部隊」(ファントム兵士と同じ軍服、ヘルメットを着用)、最終話に登場したガイゼル親衛隊員(青色の軍服、ギャリソンキャップ風の制帽を着用)がいる。いずれもガスマスク風のマスクは着けておらず、人間の男女と同じ風貌。
- ^ 準備稿の脚本ではウデスパーαにジープ上で撲殺されている。
- ^ カレンに敵意を露わにして物を投げつけ、手にけがを負わせる(結果としてカレンと五郎の出会いのきっかけを作る)市民の役で、エンディングテーマを唄う水木一郎がカメオ出演している。
- ^ 準備稿では自身を手当てしてくれた五郎に好意を抱き、その愛に殉じて最期を迎えるなど「悲劇のヒロイン」としての側面がより強調されていた。
- ^ メロオケは、前作の第18話で本作に先駆けて使用されていた。
- ^ このLPには前作『イナズマン』の歌も併せて収録されていた。
| NETテレビ(現:テレビ朝日) 火曜日19:30枠(1974.4 - 1974.9) | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
イナズマンF
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