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セミタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

セミタケ
Ophiocordyceps sobolifera
分類
: 菌界 Fungi
: 子嚢菌門 Ascomycota
: 核菌綱 Pyrenomycetes
: ボタンタケ目 Hypocreales
: オフィオコルディケプス科 Clavicipitaceae
: オフィオコルディケプス属 Ophiocordyceps(Fr.)Link
: セミタケ
Ophiocordyceps sobolifera(Fr.) G.H.

Sung, J.M. Sung, Hywel-Jones & Spatafora

和名
セミタケ

セミタケとは子嚢菌門核菌綱ボタンタケ目オフィオコルディケプス科オフィオコルディケプス属に分類される子嚢菌の一種である。

目次

形態

子実体は高さ3-6センチの棍棒状をなし、やや膨らんだ円筒形の頭部と、それよりいくぶん細い柄とからなる。頭部は淡い赤褐色~灰褐色を呈し、その表面直下に、微細な粒状の子嚢殻が多数埋もれて形成される。柄は頭部よりも色が淡く、その基部は分岐することなく直接にセミの幼虫体につながっており、基部近くには、しばしば灰桃色のこぶ状突起を生じる。

子嚢殻の内部には無数の子嚢が形成され、一本の子嚢の内部には通常8本の胞子が作られる。胞子は非常に細長い円筒形をなし、多数の隔壁で仕切られるが、子嚢から射出された後、すみやかに隔壁部でばらばらに分断されて短い円筒状の二次胞子となる。

生態

地中に生息するニイニイゼミの幼虫を寄主としており、日本では、初夏から初秋にかけて人家の庭や神社の境内などで見出される。

分布

日本では栃木県以南から沖縄本島以北に分布する。海外では中国・南米・オーストラリア・ニュージーランド・スリランカおよびマダガスカルに産するといわれている。

類似した種

一変種としてヒグラシタケ(O. takaoensis (Y. Kobayasi)G.H. Sung, J.M. Sung, Hywel-Jones & Spatafora)が記録されており、ニイニイゼミではなくヒグラシの幼虫を宿主とする点で区別されている。セミタケに比べて、後者の発生は非常にまれであるという。 また、オオセミタケ(O. heteropoda (Y. Kobayasi)G.H. Sung, J.M. Sung, Hywel-Jones & Spatafora)は、アブラゼミエゾゼミあるいはヒグラシなどの幼虫を宿主とし、子実体の柄の基部が細根状に分岐して宿主につながることで区別される。

人間との関わり

樹木の吸汁害虫としてのニイニイゼミの天敵ではあるが、農業上で重視されるほどの生態的なメリットがあるかどうかは定かではない。 また、冬虫夏草の一種としての薬理活性が注目されているが、少なくとも日本国内においては、臨床用製剤としての実用化の段階には至っていない。

その他

他の多くの冬虫夏草と同様に、本種も伝統的に冬虫夏草属Cordycepsに分類されてきたが、分子系統学的解析によって別属Ophiocordycepsに所属が変更され、さらに科のレベルでも分離されるに至った。

京都府レッドデータブックにおいては、「絶滅寸前種」のカテゴリーに含められている。


出典


関連項目