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カボチャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カボチャ属
ファイル:Kabocha.jpg
カボチャ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: スミレ目 Violales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: カボチャ属 Cucurbita
和名
カボチャ(南瓜)
英名
PumpkinSquash
  • 本文参照
ファイル:W kabocha4061.jpg
カボチャの雄花
ファイル:Arboretum Ellerhoop - Kürbis-Ausstellung.jpg
カボチャのさまざまな栽培品種
カボチャ、生
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 56 kJ (13 kcal)
炭水化物 6.5 g
- 糖分 1.36 g
- 食物繊維 0.5 g
脂肪 0.1 g
- 飽和脂肪酸 0.05 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.01 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.01 g
タンパク質 1.0 g
ビタミンA相当量 369 μg (41%)
- βカロテン 3100 μg (29%)
ビタミンB1 0.05 mg (4%)
ビタミンB2 0.110 mg (7%)
ビタミンB3 0.6 mg (4%)
パントテン酸(ビタミンB5 0.298 mg (6%)
ビタミンB6 0.061 mg (5%)
葉酸(ビタミンB9 16 μg (4%)
ビタミンC 9 mg (11%)
ビタミンE 1.06 mg (7%)
カルシウム 21 mg (2%)
鉄分 0.8 mg (6%)
マグネシウム 12 mg (3%)
リン 44 mg (6%)
カリウム 340 mg (7%)
塩分 1 mg (0%)
亜鉛 0.32 mg (3%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

カボチャ南瓜)は、ウリ科カボチャ属(学名 Cucurbita)の総称である。特にその果実をいう。原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国インドウクライナアフリカ。果実を食用とし、カロテンビタミン類を多く含む緑黄色野菜

目次

名称

日本における呼称類はこの果菜が、国外から渡来したことに関連するものが多い。

一般にはポルトガル語由来であるとされ、通説として「カンボジア」を意味する Camboja (カンボジャ)の転訛であるとされる[1]。 方言では「ぼうぶら」「ボーボラ」などの名を用いる地方もあり、これはやはりポルトガル語で、「カボチャ」や「ウリ類」を意味する abóbora (アボボラ)に由来するとされる。 ほかに「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などの名もある。 漢字表記「南瓜」は中国語: 南瓜 (ナングァ; nánguā)によるもの。

英名は pumpkinパンプキン)であると理解されている場合が少なくないが、実際には、少なくとも北米では、果皮がオレンジ色の種類のみが pumpkin であり、その他のカボチャ類は全て squash (スクウォッシュ)と総称される[2]。 したがって日本のカボチャは、kabocha squash (カボチャ・スクウォッシュ)などと呼ばれている。

属名Cucurbitaラテン語で、一般的には「ウリ」と訳される語を転用したもの。

生態

葉は大きく突起を持ち、斑模様や裂片をつける。花は黄色や橙色であり、短命。そのため受精に人工授粉が施されることが多い。

栽培

栽培されているのは主に次の3種類である。

西洋カボチャ C. maxima
アンデス山脈高地の冷涼な土地で栽培化された種で、主に大型のカボチャがこれに含まれる。現在日本で広く栽培されているカボチャは西洋カボチャである。花梗はスポンジ状で膨れており、畝は無い。果肉は粉質で食感はホクホクとして甘みは強く、栗カボチャとも呼ばれる。
東洋カボチャ C. moschata
メソアメリカの熱帯地方で栽培化された種で黒皮南瓜や鹿ケ谷南瓜のような日本カボチャ、バターナット・スクウォッシュがこれに含まれる。
ペポカボチャ C. pepo
北米南部の乾燥地帯で栽培化された種で小型のカボチャ、ドングリカボチャキンシウリ(ソウメンカボチャ)などがこれに含まれる。果実の形や食味に風変わりなものが多い。ハロウィンで使われるオレンジ色のカボチャはペポ種である。なお、ズッキーニも同種である。

栽培は日本ではに播種しからにかけて果実を収穫する。野菜の中でも特に強健で、こぼれ種から発芽することもある。栽培法はいたって簡単で、無農薬栽培も可能。播種・植えつけ後は放置してもよい。ただし、都会などで花粉の媒介を行う昆虫がいない場合は人工授粉しなければならない場合がある。人工授粉は午前9時までに行う。また垣根に這わせたり日よけ代わりに使うこともできる。施肥では窒素過多の場合、つるぼけを起こすことがある。

東洋カボチャは天文10年(1542年)に日本豊後国)にポルトガル人がカンボジアから持ち込んだ[3]。ペポ種は中国を経由して来たため唐茄子とも呼ばれる。強健な性質を利用して、カボチャをキュウリメロン接ぎ木の台にすることもある。

食材

ファイル:Pumpkins.jpg
海外品種のカボチャ(ペポ種)。ハロウィンでおなじみ
ファイル:パンプキンシード.jpg
殻を取り除いたパンプキンシード

完全に熟してから食する。ビタミンAを豊富に含む。皮は硬いが長く煮ることでやわらかくして食べることができる。サツマイモと同様にデンプンに変える酵素を含んでおり、貯蔵によってあるいは低温でゆっくり加熱することによって甘味が増す。従って、収穫直後よりも収穫後、約1か月頃が糖化のピークで食べ頃となる。日本には冬至にカボチャを食べる風習があるが、前述のように糖化に時間がかかり晩秋以降が食べ頃になるのと、それによって年末まで日持ちする数少ない野菜であるのが一因である。

甘みの強い品種は菓子作りにも向いており、パンプキンパイや、南アメリカフランタイの「サンカヤー・ファクトン」などのプリンなどに加工される。

フランスではスープの材料として使われることが一般だが、南部ではパイやパンに料理される。アルゼンチンでは中をくりぬいたカボチャにシチューを入れる。

種子(パンプキンシード)も食品として市販されており、ナッツとして扱われる。パンや洋菓子のトッピングとして用いられることが多い。メキシコにはカボチャの種子をすりつぶしたソースで肉や野菜を煮込んだ、ピピアン (pipián) という伝統料理がある。また、種子から食用油(パンプキンシードオイル)が取れる。

米国ではシナモンクローブなど、パンプキンパイに用いる香辛料とカボチャを使って醸造したビールが生産されている。

日本では北海道での生産量が多い。

日本の主な品種

日本かぼちゃ

黒皮種
  • 富津
  • 日向
  • 備前
黒皮小玉種
  • 小菊
  • 坊ちゃん
その他
  • 鹿ヶ谷
  • ちりめん

西洋かぼちゃ

黒皮栗種
  • みやこ
  • えびす
  • 大浜みやこ - 高級な南瓜とされる。
  • 栗あじ
  • 九重栗
  • 宿儺かぼちゃ
青皮栗種
赤皮栗種
  • 赤ずきん
  • 打木
白皮栗種
  • 伯爵
  • 雪化粧
  • 雪太郎

ペポかぼちゃ

生産地

日本
日本国外
  • 中国
  • メキシコ
  • ニュージーランド
  • トンガ

など。 このうちトンガでは、もともとかぼちゃの栽培が行われていなかったが、気候がかぼちゃの生育に最適であることと、日本でカボチャの需要が多いにもかかわらず収穫の出来ない12月ごろに収穫期を迎えることに目をつけた日本の商社が1990年代にカボチャ栽培を持ち込んだ。現在ではカボチャはトンガの主要輸出品目となっている。

ファイル:Kobe Mosaic17s3072.jpg
ジャックランタン

生薬

乾燥した種子は南瓜仁(ナンカニンまたはナンガニン)という生薬で条虫回虫駆除に用いられる。

知恵

  • 日本には「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」という風俗行事がある。

その他

アメリカなどではハロウィンが近づくと橙色のカボチャの中身をくり抜いて目鼻などをつけた観賞用のちょうちん(ジャック・オー・ランタン)を作り、中にロウソクを立てて戸口に飾る。昔はハロウィンが終わるとジャック・オー・ランタンでよくパンプキンパイを作っていたが、現在のジャック・オー・ランタン用のパンプキンの品種は観賞用に選抜されているため味があまり良くなく、腐るまで放置されることが多い。

ハロウィンの夜に「トリック・オア・トリート」(いたずらかお菓子か)に繰り出したティーンエイジャーが他人の家のジャック・オー・ランタンを持ち去って打ち壊すのは割りとよくあるいたずらである。オルタナティブ・ロックのバンド「スマッシング・パンプキンズ」のバンド名はここから来ている。

国鉄113系電車国鉄115系電車のうち、湘南色と呼ばれる車両の塗装が、かぼちゃの色に似ていることから、かぼちゃ電車という俗称がある。

ブラジルでは、頭の大きい人をカボチャと呼ぶことがある。

脚注

  1. ^ なお、“ポルトガル語 Cambodia abóbora に由来する”といった説が少なくともネット上においては相当広まっているが、この表現はポルトガル語としては何重にもおかしく、何かの勘違いが事故的に広まってしまったものと思われる。「カンボジアの瓜」をポルトガル語で言うなら、abóbora de Camboja / abóbora da Camboja か、もしくは abóbora cambojana であろう。
  2. ^ オーストラリアなど他の英語圏ではこの限りではない。
  3. ^ [1]

参考文献

  • バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント編『世界の食用植物文化図鑑』(柊風舎) 196-197ページ

関連項目

外部リンク