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ジェイ・キャスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

株式会社ジェイ・キャスト
J-CAST, Inc.
種類 株式会社
本社所在地 〒102-0084
東京都千代田区二番町12−8 ロイヤルビルディング1F
設立 1997年8月25日
業種 情報・通信業
事業内容 インターネットコンサルティング
代表者 蜷川真夫(代表取締役)
資本金 3億25万円(2008年3月27日現在)
主要子会社 スタディボックス、あどえりあ
関係する人物 大森千明(専務取締役、J-CASTニュース編集長)
外部リンク www.j-cast.co.jp
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株式会社ジェイ・キャスト(J-CAST, Inc.)とはオンラインニュース配信社(通信社ではない)。

J-CASTニュースの配信、eラーニングサービス事業、メディアサービス事業、Web制作事業を行っている。

目次

歴史

1997年8月25日、雑誌『AERA』元編集長の蜷川真夫によって設立された。ジェイはJapanの略である。1998年の長野オリンピックではsalon.comと共同で実験的なニュース配信を行った。これが「1.5次情報」のコンセプトにつながった。その後は、『日経ネットナビ』、『週刊東洋経済』などの雑誌編集の受託作業[1]や、eラーニング、ライコスの日本語化のようなWeb制作[2]などを行っていた。

2005年、Japan Information Networkの英文ビジネスニュースを受託した。JINは社団法人海外広報協会のポータルサイトからスピンオフした民間会社である。これを契機に、日本語ニュースサイトの構想が始まった。

2009年からはエリア・ターゲティング事業に力を入れている[3]

J-CASTニュース

J-CASTニュース
URL www.j-cast.com
スローガン ビジネス&メディアウォッチ
営利性 営利
タイプ ニュースサイト
使用言語 日本語
運営者 株式会社ジェイ・キャスト
設立者 株式会社ジェイ・キャスト
設立日 2005年9月1日
アレクサ
ランキング
4159位(日本241位)
現状 公称ユニークユーザー500万人以上。ページビュー5000万以上(2010年)[4]

概要

ミドルメディア的な独立系ニュースサイトである。編集長は大森千明。 ウェブサイトは、「ニュース」、「テレビウォッチ」、「モノウォッチ」、「会社ウォッチ」、「ニュースショップ」、「Jブロ」にわかれている。一部のニュースはポータルサイトにも配信されている[5]。日本語版のほかに、 英語中国語版の「J-CAST Business News」がある。

特徴

コンテンツの特徴は第一に“一・五次情報”である。「一次情報」である新聞ニュースをもとに(取材などではなくその文章をソースとした)二次情報である週刊誌的な切り口によるコメントをしている。第二はインターネットやメディアのウォッチである。一般のメディアが取り上げないような新聞や週刊誌のスクープ記事、テレビのワイドショーブログ2ちゃんねるmixiの「炎上」、「祭り」もコピー・アンド・ペーストし記事として取り上げる。これらの特徴から、ミドルメディアと評されることもある。第三にWeb 2.0の双方向性を読者コメントによる記事の補完という形で実現している。ただし、記事の執筆は市民記者に頼らない。

基本的に取材は電話取材のみ(そのため炎上や事実誤認の元になる場合もある)もしくは掲示板やニュース記事からの転載のため運営は低コストである。記者は3-4人。システムはMovable Typeを改良してスタートした。最近では記者会見オープン化の対象に指定され、会見取材も行っている。

ビジネスモデルはポータルサイトへの有料配信と自前サイトでの広告売上げである。

沿革

  • 2004年 - 日本の産業情報サイトを開始[6]
  • 2005年9月1日 - 『JINビジネスニュース』を開設。
  • 2006年7月26日 - 『J-CASTニュース』としてリニューアル。
  • 2007年7月31日 - 携帯電話用サイト『J-CASTモバイル』を開設。
  • 2008年8月 - 日本インターネット報道協会の創立メンバーに加わる。
  • 2009年9月 - 外務省の記者会見オープン化の対象に指定される。
  • 2010年1月 - 総務省の記者会見オープン化の対象に指定される。

ミドルメディア説

フリージャーナリストの藤代裕之は、J-CASTニュースのような掲示板やブログの情報をまとめるメディアを、CGMとマスメディアの中間という意味で「ミドルメディア」と定義している[7]。蜷川は“独自コンテンツを作っており、googleニュースのような単なるニュース・アグリゲーターではない”と自負、藤代のミドルメディア説に異議を唱えている。しかし、手本としている(後述)「ハフィントン・ポスト」がニュース・アグリゲーターである実態については口をつぐんでいる。

Jカスと炎上メディア問題

2ちゃんねるブログをニュースソースとし[8]、取材もせずにコピー・アンド・ペーストで軽いネタをそのまま報道する、“ゴミカスのようなメディア”という意味でJカス[9]、また、“炎上”している話題を報道して騒動を煽るメディアという意味で炎上メディアと呼ばれることもある[10]。藤代は

  • J-CASTニュースの公式スタートから約4ヶ月間に、ネットの炎上を10本以上報じている
  • 「何でも炎上にするな」、「書くから炎上するのではないか」という声が、ネットユーザーから上がっている
  • 報道によってネットユーザーのアテンションを集約し(注目を集め)、アクセス数の急増と延焼を招いている

と論じている[7]。 このようなメディアのあり方に対して、報道される側は特に反発することがある。例えば、松本人志の発言とネットの反応を報じた記事について、松本の所属事務所である吉本興業は、放送の一部を恣意的に切り取ったものであり、ネット上の個人の無責任な発言をいたずらに流布する報道姿勢として抗議した[11](この件ではJ-CASTの方が逆に炎上している[12])。テレビ東京経済ドキュメンタリードラマ ルビコンの決断」の「ソニー ウォークマンの逆襲」(2010年1月20日放送)を「ソニーをヨイショし過ぎで公平性に欠ける」と書き、取材拒否措置を受けたこともある[13]

これに対して蜷川は以下のような趣旨の反論をしている。

  • ネット上の街ダネを取材している。これも立派な取材であり、スキルである。
  • ウェブでは軽いネタが好まれる。ウェブコンテンツの宿命である。
  • 取材やコストを省力化した簡易メディアは新しいメディア・モデルである。

ハフィントン・ポスト」のようにアメリカでも流行っている、現在のネット広告の価格水準では、コストはかけられないためとしている。

エリア・ターゲティング事業

ジェイ・キャストは、ネット利用者を都道府県別に判別して、広告などを都道府県別に表示する「エリア・ターゲティング」の特許を持っている。ダブルクリックなどインターネット広告会社や広告代理店、日刊スポーツ産経デジタルなどの新聞社で使われている[14]

沿革

  • 2008年3月28日 - 出願していた「ウェブ情報提供方法およびウェブサーバ」が特許登録される[15]
  • 2009年4月24日 - J-CASTニュースでコアラのマーチ天気予報を開始。都道府県ごとにご当地コアラが表示される。ネーミングライツ広告である[16]
  • 2009年12月24日 - 電通と共同で地域ターゲティング事業の新会社「あどえりあ」を設立[14]

アクセス数

2006年7月、J-CASTニュースをスタートした。電話のみの取材のため、記事に事実誤認が発生することもある。広告ビジネスが成立する最低条件である1000万ページビュー/月を目標とした。SEOは行わなかったが、ライブドアエキサイトなどからのハイパーリンクで読者を獲得した。知名度が上がり、googleなどの検索エンジンからの訪問も増えた。1年後の2007年7月には1000万ページビュー/月を超えた。時代も味方した。2007年3月には世帯の過半数がブロードバンドを利用するようになり[17]、コンテンツが求められていた。2007年9月、Yahoo!ニュースへの配信を開始した。2008年7月までに読者は3倍に増加した[18]。 日本のユニークビジターは470万人[19]-600万人/月[20]。ページビューは2100万-4000万/月である。

脚注

ジェイ・キャストが自己言及している記事がほとんどであることに注意。

  1. ^ 雑誌・マニュアル”. メディアサービス事業. ジェイ・キャスト. 2010-03-18閲覧。
  2. ^ LYCOS”. ジェイ・キャスト. 2010-03-18閲覧。
  3. ^ 蜷川真夫 (2009-07-27). “編集長からの手紙 「ネットにも地方分権を!」 J-CASTニュース3周年で志向する”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). http://www.j-cast.com/2009/07/27046062.html 2010-03-16閲覧。 
  4. ^ J-CASTニュースコンテンツ説明資料”. J-CAST. 2010年12月16日閲覧。
  5. ^ ジェイ・キャスト (2006-12-01), “『J-CAST ニュース』ビッグローブでも配信開始!”, プレスリリース, http://www.j-cast.co.jp/2006/12/jcast_2.html 2008-12-27閲覧。 
  6. ^ 「J-CASTニュース」を本格展開、ユニークな視点で注目される”. ウェブ事業. ジェイ・キャスト. 2010-03-18閲覧。
  7. ^ a b 藤代裕之 (2006-11-30). “「炎上」の発火源?・マスコミとブログつなぐ新メディアの台頭【コラム】”. 日本経済新聞. http://it.nikkei.co.jp/internet/column/gatoh.aspx?ichiran=True&n=MMIT11000029112006&Page=3 2008-03-27閲覧。 
  8. ^ 2ちゃんねる記者の“ばぐ太”をウェブページに登場させた事もある
  9. ^ 『ネット炎上力』 58頁。
  10. ^ 『ネット炎上力』 128頁。
  11. ^ “吉本興業がJ-CASTに抗議 松本人志さんのラジオ発言に関する報道で”. ITmedia News (ITmedia). (2008-05-13). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/13/news126.html 2010-03-18閲覧。 
  12. ^ 理不尽なネット規制を助長させる気か!? 他人のふんどし・コピペ・炎上メディア「J−CASTニュース」 PJニュース2008年5月14日
  13. ^ “テレ東番組「ルビコンの決断」 「ウォークマンの逆襲」はやりすぎ”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2010-01-27). http://www.j-cast.com/2010/01/27058869.html 2010-01-28閲覧。 
  14. ^ a b 田中正晴 (2009-12-24). “電通,J-CASTと共同で地域ターゲティング事業の新会社を設立”. ITpro (日経BP社). http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20091224/342651/ 2009-12-26閲覧。 
  15. ^ 原隆 (2008-10-7). “J-CASTが持つ隠れた“財産””. IT Pro. 2010年3月20日閲覧。
  16. ^ “ご当地コアラが登場するJ-CAST 「コアラのマーチ天気予報」、ネーミングライツ広告の試み”. MarkeZine (翔泳社). (2009-4-24). http://markezine.jp/article/detail/7207 2010-03-18閲覧。 
  17. ^ 増田覚 (2007-06-13). “国内世帯の半数がブロードバンドを利用、「インターネット白書2007」調査”. INTERNET Watch (インプレス). http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/13/16029.html 2010-03-18閲覧。 
  18. ^ 蜷川真夫 (2008-07-26). “編集長からの手紙 J-CASTニュース開設2周年、ネットメディアの展望は?”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). http://www.j-cast.com/2008/07/26024090.html 2010-03-18閲覧。 
  19. ^ Google Ad Planner”. Google (2009年). 2009-12-27閲覧。 Unique visitors(users)ベース
  20. ^ 『ネット炎上力』

参考文献

関連項目

  • ニュース・アグリゲーター
  • 日刊テラフォー
  • ガジェット通信
  • ロケットニュース24

外部リンク