ドカベン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| ドカベン | |||
|---|---|---|---|
| ジャンル | 野球漫画 | ||
| 漫画 | |||
| 作者 | 水島新司 | ||
| 出版社 | 秋田書店 | ||
| |||
| 掲載誌 | 週刊少年チャンピオン | ||
| レーベル | 少年チャンピオン・コミックス | ||
| 発表期間 | 1972年18号 - 1981年16号 | ||
| 巻数 | 単行本:全48巻 文庫本:全31巻 | ||
| ■テンプレート使用方法 ■ノート | |||
| ファイル:Logo serie manga.png |
|---|
『ドカベン』は、水島新司による日本の野球漫画作品。及び、これを原作とするアニメ・映画・ゲーム作品。
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて1972年から1981年まで連載された。
目次 |
概要
「ドカベン」こと山田太郎と、岩鬼正美、殿馬一人、里中智、微笑三太郎などの仲間達を中心とした野球漫画。主な舞台は高校野球である。
連載当初は、山田、岩鬼、サチ子の「花のトリオ」を主軸とした学園漫画を目指しており、鷹丘中学を舞台とした柔道漫画だった。また、水島が本来は「貧乏な主人公の根性物」を得意としていたこともあって、山田家は「長屋暮し」に設定されており、また柔道編には「貧困」がテーマとなるエピソードも多かった。単行本8巻目に至り、舞台を明訓高校に移すに従い野球漫画へ方向転換、「貧困」テーマも背景に退く。
元々野球漫画として描く計画だったようで、野球をやることへの伏線は最初から張られている。作者は「当時ライバル誌に『男どアホウ甲子園』で同じく野球作品を連載していたため控えていた」と雑誌のインタビューで答えている。もっとも『男どアホウ甲子園』終了後すぐ、野球漫画の『一球さん』を連載開始している。
当時魔球などの超人的・非現実的要素の多かった野球漫画にあって、配球の読みなどのリアルなプレーの描写に徹した事は斬新で、躍動感のある水島独特の画風も手伝って野球漫画の新境地を開拓した。
『週刊少年チャンピオン』1991年41号に、読み切りの番外編『新潟明訓対神奈川明訓』が掲載された。短編集『I Love Baseball』に収録されている。
続編に『大甲子園』、『ドカベン プロ野球編』、『ドカベン スーパースターズ編』がある。
台湾の長鴻出版社にも翻訳されて、『大飯桶』というタイトルで刊行されている。
時代設定
豊福きこうは、著書『水原勇気0勝3敗11S』(情報センター出版局)で、山田たちが明訓高校で活躍した時代を1974年~1976年としている。山田たちが明訓に入学した年の夏の甲子園大会は、1974年の「第56回全国高等学校野球選手権大会」だったためである。
ただし、岩鬼家が倒産の危機に瀕した際、大阪ガメッツが岩鬼をスカウトに来るなど、架空の設定も多く含まれており、必ずしも1974年~1976年の高校野球・プロ野球界を反映したものではない。以下、作中の時代設定に関する描写を挙げる。
- 山田世代が高校1年夏にいわき東高校と対戦したとき、いわき市の廃坑が背景にあったが、これは1976年頃になる。
- 山田世代の高校2年夏に犬飼小次郎が南海に入団するが、その時の監督は1978年から1980年まで勤めていた広瀬叔功。作中の日本ハム対南海戦の日本ハムの出場メンバーに、1979年のみ在籍したサム・ユーイングがおり、1979年と推測される。
- 高1秋の関東大会は千葉(銚子)で、高2秋の関東大会は埼玉(大宮)で行われている。実際には1972、1973年に開催されていた。ということは山田世代の高校時代は1972~1974年ということになる。
- 山田世代は高校3年夏に、1978年春開場の横浜スタジアムで試合を行っている。
『ドカベン プロ野球編』(1995年~)以降は現実の時間と並行して展開しているため、小次郎のホークス入団など、作中の話が全て1990年代初めに設定し直されている。
主な登場人物
詳細は「ドカベンの登場人物」を参照
テレビアニメ
アニメ版が1976年10月6日~1979年12月26日にフジテレビ系列で放送され、のちにCS放送フジテレビ739で再放送された。全163話。原作は元々、学園漫画として始まったが、アニメ化された時点では高校野球漫画の代表作として人気があったため、アニメ版では序盤の柔道編が短縮された。野球編に移行してからも原作連載の約2倍のペースで進行し、ついに追い着いてしまったため、いったん中断したが、結局、再開されることはなかった。そのため、アニメ版では中学編から弁慶高校戦までしか描かれていない。
スタッフ
- 原作:水島新司
- 企画:別所孝治(フジテレビ)、佐藤昭司
- 製作:本橋浩一
- 脚本:田村多津夫、馬嶋満
- 演出:光延博愛、岡部英二、石崎すすむ、岡崎邦彦、原田益次
- 絵コンテ:光延博愛、原田益次、石崎すすむ、山崎修二、樋口雅一、小華和ためお、石黒昇、福冨博、高たつま、山田茂雄、水沢わたる、三家本泰美、渋市節、山谷光和、近藤英輔、鈴木行、白土武、康村正一、金沢比呂司、蔭山康生、奥田誠治
- 構成:岡部英二
- キャラクター設計:近藤英輔、小華和為雄
- 作画監督:金沢比呂司、近藤英輔、小華和為雄、木村圭市郎、川島彰、内山正幸、岡迫亘弘、林和男、白土武、藤原万秀、福田清夢、福田白皃、百瀬義行、飯村一夫、野館誠一、谷田部雄次、山谷光和、尾鷲英俊、福島淳隆、松田あつ子、笠原茂、内田守
- 原画:谷口守泰ほか
- 美術監督:河野次郎、半藤克美、千葉秀雄
- 撮影監督:黒木敬七→諫川弘→佐藤均→熊瀬哲郎→萩原享
- 音楽:菊池俊輔
- 音響効果:森賢一:(イシダサウンド)
- 録音監督:斯波重治
- 録音制作:オムニバスプロモーション
- 録音調整:桑原邦男
- スタジオ:シネビーム
- 編集:岡安肇
- 現像所:東京現像所
- プロデューサー:渡辺忠美
- 制作協力:土田プロダクション
- 制作担当:柴山達雄
- 制作デスク:野崎絹代、岡迫和之
- 制作進行:別府幸司、小平正夫
- 制作事務:大島君江
- 制作:日本アニメーション、フジテレビ、電通大阪支社
主題歌・挿入歌
- オープニング
- 「がんばれドカベン」(第1話 - 第106話)
- 作詞:水島新司、保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- オープニング映像では間奏で岩鬼がバットを捕ってから挿入される場面(石毛が打球を処理するなど)の有無で少なくとも2種類あり、それによって間奏の長さが異なる。
- ロイヤルナイツによるカヴァー版がアポロン音楽工業から1982年に発売されたカセット絵本に収録された。
- 「スポ根TVヒッツ!」(TECH-25111、テイチクエンタテインメント)に収録されているのはテレビサウンズ合唱団によるカヴァー版である。
- 「九人のマーチ」(第107話 - 第128話)
- 作詞:薩摩忠 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:杉並児童合唱団
- 「青春フィーバー(コンバット・マーチ)」
- 作詞:保富康午 / 作曲:菊池俊輔、三木祐二郎、牛島芳 / 編曲:菊池俊輔 / 歌:コロムビア・オールスターズ(水木一郎、ささきいさお、堀江美都子、大杉久美子、かおりくみこ、こおろぎ'73)
- 近年の再放送では「がんばれドカベン」のみ使用されることも多い。
- エンディング
- 「ああ青春よいつまでも」(第1話 - 第106話)
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「きみこそみんなのアイドルだ!」(第107話 - 第128話)
- 作詞:薩摩忠 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73、杉並児童合唱団
- 「太陽の子」(第129話 - 第163話)
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:コロムビア・オールスターズ
- 挿入歌
- 「ホームランソング」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「男は岩鬼」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73 / セリフ:玄田哲章
- 「仲間たち」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「光る青春 今ここに」
- 作詞:水島新司 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「ああ甲子園」
- 作詞:保富康午 / 作曲:古関裕而 / 編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「小さな巨人 里中くん」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:ザ・チャープス
- 「野球小唄」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73
- 「殿馬ずら」
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:こおろぎ'73 / セリフ:肝付兼太
挿入歌のメロオケもBGMとして使われた。
挿入歌の初出は番組放送中に発売された主題歌・挿入歌LPで、「ああ甲子園」と「小さな巨人 里中くん」はシングルカットもされた。
声優
補足
当番組終了後、関東地区では1980年7月4日から同年9月26日まで、『翔んだカップル』開始までのつなぎ番組として、毎週金曜の19:00 - 19:30に1話から13話までを再放送したことがあった。
| フジテレビ系 水曜19時台前半 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
ドカベン
|
||
映画作品
- ドカベン(1977年、東映) - 春休み東映まんがまつりにて公開。
- ドカベン甲子園への道(1977年、東映) - 夏休み東映まんがまつりにて公開。
- ドカベン(1977年、東映) - 実写。鈴木則文監督。橋本三智弘(山田太郎)、高品正弘(岩鬼正美)、永島敏行(長島徹)、川谷拓三(殿馬一人)、マッハ文朱(夏川夏子)、水島新太郎(井之頭軍司)、水島新司(徳川家康)。
ゲーム作品
※以下はドカベン以外の水島漫画のキャラも登場している作品。
エピソード
全般
- 「明訓高校」は、水島新司が入学を果たせなかった新潟明訓高校が由来。同校が甲子園初出場を果たした1991年夏、『週刊少年チャンピオン』誌上に読み切りで「新潟明訓対神奈川明訓」と題した練習試合が描かれた(1992年の短編集『I Love Baseball』に収録)。この試合は4-1で山田のいる神奈川明訓が勝利している。明訓は私立高校であり、生徒が海外旅行に行くという会話をしている。
- 山田太郎の最大のライバル・不知火守のいる白新高校の名前は、2004年に新潟明訓高校が現在地へ移転する以前の校舎(新潟市中央区川岸町地内)の隣にあり、水島新司が通っていた新潟市立白新中学校からとられた。
- 元プロ野球選手の香川伸行は、風貌が主人公の山田太郎に似ていたこと、山田太郎と同じ捕手のポジションが主だったことから「ドカベン」の愛称で呼ばれ、プロ野球マスターズリーグにドカベンの登録名で参加している。
- テレビ番組「爆笑問題のバク天!」(TBS系)の中で、太田光が原作のシーンを使って4コマ漫画にしていた。2005年2月19日の放送まで続けられ、後継作品は「ゴルゴ13」。
- 山田達の1年先輩である石毛幸一は、作品内で一度もヒットを打った描写がない(ただ、計算上は吉良高校戦で出塁しているはずである)。7割打者の山田をはじめ、後にプロ入りする打者がズラリと並ぶ明訓打線においては、誰かがアウトにならなければ試合が進まなかったり、追い上げられたりする展開とならないが、完成された打者をアウトにさせることも出来ないため彼のようなアウト要員が存在した。
他のスポーツマンガでこのような役回り(アウト要員やシュート外し役)のキャラクターが登場すると、「ドカベンの石毛的キャラ」などといわれることがある(あるいは「明訓下位打線」=凡退要員、という表現もある)。 - テレビアニメ版が放映される前に、ナイル野球用品のテレビCMでアニメ化されている。この時はキャラクターにはセリフがなく、帽子やユニフォームのラインが原作に近い黒色だった。
- 神奈川県大和市にある大和引地台野球場は、かながわ・ゆめ国体開催を前に実施した改築工事の際、水島をアドバイザーに迎えて設備内容の検討を行った。これが縁で、市は竣工後の1997年、施設に愛称「ドカベンスタジアム」を付与。その後メインスタンド正面には打者・山田と投手・里中が対峙する一対の銅像が建立された。引地台野球場は高校野球神奈川大会の試合会場として使用されている他、不定期ながら湘南シーレックス主催のイースタン・リーグ公式戦も開催される。
- なお、この「ドカベン」の名称を2009年夏竣工の新潟県立野球場の愛称にするよう求める動きが新潟県内の政財界・野球関係者の間で起こり、水島もこれに全面的に協力していた。しかし上述の通り、既に神奈川県に「ドカベン」を冠した野球場が存在し、且つ新潟明訓高等学校を容易に想起させるため不公平感が生じる可能性もあるなど、問題点が指摘されていた。結局、新潟県が施設命名権の導入を優先させたことから、この計画は頓挫した(詳細は同野球場の施設名称に関する問題を参照)。
- 明訓が弁慶高校に敗れた事は衝撃が走り、スポーツ新聞夕刊の芸能面には、「明訓敗れる」と言う記事が載り、水島新司も驚いた。
ルール面
- 山田達の2年夏の県予選、対白新高校戦で描かれた、「ルールブックの盲点の1点」のエピソード(一死満塁、スクイズプレイ失敗ダブルプレイでチェンジのはずが明訓に1点が入ってしまう)は、当時現役のプロ野球選手でも理解できず、「いい加減なことを書くな」と抗議が来たほどだった。しかし、後にルールとして正しいことが判明、野球漫画家としての水島の名を上げることになった。現在でもしばしば野球のアピールプレイの説明のために引用される。なお、「ルールブックの盲点」とは言うが、公認野球規則の不備ではなく、「意外に知られていないルール」という意味合いである。
- 山田達の2年夏の甲子園大会、対BT学園戦では、安全進塁権に関するエピソードが描かれている。BT学園の1点リードで迎えた8回裏、BT学園の打者桜の打球は左中間の深い位置に飛ぶ大飛球だったが、センター山岡はこの打球に自分のグラブを投げつけて止めてしまう。同時にこの打球を追っていたレフト微笑をはじめ、明訓守備陣はこれをエンタイトル三塁打と勘違いしていた。既に三塁を回っていた桜も三塁打だと思い、腹いせに本塁を踏みつけて三塁に戻ろうとするが、球審はホームインを認める。即ち、グラブを当てて打球を止めた場合、安全進塁権として走者に3つの進塁が与えられ、且つボールインプレイなので、桜の本塁踏み付けは正規に本塁に触れたものと見做される。
- 以上のように野球に関してはルールを熟知した描写が見られるが、初期の柔道編では山田と賀間との決勝戦で押さえ込み25秒の技ありを取らず(その時点で山田は合わせ技一本で勝利しているはず)、技ありによる優勢勝ちも取らず(賀間も押さえ込みで技ありを取っている可能性があるが、山田が押さえを解いている可能性があり、審判もポイントを宣告していない)に引き分け再試合にしているなど、競技への取材が不足している部分が多々見られる。
- 山田達の2年春の甲子園大会で土佐丸高校の犬神了が殿馬の打球を捕った時、さらに夏の予選で東海高校の雪村が山田の打球を捕った時など、捕球した野手がスタンドまたはラッキーゾーンに落ちた場合、これを「ホームラン」としているのは誤りである。ルール上は当時も現在もキャッチの時点で打者はアウトで、その後のスタンド・ラッキーゾーン転落はボールデッドとなり、無死もしくは一死であれば走者は投球当時の占有塁から1つ進塁できる。続編の「スーパースターズ」編では同様のプレイに正確な判定をしている。
関連項目
- ダントツ
- 大甲子園
- ドカベン プロ野球編
- ドカベン スーパースターズ編
- ドカベンの登場人物
- 爆笑問題(太田光が「バク天」のコーナーでドカベンの4コマを披露した)
- 石橋貴明
- 新潟交通(「ドカベン号」を走らせている)
外部リンク
| ||||||||||||||||||||||||||




