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トヨタ・ラウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ラウム(RAUM)トヨタ自動車の1500ccクラスの小型乗用車である。

コンパクトカーとしては珍しく、リアドアに両側スライドドアを採用している。通常、このような車はハッチバックと呼ばれることが多いが、ラウムはバックドアが横開き(右開き)のためハッチバックとは言い難く、どちらかといえば、ショートタイプのステーションワゴンの趣きが強い[1]。取扱いディーラーはネッツ店で、製造はグループ会社のセントラル自動車が担当する。

また、ラインナップ体系も独特で、標準仕様と複数のパッケージ仕様が用意されている[2]

目次

歴史

初代(Z10型 1997年-2003年)

トヨタ・ラウム(初代)
EXZ1#型
前期型(1997/5-1999/8)
販売期間 1997年5月 - 2003年5月
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン[1]
エンジン 5E-FE型 1.5L 直4 DOHC
変速機 4AT
駆動方式 FF/4WD
全長 4025mm
全幅 1685mm
全高 1535-1590mm
ホイールベース 2520mm
-自動車のスペック表-
  • 1997年4月14日 - 型式指定を受ける[3]
  • 1997年5月 - 初代ラウム発売。ターセル/コルサ/カローラIIのプラットフォームをベースに作られた新コンセプト車。「乗る、使う、楽しむ」を具体化する「ヒューマン・フレンドリー・コンパクト」が開発テーマ。当時のコンパクトカーとしては画期的なロングホイールベースを採用した。スライドドアを採用した二列シートのセミトールワゴンで、シンプルなフロント部と、卵型の縦長テールランプが特徴的なリア部とによる、やや丸みを帯びたシンプルなデザインであった。スライドドアの窓が固定式となることも珍しくなかった時代に、後部座席にも両側とも電動式のパワーウィンドウが採用されている。内装ではトヨタのコンパクトカーとしては初となる、オプティトロンメーターを採用し、オーディオ類もインパネ上部に移設するなどして扱いやすさを向上させている。コラムシフトの採用によりセンターコンソールが存在しないため、前後左右のウォークスルーが可能。エンジンは1.5L・5E-FE型を搭載する。4WDも同じ形式のエンジンを積むが、馬力を落とす代わりに中・低回転域のトルクを向上させ、重量増に対応している。また、トヨタ車としては初となる、電気式ブレーキアシストが搭載された(運転手が一定以上の速さ・強さでブレーキペダルを踏んだときに、コンピュータが緊急ブレーキであると判断して倍力装置を作動させるというもの)。発売当初は標準仕様と、標準仕様から一部装備を省略・簡略化した「Eパッケージ」、標準仕様に電動格納式リモコンドアミラー、ワイヤレスドアロックリモートコントロール、オートエアコン&クリーンエアフィルターなどを追加した「Cパッケージ」、「Cパッケージ」の装備に加え、カラードルーフレールやカラードアウトサイドドアハンドルなどを追加した「Gパッケージ」の3種類のパッケージが用意されていた。
  • 1998年8月 - 一部改良。新たにペア・ベンチシートを採用した「Bパッケージ」と「Sパッケージ」を追加。「Sパッケージ」は「Bパッケージ」より機能面を充実したスポーティー仕様である。
  • 1999年8月 - マイナーチェンジ。フロントバンパーやグリル、リアバンパーのリフレクターデザイン変更や、エンブレムをトヨタのCIマークから車種専用のものに、リアウインカーのクリア化、一部グレードのタコメーターの標準装備化、インパネの配色やシート地・内装色の変更等を実施。また、シートタイプによるグレード体系となり、従来の標準仕様は「セパレート」、パッケージ仕様の1つだった「Bパッケージ」は「ペア・ベンチ」となり、新たに「ダブルフォールディングシート」を採用し、積載能力を高めた「フラットデッキ」を新設。それぞれに、標準仕様と3種類のパッケージ仕様(Cパッケージ・Gパッケージ・Sパッケージ)が用意された。
  • 2001年12月4日 - 「セパレート」をベースに、UVカットガラス(リアドア・クォーターウィンドウ・バックドアはプライバシーガラス)、撥水フロントガラス、電動格納式カラードリモコンドアミラー、カラードアウトサイドドアハンドル、専用シート&ファブリック表皮などを施した特別仕様車「セパレート スペシャルエディション」を発売。
  • 2002年4月8日 - 一部改良。ホイールキャップのデザインを変更し、「セパレート」にはファブリックシート表皮を採用。FF車は国土交通省の低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス25%低減レベル(★)」を達成。また、外内装に特別装備を加えた特別仕様車「セパレート Wiseセレクション」を発売。


2代目(Z20型 2003年-2011年)

トヨタ・ラウム(2代目)
NCZ2#型
後期型(2006/12-2011/10)
販売期間 2003年5月 - 2011年10月
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン[1]
エンジン 1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
最高出力 2WD車:80kw(109PS)/6,000rpm
4WD車:77kw(105PS)/6,000rpm
最大トルク 2WD車:141N・m(14.4kgf・m)/4,200rpm
4WD車:138N・m(14.1kgf・m)/4,200rpm
変速機 4AT(Super ECT)
駆動方式 FF/4WD
全長 4045mm
全幅 1690mm
全高 1535mm(FF)/1545mm(4WD)
ホイールベース 2500mm
車両重量 1150kg(FF)/1220kg(4WD)
-自動車のスペック表-
  • 2003年4月3日 - 型式指定を受ける[2]
  • 2003年5月12日 - フルモデルチェンジ。目標月間販売台数は4000台。プラットフォームは左右非対称構造のためラウム専用の新開発のものとなったが、エンジン・サスペンション等はヴィッツ系と共用[3]。衝突安全ボディGOAをさらに発展させ先代より対衝撃性や居住性、ドライバーの有効視界が向上している。助手席ドアはピラーごと開くパノラマオープンドア(センターピラー内蔵ドア)とした事に伴い助手席にはタンブルシートが採用された[4]。また、助手席側のスライドドアはパワースライドとなった。計器類はマスターウォーニングを配したセンターメーターに加え、ステアリング奥に警告灯や表示灯を集約・配置したエリアを設け、視覚的なわかりやすさを重視したものとなっている。また、メーター内照明のカラーやスピードメーターの数字フォントのサイズにも独自の調査結果が反映されている。随所に配置されたアシストグリップや楕円形ステアリング、前述のパノラマオープンドアなどの装備により、乗り降りのしやすさ・使い勝手の面でも大きく改良されている。エンジン・トランスミッションは同社bBと同じDI方式のBEAMS、1NZ-FEVVT-iエンジンと4速AT(Super ECT)を組み合わせ10ps以上のパワーアップが行われた。また、環境・燃費性能も向上され、「平成12年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆)」を達成するとともに、2WD車は「平成22年度燃費基準」も先行してクリアした。2代目では標準仕様と、標準仕様に助手席側パワースライドドア、タコメーター、電動格納式リモコンカラードドアミラーなどを装備した"C Package"、"C Package"にスマートドアロックリモートコントロールやIR(赤外線)センサー式オートエアコンなどを装備し、機能を充実した"G Package"、"C Package"にカラードスポイラーやアルミホイールなどを装備し、スポーティースタイルに仕立てた"S Package"の3種類のパッケージ仕様となった。取扱いディーラーはネッツ店に加え、旧・ビスタ店でも取り扱うようになった。
  • 2003年10月10日 - グッドデザイン賞のなかでも、福祉的な視点に配慮し、広範なユーザーによる使用を可能にした製品等に与えられる特別賞「ユニバーサルデザイン賞」を受賞。
  • 2004年5月1日 - 旧・ビスタ店を吸収統合した為、再びネッツ店のみの取扱いとなる。この新生「ネッツ店」の誕生を記念し、標準車をベースに"C Package"の装備と"G Package"で人気の高いフレシール加工フルファブリックシート表皮、ディスチャージヘッドランプを装備した特別仕様車「Cパッケージ・NEO Edition」を発売。
  • 2005年8月18日 - 一部改良。ディスチャージヘッドランプに、対向車への眩惑を少なくする光軸調整用のオートレベリング機構(ハロゲンヘッドランプはマニュアルレベリング機構)を採用。LED式ハイマウントストップランプを全車に標準装備。フロントフェンダーにサイドターンシグナルランプを標準装備。また、ウェルキャブの助手席リフトアップシート車にはワイヤレスリモコンが付いた。
  • 2006年12月5日 - 一部改良。フロントフォグランプを全車標準装備とし、テールランプとホイールキャップのデザインを変更(ホイールキャップのデザイン変更は"S Package"を除く)。ボディカラーに新色3色を追加し、メーカーオプションのナビゲーションシステムをDVD方式からHDD方式に変更。また、フロントエンブレムはネッツ店専売車種に与えられる「Netz」の頭文字である"N"をモチーフとしたシンボルマークに変更した。なお、一部変更に伴い、"C Package"が廃止となった。
  • 2009年1月7日 - 標準車をベースにディスチャージヘッドランプや運転席アームレストを装備。さらに、クリーンフィルターに脱臭機能を追加したほか、ボディカラーに専用色のブラックマイカを含む5色を設定した特別仕様車「HIDセレクション」を発売。
  • 2010年8月 - サイレントでJC08モード燃費に対応。合わせて、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」をクリア。
  • 2010年12月21日 - 標準車をベースに、スマートドアロックリモートコントロール、IR(赤外線)センサー式オートエアコン、運転席アームレスト、脱臭機能が追加されたクリーンエアフィルター、ディスチャージヘッドランプを装備し、ドアインサイトハンドル&レジスターノブにはめっき加飾を施し、より魅力的で且つ充実仕様ながら求めやすい価格設定にした特別仕様車"Smile Edition"を発表(2011年1月7日販売開始)。ボディカラーは特別色のブラックマイカを含む全5色を設定した。
  • 2011年10月 - 生産・販売を終了。14年半の歴史に幕を閉じた。

車名の由来

  • 「部屋」を意味するドイツ語Raumより。
  • 2004年5月に発売された特別仕様車「C Package・NEO Edition」の"NEO"とは、新時代の幕開けを意味するNEW ERA OPENINGからとったもの。

脚注

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関連項目

外部リンク