セイヨウショウロ
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| ファイル:Truffe01.jpg トリュフ
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本文参照 |
セイヨウショウロ(西洋松露、Tuber spp.、フランス語でトリュフ truffe)とは、子嚢菌門セイヨウショウロ科セイヨウショウロ属のきのこの総称。広葉樹の根に菌根をつくって生育し、地中に塊状の子実体を形成する。
高級食材で、「黒いダイヤ」とも呼ばれる。フランス産のペリゴール・トリュフ(黒トリュフ、T. melanosporum Vitt.)とイタリア産の白トリュフ(T. magnatum Pico)が特に珍重され、他にも数種のヨーロッパ産セイヨウショウロが食用に採取されている。日本ではクロアミメセイヨウショウロ(T. aestivum Vitt.。ヨーロッパにも分布し、夏トリュフと呼ばれる)やイボセイヨウショウロ(T. indicum Cooke et Massee)などの近縁種が最近になって報告されている。近年中国産のイボセイヨウショウロは、黒トリュフや白トリュフの廉価な代用品として大量にヨーロッパに輸出されている。
トリュフ自体は香りがあるが味はほとんどなく、サラダにスライスして入れたりする。またヒレステーキにフォワグラとトリュフのソテーを添えた「トゥールヌド・ロッシーニ(ロッシーニ風ステーキ)」などの料理が知られている。
同名で、トリュフの形状を模したチョコレート菓子がある。ガナッシュをココアパウダーで包んで作るのが一般的。
『南仏プロヴァンスの昼下がり』などで知られる作家のピーター・メイル(en)が、トリュフの話題を南仏プロヴァンスを舞台にしたエッセイの中心にすえて、日本でも広く一般にその味覚が話題になるようになった。
目次 |
概要
トリュフはふつうオークの木の根本から半径120-150cm以内の5-40cmの深さで発生する。中東と地中海沿岸に見られるイモタケ類を含め、いろいろな種類がある。
はじめに
トリュフの子嚢果(子実体)は食用として大いに賞揚されている。1825年にジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Brillat-Savarin)はその著書「美味礼讃」の中で、トリュフを「台所のダイヤモンド」と称し、その媚薬としての効能を賞賛した。トリュフの媚薬としての効果は定かではないが、フランス、北部イタリア、イストリア地方の日常の料理、および国際的なグルメ界では今でも高い評価を保っている。
食用としての使用法
トリュフは価格が高く香りが主体なため、少しずつ使用する。白トリュフは一般に、スクランブルエッグやバターを絡めたパスタ、サラダの上に生のまま削ってかける。紙のように薄く削った白または黒トリュフは、肉やローストした鳥の皮の下、フォアグラやパテに挟んだり詰め物に入れたりする。トリュフを含むチーズも同様である。黒トリュフの香りは白トリュフよりはるかに刺激が少ない。新鮮な土、マッシュルームを思わせるようなもので、新鮮なときにはその香りはすぐに部屋いっぱいになる。
生産の方法
黒トリュフ、白トリュフともに人工菌床栽培が可能で、日本の新潟麦酒株式会社が2006年に開発した。もっとも、現段階では最大30mmほどの大きさにしかならないため、トリュフバターなどの加工品として出荷されている。
歴史的には長らく栽培方法が研究されており、ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランが栽培への懐疑とともに次のように記している。
- 「教養ある人々がその秘密を探り当てようとし、その種を発見したと思いこんだ。しかし彼らの約束は実現せず、植えても何の収穫もなかった。たぶんこれは結構なことで、トリュフの大きな価値の一つは高価であることであって、もっと安ければこうまで高くは評価されないだろう。
- 『喜べ友よ』私は言った。『とびきりのレースがとても安く作られるようになるぞ』
- 『なんてこと』彼女は答えた。『考えても見て、もしも安くなったら、誰がそんなものを身につけるというの?』」(ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン、1825年)
しかしながら、1808年、南フランスのヴォクリューズ県アプトのジョゼフ・タロン(Joseph Talon)は、トリュフの宿主となることが分かっているオークの木の下から集めたドングリをその根の間に播くことを思いついた。実験は成功し、数年後、新しく育てたオークの木の周囲の土の中にトリュフが発生した。これ以降トリュフ栽培は急激に拡大し、フランスでは「トリュフィ・クルチュール(トリュフ栽培製品、trufficulture)」として知られるようになる。1847年、ヴォクリューズ県カルパントラのオーギュスト・ルソー(Auguste Rousseau)が7ヘクタールにわたってオーク(これもトリュフが発生する木の周りから得たドングリ)を植え、その後大量のトリュフの収穫を得た。彼は1855年のパリ万国博覧会で賞を得た。
これらの試みの成功は、トリュフの生育に必要な暑く乾燥した気候の石灰岩地帯である南フランスに熱狂をもたらした。19世紀の末に、南フランスのぶどう園が侵入害虫のブドウネアブラムシによって壊滅した。別の伝染病のため南フランスのカイコが壊滅したため、桑園も無用になってしまった。こうして、広大な土地がトリュフ栽培のための空き地となった。トリュフを生産する樹木が何千本も植えられ、1892年のフランス全体での収穫量は2000トンに上がり1890年には750平方キロのトリュフ園があった。
しかし20世紀にはいると、フランスの工業化とそれに伴う郊外への人口の移動により、これらのトリュフ園は放棄されてしまった。第1次世界大戦では従軍した男性の20%以上を失い、これもまたフランスの田園地帯に深刻な打撃を与えた。そのため、トリュフ栽培のノウハウは失われた。さらに、二つの世界大戦の間には、19世紀に植えられたトリュフ園の寿命が尽きてしまった(トリュフを生産する樹木の生活環は平均30年である)。その結果、1945年以降トリュフの生産が急減した。1892年には2000トンあった生産量は、現在では通常20トン前後でしかない。1900年にはトリュフは多くの人々に日常的に食べられていたが今ではトリュフは金持ち専用の珍味か、特別な場合にのみ食べられるものに成り下がった(昔は安価だったが今では高級品と化してる物として、日本では鯨肉と立場が似ている)。 この30年間に、トリュフの大量生産のための新しい試みが始められた。現在フランスで生産されるトリュフの80%は特別に育てられたトリュフ園で作られる。にもかかわらず、生産は1900年代の頂点にまでは回復してはいない。地方の農家はトリュフの価格を下げる大量生産への回帰に反対している。しかしながら、大量生産の前途は洋々である。世界市場は現在フランスで生産される量の50倍のトリュフを吸収すると見積もられている。現在トリュフを生産する地域はスペイン、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ(ノースカロライナ州)にある。
野外でトリュフを探すときは、ほとんど常に特別に訓練されたブタかイヌを用いる。ブタはかつてもっともよく使われたが、現代の農家はトリュフを食べてしまわないイヌの方を好む。ブタとイヌのどちらも鋭敏な嗅覚を持っているが、イヌがトリュフの香りについて訓練しなければならないのに対し、メスのブタには全く何の訓練も要らない。これはトリュフに含まれる化合物が原因で、メスブタを強く引きつけるオスのブタの性フェロモンと類似しているためである。
トリュフのいろいろ
黒トリュフはほぼヨーロッパでのみ生産され、中でもフランス(生産の45%)、スペイン (35%) 、イタリア (20%) が多い。スロベニアとクロアチアでも少量生産されている。1900年にはフランスでは約1,000トンの黒トリュフが生産されていた。生産は1世紀にわたり大きく減少し、現在の生産量は通常20トン前後であり、最良の年でも46トンに過ぎない。フランス産のうち80%は南東フランスの上プロヴァンス(ヴォクリューズ県およびアルプ=ド=オート=プロヴァンス県)、ドーフィネの一部(ドローム県)、ラングドックの一部(ガール県)で生産され、20%は南西フランスのケルシー(ロット県)およびペリゴールで生産される。 このトリュフは子実体発生の条件が整うと、その地上部には草の生えない「ブリュレ」と呼ばれる領域を生じる。これは、未解明の物質によるアレロパシー作用である[1]。
白トリュフ(Tuber magnatum)は北および中央イタリアに見られ、Tuber borchii (whitish truffle) はトスカーナ州、ロマーニャ地方、マルケ州で見られる。
夏トリュフは5月から12月にかけて収穫される。他のあまり使われないトリュフには Tuber macrosporum や Tuber mesentericum (scorzone truffle) といった種類がある。
世界一高価なトリュフ
2007年イタリアのトスカーナ地方で重さ1.5キロの巨大な白トリュフが発見され、同年12月1日にマカオで開催される慈善オークションに出品されることになった。落札予想価格は15万ユーロ、実際の落札価格は22万ユーロ(それぞれ、当時で約2400万円と約3600万円)。過去50年間で見つかったトリュフとしては最大級というこの白トリュフは、イタリア中部のピサ近郊にあるどんぐりの木のそばで探し当てた。巨大トリュフの掘り起こしには1時間以上を要したという。
参照
- メラノガステル属の菌は偽トリュフと呼ばれる
- トリュフに似せたチョコレートはチョコレートトリュフと呼ばれる。ガナッシュ(固めのチョコレートクリーム)を丸めたものにクーベルチュール・チョコレートをコーティングしたものが一般的なトリュフチョコレート。
脚注
- ^ 高等菌類子実体のアレロパシー 雑草研究. 別号, Journal of Weed Science and Technology. Supplement (43) pp.176-177 20040416




