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シイタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シイタケ
Lentinula edodes
ファイル:Shiitakegrowing.jpg
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: 菌じん綱 Hymenomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: キシメジ科 Tricholomataceae
もしくは
ヒラタケ科 Pleurotaceae
もしくは
ホウライタケ科 Marasmiaceae
もしくは
ツキヨタケ科 Omphalotaceae
: シイタケ属 Lentinula
: シイタケ L. edodes
学名
Lentinula edodes
(Berk.) Pegler
和名
シイタケ
英名
Shiitake
Shiitake mushroom
シイタケ、生[1]
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 75 kJ (18 kcal)
炭水化物 4.9 g
- 食物繊維 3.5 g
脂肪 0.4 g
- 飽和脂肪酸 0.04 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.01 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.14 g
タンパク質 3.0 g
水分 91.0 g
ビタミンA相当量 1 μg (0%)
- βカロテン 0 μg (0%)
ビタミンB1 0.10 mg (8%)
ビタミンB2 0.19 mg (13%)
ビタミンB3 3.8 mg (25%)
パントテン酸(ビタミンB5 1.08 mg (22%)
葉酸(ビタミンB9 42 μg (11%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 10 mg (12%)
ビタミンD 2.1 μg (14%)
ビタミンE 0 mg (0%)
ビタミンK 0 μg (0%)
カルシウム 3 mg (0%)
鉄分 0.3 mg (2%)
マグネシウム 14 mg (4%)
リン 73 mg (10%)
カリウム 280 mg (6%)
塩分 2 mg (0%)
亜鉛 0.4 mg (4%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

シイタケ椎茸学名Lentinula edodes英語ShiitakeShiitake mushroom)は、ハラタケ目- キシメジ科(異説:ヒラタケ科ホウライタケ科ツキヨタケ科[en])- シイタケ属 (en) に分類されるキノコ。食用とされる。

目次

概要

シイタケは日本中国韓国などで食用に栽培されるほか、東南アジア高山帯ニュージーランドにも分布する。日本では食卓に上る機会も多く、最もよく知られたキノコの一つである。

かつてはマツオウジ属 genus Lentinus に入れられていたが、菌糸構成などの違いから分離された。なお、種小名 edodes を「江戸です」から採ったとする説があるが、イギリス人菌類学者マイルス・ジョセフ・バークリー (en) による1878年の原記載論文には学名の由来は記されていない。ギリシア語で「食用となる」という意味の語は εδωδιμος であり、ラテン文字に置き換えると edodimos となるため、これに由来すると考えられている。なお、「江戸」にちなんで命名された学名では yedo と表記される例(ソメイヨシノ)がある。本菌の原記載論文はチャレンジャー号探検において1875年に日本で採集された標本に基づく。

生態

自然界では、主にクヌギシイナラクリなどの広葉樹の枯れ木に発生するが、希にスギなどの針葉樹にも発生する。短い円柱形のの先に、を開く。枯れ木の側面に出ることも多く、その場合には柄は大きく曲がる。傘の表面は茶褐色で綿毛状の鱗片があり、裏面は白色で、細かい襞がある。子実体の発生時期は初夏と秋で、適温は10~25℃と幅があり菌株によって異なる。

類似の毒キノコ

よく似た条件で発生し、やや姿が似た毒キノコとしてツキヨタケがある。これをシイタケと間違えて食べて中毒になり、入院するまでの病状になる事が多い。外観は似ており、夜間や暗い場所では青白く光ることで区別がつくが、古くなったものは光らないため注意を要する。 

利用

シイタケは食用とされる。日本では「しいたけ品質表示基準」によって、食品としての「しいたけ」を「しいたけ菌の子実体であって全形のもの、柄を除去したもの又は柄を除去し、若しくは除去しないでかさを薄切りにしたもの」と定義している[2]

旨み成分として、5'-グアニル酸グルタミン酸を豊富に含むので、食材としてだけでなく、出汁をとるのにも使われる。グアニル酸は生のシイタケでは総重量に占める割合が少ないが、乾燥して温度が上昇する過程で、リボヌクレアーゼやホスホモノエステラーゼなどの酵素の働きにより増加する。また乾燥することで細胞が破損し、旨味成分の抽出効率も上がる[3]。風味・食感に癖があり、ピーマンニンジングリーンピースと並び好みの別れる食物の一つでもある。また栄養価としては炭水化物食物繊維ミネラルが主で、低カロリー食である。

中国医学では香蕈(こうしん)と称して生薬ともした。益気、健脾、健胃、化痰の作用があり、貧血高血圧に効くとされる。近年は、β-グルカン免疫強化、抗癌作用の研究も行われているが、通常の摂取量での効果は疑問である。その他の医療的利用ではシイタケ属から抽出されたAHCCが健康食品として利用されている。

生椎茸

生椎茸(なましいたけ)は遠火で炙り焼きにしたり、鍋料理スープ茶碗蒸しうどん巻き寿司などに入れたり、炒め物天ぷらなどにして食べる。鮮度が落ちやすい食材で、店頭で大量の汗をかいているもの、切り口や傘の裏が茶色く変色したもの、開封すると刺激臭のあるものは食さないことが望ましい。

乾椎茸

乾椎茸(ほししいたけ)は、椎茸を乾燥させ保存性を向上させた食品である。干し椎茸は、乾燥により生のものよりも味や香り、旨みが濃縮されて増すため、出汁をとったり、水で戻してから煮物佃煮にしたりする。もどし汁も出汁として利用される。また、陽に当てて干すことによって、ビタミンD2の含有量も増える。

成長程度の違いから、肉厚でかさが開ききっていない冬菇(どんこ)と、薄手でかさが開いている香信(こうしん。本来は香蕈と書く)、さらに両者の中間的存在の香菇(こうこ)の区別がある。いずれも中国での呼び方を取り入れたもので、どんこは中国語の発音「dōnggū」を模している。かさの表面に亀裂の様な模様がひろがっているものは花冬菇(はなどんこ。中国語では花菇)と呼ばれる。この他、スライスしてから乾燥させた製品もある。

健康上の注意

生シイタケを食べた場合、しいたけ皮膚炎と呼ばれる炎症が発生することがある。体部に掻痒が強い紅斑丘疹が発生し、掻痕に一致した線状の皮疹も呈する。原因は不明だがシイタケに含まれるレンチナンに対するアレルギー反応だという説がある。しかし後者の場合掻痒がない。干しシイタケの戻し汁などでも症状が発生することが確認されている。特にアレルギー体質の児童に対しては注意を要する。

栽培と流通

古来日本では古くから産したものの、栽培は不可能で自生したものを採集するしかなかった。その一方で精進料理において出汁を取るためには無くてはならないものであり、道元南宋に渡った際に現地の僧から干し椎茸を持っていないかと問われた逸話があるほど高価な食材であった。

江戸時代から、原木に傷を付けるなどの半栽培が行われ始めた。シイタケ菌が原木に付着してシイタケの生育が見られるかどうかは全く不明であり、シイタケ栽培は成功した場合の収益は相当なものであったが、失敗した場合は全財産を失うほどの損害となる一種の博打だった。

人工栽培の方法は20世紀に確立されたが、最近では原木栽培または菌床栽培されたものが市場流通品の殆どを占める。2006年10月1日からは、商品に必ず原木栽培品か菌床栽培品かを表示する事が義務付けられている。

現在では人工栽培の方法が諸外国にも普及しているものの、日本産干し椎茸は本場ものとして台湾香港などで人気があり、各地の業者が輸出をしている。

人工栽培

一般的にシイタケの原木栽培(ほだ木)では長さ1m程度に切断した広葉樹を原木として利用する。作業性を考慮し直径10~20cmの樹を利用する事が多い。原木は秋から初冬に伐採し、過度な乾燥を避け保管し翌早春に種菌を接種をする。種菌を接種した原木は、約1年を森林の下に寝かせ菌糸体の蔓延を待つ。種菌の接種から16~18ヶ月経過後にほだ場と呼ばれる栽培場所に移し、柵に立てかけるように原木を並べて子実体の発生を待つ。子実体が発生するのは、通常種菌を植え付けてから18~24ヶ月後で、3~4年間収穫(採集)が可能である。品種改良が進んでおり、シイタケが発生するのに最適な時期はそれぞれの品種によっても異なっている。その地域の気候に最も適した品種を選択し栽培することが、大切である。

原木栽培に於いて、落雷が発生するとその周囲でシイタケが異常発生することが、生産者の間では経験的に知られている。この異常発生の理由は十分に解明されていないが、伏せ込みの時期の原木に人工的に交流の高電圧パルスを与えた栽培実験では、2~3倍の収量が得られた事が報告されている[4]

日本国内の主な産地

大分県徳島県鳥取県島根県岡山県愛媛県熊本県宮崎県群馬県栃木県静岡県長崎県岩手県新潟県などで栽培が盛んである。乾椎茸は大分県が、生椎茸は徳島県が日本一の産地である。

中国の産地

中国(中華人民共和国)においては、浙江省安徽省江西省福建省湖南省などの華中から華南地域が主産地となっている。日本産に比べ、乾燥した感じで比重が軽く、匂いも弱い。近年、不正に日本から持ち出された日本国内の優良品種の種駒で栽培を行い、安価な輸入品が増えており、これに対し日本が2001年にセーフガードを発動するなど貿易摩擦が起きたこともある。

外国での普及

英語、フランス語などでもそのまま日本語に基づきシイタケと呼ばれる。フランスでは秋に流通する多くのキノコ類の中にシイタケも含まれ、朝市の店頭などで見かけることもある。なおフランスでもっとも珍重されるキノコはセップと呼ばれる日本でもよく見かけるが食べる人の少ないヤマドリタケモドキである。オランダでも栽培するようになってやはりshii-takeの名で販売している。


ブータンではキノコの消費が多く、西岡京治の農業指導によってシイタケがもたらされて以降広く普及している。

参考画像

脚注

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参考文献

  • Berkeley, M. J. 1878. Contribution to the botany of H.M.S. Challenger, 38. Enumeration of the fungi collected during the expedition of H.M.S. Challenger, 3. J. Linn. Soc. Bot. London 16:38-54
  • Nakamura, T. Shiitake (Lentinus edodes) dermatitis. Contact Dermatitis. 27:65-70,1992.
  • 中村雄彦(たけひこ). シイタケ皮膚炎(中村) -自験100例の考察 . 日本医事新報 (第4108号) 2003年1月18日,46-49.

関連項目

外部リンク