オウギタケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| オウギタケ | |||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ファイル:Gomphidius roseus.jpg | |||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Gomphidius roseus(Pers.) Roussel (1898) | |||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||
| オウギタケ (扇茸) | |||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||
| rosy spike-cap |
オウギタケ(扇茸、学名:Gomphidius roseus)はイグチ目オウギタケ科オウギタケ属の菌類。ハラタケ目のキノコのように襞を持っているがイグチ目に属している。桃色の帽子を持っており、英語圏ではrosy spike-cap や pink gomphidius として知られている。秋ごろ、松の森に見つかる。アミタケはオウギタケと一緒に良く見つかり、オウギタケはアミタケに寄生しているのではないかと考えられている。
目次 |
分類学
オウギタケは1821年、エリーアス・フリースによって最初に分類された[1]。このときの学名はハラタケ属の Agaricus glutinosus ß roseusというものであり、Agaricus glutinosusの変種とされていた。のちの1838年、彼はこのタクソンを種に格上げし、現在の学名に改めた。
属名はギリシア語で栓や楔、大釘を意味するゴンフォス('γομφος')に由来する[2]。種小名ロセウス(roseus)はラテン語で「ピンク色の」という意味である[3]。
特徴
このキノコはコーラルピンク色の傘を持っており、直径5cm程度まで、あるいはそれ以上に大きくなる。傘の形は饅頭型から扁平型で、時間がたつと煉瓦色のような色に変化していく。オウギタケ属には稀にぬるぬるした粘着性のある傘を持つものがあり、この種も稀にぬめる。G. glutinosusと違い、傘の黒い斑点を欠いている。[4]
柄は2.5~4.5cmであり、幅は0.4~1cmである。また、柄には不明瞭なつばがある。色は基本的に白色であり、薄くピンク色やワイン色になっている。根元付近は稀に黄色が混じる。
肉はピンク色を帯び、ほとんど味もにおいもない。
襞は垂生であり、灰色に近い色をしている。
胞子紋はこげ茶色。[5]
分布・生息地
オウギタケはヨーロッパで見つかる珍しい菌類である。北アメリカでは見つかっていないが、良く似たピンク色の類似種G. subroseusが良く見つかる[6]。日本でもアミタケと共に良く見かけられる。
松林、特にヨーロッパアカマツの林によく見られる。アミタケと関係が深く、下生えになっていることも多い[7]。子実体は秋にかけて出現する。[5]
生態
その他のオウギタケ科のように、オウギタケも自らの生える木と共生関係を築く、外菌根共生生物であるとされていた[8]。しかしながら現在ではこの分類に属する多くの種はイグチ属に寄生しているという証拠が出ており、さらにこの関係は分類全体の特性でないかとも考えられている。オウギタケの場合はアミタケがその例ではないかと考えられる[8]。
食用
オウギタケには毒性は知られていない。しかしながら食用には劣るとされており、キノコ図鑑でも食用に推薦されることは少ない。日本ではヌメリがあり、美味とされ食用にも良く使われる。[5][9]
脚注参照
- ^ (ラテン語)Fries, Elias Magnus (1821). Systema mycologicum, sistens fungorum ordines, genera et species huc usque cognitas [Taxonomical System for Mycology, consisting of an ordering of the fungi, genera and species, as currently understood], Vol. 1, p. 315.
- ^ Liddell HJ, Scott R (1980). Greek-English Lexicon, Abridged Edition. Oxford University Press, Oxford, UK. ISBN 0-19-910207-4.
- ^ Simpson DP (1979). Cassell's Latin Dictionary, 5, London: Cassell Ltd., p. 883. ISBN 0-304-52257-0.
- ^ Nilson S & Persson O (1977). Fungi of Northern Europe 1: Larger Fungi (Excluding Gill-Fungi). Penguin, p. 112. ISBN 0-14-063005-8.
- ^ a b c Roger Phillips (2006). Mushrooms. Pan MacMillan, pp. 270-71. ISBN 0-330-44237-6.
- ^ David Arora (1986). Mushrooms Demystified. Ten Speed Press, p. 483. ISBN 0-89815-169-4.
- ^ Haas, Hans (1969). The Young Specialist looks at Fungi. Burke, p. 52. ISBN 0-222-79409-7.
- ^ a b Olsson PA, et al. (2000). Molecular and anatomical evidence for a three-way association between Pinus sylvestris and the ectomycorrhizal fungi Suillus bovinus and Gomphidius roseus. Mycological Research 104: 1372–1378. (abstract)
- ^ Lamaison, Jean-Louis; Polese, Jean-Marie (2005). The Great Encyclopedia of Mushrooms. Könemann, p. 34. ISBN 3-8331-1239-5.




