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オランダ海軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オランダ海軍
ファイル:Naval Jack of the Netherlands.svg
オランダ海軍の旗
1488年
国籍 ファイル:Flag of the Netherlands.svg オランダ
忠誠 オランダとNATO
軍種 海軍
規模 9,400 人

フリゲート6隻
機雷敷設艇10隻
支援船3隻
揚陸艦2隻
潜水艦4隻

その他40隻

建造中OPV4隻

発注中の支援船1隻

ヘリコプター21機 + 発注中20機

本部 デン・ヘルダー
主な戦歴 八十年戦争
オランダ・ポルトガル戦争
英蘭戦争
スペイン継承戦争
四カ国同盟戦争
第二次世界大戦
指揮
海軍司令官 海軍中将 Matthieu Borsboom
副司令 海兵少将 T. van Ede,
著名な司令官 ミヒール・デ・ロイテル, マールテン・トロンプ, Jan van Speyk, カレル・ドールマン

オランダ海軍(オランダかいぐん)は、オランダ海軍。起源はハプスブルク領時代に遡り、連邦共和国の海軍を経て、王立海軍(オランダ語Koninklijke Marine)となった。

目次

歴史

オランダは建国以前神聖ローマ帝国次いでスペインの領土となったが、毛織物産業が発展しており、貿易も盛んであった。それらの商船を海賊や私略船が襲うこともしばしばであり、商人は自衛のために武装を行った。この武装商船がオランダ海軍の起源といわれる。

八十年戦争(オランダ独立戦争)ではこれらの武装商船が結集して戦った。この当時軍船とその他の船の間には特殊なものを除いて明確な境界はなかったため、多くの商船を有していたオランダは強力な海上戦力を保有する潜在能力を有していた。

1602年オランダ東インド会社が設立され、東アジア、東南アジア諸国との大規模な貿易が始まる。これにより多くの富がもたらされた。1623年にはアンボイナ事件が起きイギリスに対してこの地域での貿易で優位に立ったものの、対立構造が決定的になった。1650年代イギリスがオランダの商船を接収して積荷を没収するようになり三次に渡る英蘭戦争が勃発した。オランダ海軍は港湾の関係上大型の艦は使用できなかったが、マールテン・トロンプミヒール・デ・ロイテル等の名将のもと大型の戦列艦に対して健闘した。英蘭戦争が起るまでの17世紀前半はオランダの黄金時代であり、イギリスが優位になった後もオランダ海上帝国として、帝国主義時代まで続く列強の一員であった。

18世紀、オランダはフランスと戦い国力を消耗した。オランダの有力な植民地インドネシアオランダ領東インドが成立するのは20世紀)しかなく、他の列強に比較すると格の落ちる海軍しか整備できなかった。また1795年にはフランスに占領されバタヴィア共和国となる(フランス革命戦争)。この時期英海軍を相手としてキャンパーダウンの海戦を戦った。

20世紀、オランダは第二次世界大戦まで大きな戦争を戦うことはなかった。また、オランダは第一次世界大戦に中立であり、参戦することは無かった。

その後日本の勢力が拡大するにつれてインドネシアの安全が脅かされることとなる。オランダは自国経済の要であるインドネシアを防衛すべく重点的にそちらに海軍戦力を配備した。1940年5月にはナチス・ドイツのフランス侵攻に伴い、本国がドイツに占領された。短時日の陸戦による戦闘が主であり、海上戦闘はほとんど無かった。また、第二次世界大戦における大日本帝国海軍とオランダ海軍の戦力差は隔絶しており、1942年に入り、日本海軍がマレー・フィリピンを制圧して、インドネシア侵攻に至ると、その圧倒的優位に対抗して豪海軍と連合艦隊を組織して挑むもジャワ沖海戦バリ島沖海戦スラバヤ沖海戦バタビア沖海戦にいずれも敗北して戦力をすり減らし、壊滅した。

第二次世界大戦以降は西側諸国の一員としてソビエト海軍潜水艦に備えてフリゲート等を整備した。現在ではヨーロッパ諸国と共同で設計した軍艦などを運用している。

組織

第二次世界大戦前に海軍司令長官(BDZ)の職が設けられている。この職は海軍最高司令官として機能し2005年まで続く。海軍司令長官はオランダ海軍司令官(CZMNED)、カリブ海海軍司令官(CZMCARIB)と海兵隊総司令官(CKMARNS)を主導し、デン・ハーグにある海軍参謀本部を指導する。

2005年に国軍の大規模な組織改編がなされ、統合参謀総長が指揮権を集約し各軍参謀総長は権限を制約され教育訓練を主に担当することになる。海軍の実戦部隊は海軍司令部に統合される。海軍司令部は人事、設備管理、会計管理の機能が除外されいくつかの任務は各局や参謀本部に引き継がれている。

また、海軍司令官は北大西洋条約機構の一員としてベネルクス海軍司令官(Admiraal Benelux)が設けられ、戦時および国際的演習などでベルギー=オランダ艦隊を編組し指揮する。この機能は常設となっておりデン・ヘルダー海軍基地にはベルギー海軍の参謀が置かれ統連合司令部として存在している。

2009年時点で現役兵総員約9,400人[1]。予算は99億5,000万米ドル。

  • 海軍参謀本部
  • 海軍司令部
    • 護衛艦群
    • 機雷戦部隊
    • 潜水艦部隊
    • 水路部
    • 海兵隊(海兵隊は約3,100人[1]
    • 沿岸警備隊(本国周辺を担当)
    • カリブ海沿岸警備隊(カリブ海領土を担当)
    • 空軍海軍航空部(旧海軍航空隊で現在は空軍の国防ヘリコプター集団に統合されている)
  • 王立海軍士官学校

階級

日本語オランダ語画像NATO階級符号
士官
元帥相当の海軍大将Admiraal
伝統的に存在したが1956年を最後に廃止
OF-10
海軍大将Luitenant-AdmiraalOF-9
海軍中将Vice-AdmiraalOF-8
海軍少将Schout bij NachtOF-7
海軍准将CommandeurOF-6
海軍大佐Kapitein ter ZeeOF-5
海軍中佐Kapitein-luitenant ter ZeeOF-4
海軍少佐Luitenant ter Zee 1ste klasseOF-3
海軍大尉Luitenant ter Zee der 2e klasse OF-2
海軍中尉Luitenant ter Zee 2de klasseOF-1
海軍少尉Luitenant ter Zee 3de klasseOF-1
准士官および下士官兵卒
海軍准尉Adjudant OnderofficierOR-9/OR-8
海軍曹長Sergeant-MajoorOR-7
海軍兵曹SergeantOR-6/OR-5
海軍伍長KorporaalOR-4
海軍一等兵Matroos der 1ste KlasseOR-3
海軍二等兵Matroos der 2de KlasseOR-2
海軍三等兵Matroos der 3de KlasseOR-1

海軍士官候補生については各学年ごとに現行の階級制の中から指定される。第1学年は三等兵、第2学年は伍長、第3学年は兵曹、第4学年は少尉となっている。オランダ語での呼称は海軍と海兵隊とで異なるものもある。

主要基地・施設

  • デン・ヘルダー海軍基地(北ブラバント州デン・ヘルダー、海軍司令部を置く主要海軍基地)
  • コーイ飛行場(北ホラント州デン・ヘルダー、旧海軍航空隊基地で現在は空軍艦載機部隊が所在)
  • フリッシンゲン(ゼーラント州フリッシンゲン、2級基地)
  • アムステルダム(北ホラント州アムステルダム、2級基地)
  • ヨースト・ドゥーレン兵営(北ホラント州テセル、海兵隊駐屯地)
  • ヴァン・ゲント兵舎(南ホラント州ロッテルダム、海兵隊兵舎)
  • ヴァン・ブラーム・ホーウクリスト兵営(ユトレヒト州ドールン、海兵隊駐屯地)
  • パレラ海軍基地(キュラソー島ウィレムスタッド、海外根拠地および海兵隊訓練センター。他にカリブ海沿岸警備隊もいる)
  • サヴァンナタ海軍兵営(自治地域アルバ、海兵隊駐屯地。他にカリブ海沿岸警備隊もいる)

装備

2011年6月現在。『Jane's Fighting Ships 2011-2012』より。

過去に就役した艦艇については「オランダ海軍艦艇一覧」を参照。

艦艇

通常動力型潜水艦
  • ワルラス級×4
ワルラス(S802 Walrus) - 1992年
ゼーレウ(S803 Zeeleeuw) - 1990年
ドルフィン(S804 Dolfijn) - 1993年
ブラーニヴィス(S805 Bruinvis) - 1994年
フリゲート
ファン・スペイク(F828 Van Speijk) - 1995年
ファン・アムステル(F831 Van Amstel) - 1993年
デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン(F802 De Zeven Provincien) - 2002年
トロンプ(F803 Tromp) - 2003年
デ・ロイテル(F804 De Ruyter) - 2004年
エヴェルトセン(F805 Evertsen) - 2005年
哨戒艦
  • Holland級×0(4隻建造中)
●●(P840 Holland) - 2012年就役予定
●●(P841 Zeeland) - 2013年就役予定
●●(P842 Friesland) - 2013年就役予定
●●(P843 Groningen) - 2014年就役予定
哨戒艇
  • Rigid Randing Craft×0(48隻建造中)
ドック型輸送揚陸艦(LPD)
汎用揚陸艇(LCU)
  • Mk.9型×5
L9525-9529
車両兵員揚陸艇(LCVP)
  • Mk.2型×6
L9530-9535
  • Mk.3型×6
L9536-9541
  • Mk.5型×4(8隻建造中)
L9565-9576


航空機

2011年6月現在。『Jane's Fighting Ships 2011-2012』より。

海軍航空隊は廃止され所属機は全て空軍に移管し、ヘリコプターは国防ヘリコプター集団に属している。

回転翼機

陸戦兵器

戦力推移

艦種 1974年 1984年 1993年 2005年 2011年
LC フリゲート 4 4
M フリゲート 4 [2] 8 [3] 8 2 2
GW フリゲート 2 2 2
L フリゲート 1 [4] 2 2
S フリゲート 12 10 6
MLM フリゲート [5] 6
フリゲート合計 25 22 18 6 6
哨戒艇 4 2-4
潜水艦 6 6 4 4 4
補給艦 2 2 2 1
ATS 1 2 2
JSS 1 1
機雷敷設艇 15 15 15 10 6
掃海艇 11 11 [6]
艦船合計数 59 56 40 28 21
LRMP 航空機 21 13 [7] 13
ヘリコプター 36 [8] 30 [9] 20 20 20
航空機合計 57 43 33 20 20

その他

オランダ海軍関連の著名人

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脚注


関連項目

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参考文献

  • 『世界の艦船』(海人社)各号
  • Christopher Langton, Military Balance 2009, Routledge.
  • Jane's Fighting Ships 2011-2012

外部リンク