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ハブ空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファイル:Frankfurt airport hub map v2.png
フランクフルト空港はルフトハンザ航空のハブ空港であり、スターアライアンスの航空便が多く就航している。

ハブ空港(ハブくうこう、英:airline hub拠点空港)とは、広域航空路線網の中心として機能する空港である。航空路線網を自転車などの車輪に例えると、車輪の(やスポーク部分が「航空路」、(こしきハブ部分が「空港」に当たることからこの名称が付いた。

目次

定義

「ハブ空港」という語にはいくつかの意味がある。

  1. 航空網の中継を役割とする空港(一般的なハブ空港)
  2. 特定の航空会社が運用の拠点として利用される空港(航空会社ハブ空港)

特殊な用法

  1. 空港のある都市を中心とする地域において何らかの中心的役割を持っている都市(拠点空港都市)
  2. 焦点都市拠点都市

また、日本の国土交通省空港法などで定めている「拠点空港」は「ハブ空港」とは異なるものである。

航空会社ハブ空港

特定の航空会社が自社空路の中心地として使う空港を「航空会社ハブ空港」と呼ぶ[要出典]

概説

航空機・整備場・要員などの効率的な使用や乗客・貨物の効率的な輸送を可能とするため、多くの路線を持つほとんどの航空会社はどこかにハブ空港を持っている。また航空会社によっては、ハブ空港ではないが、ハブ空港の機能を果たす空港を準ハブ空港 (secondary hub) と位置付けているところもある。

ハブ空港や準ハブ空港のステータスは、各航空会社の事業戦略によって決まるものであり、必ずしも空港の規模や設備がこれを左右するものではない。例えば、成田国際空港日本航空全日本空輸の他にもアジアに広範な路線網を持つデルタ航空がハブ空港としている。

一方、アメリカ有数の大空港であるジョン・F・ケネディ国際空港デルタ航空と新規参入のジェットブルー航空がハブ空港としているのみで、アメリカン航空はこれを準ハブ空港の1つと位置付けているのみである。これは、東海岸に位置するケネディ空港はカリブ海路線や大西洋路線が充実したデルタ航空やアメリカ東部一帯に路線網が偏るジェットブルー航空にとってはハブ空港として機能するものの、北米全土に広範な路線網を持つアメリカン航空にとっては逆に不便で、もっと内陸部にハブ空港を置いた方がより効率的なためである。

したがってハブ空港・準ハブ空港のステータスは航空会社の事業内容の変化に沿って変わることがしばしばある。デルタ航空は過去にケネディ空港をハブとしていたが、1990年代中頃からはソルトレイクシティ国際空港に巨額の設備投資を行ってこれをハブ化し、ケネディ空港を準ハブに降格していた。しかし2005年のハリケーン・カトリーナによって同社が強い地盤を持っていたアメリカ南部の経済が揺らぎ始めると、テキサス州ダラス・フォートワース国際空港のハブステータスを解消し、これに代わってケネディ空港をハブに再昇格している。

なお大手航空会社の最重要ハブ空港は「要塞ハブ空港 (fortress hub)」と呼ばれることもある。デルタ航空におけるハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港ミネアポリス・セントポール国際空港、アメリカン航空におけるダラス・フォートワース国際空港、などがこれにあたり、こうした要塞ハブ空港では発着便の7割以上を単一航空会社が占めている。

広義では上記の概要となるが、正確にハブ空港と呼ぶには航空ダイヤの接続が機能していなければならないといった条件が付く[要出典]。この意味を含めると日本航空や全日空が成田をハブとしているとは言い難く、実質成田をハブとしているのはデルタ航空のみといえる。

デルタ航空は北米から成田経由でアジアへ飛ぶ便が数多くあり、2008年2月現在のダイヤで見ると、13:55にホノルルから到着するNW9便を皮切りに15:55にデトロイトからNW11便、16:05にポートランドからNW5便と、19:30のサイパン発NW75便まで約15便が到着する。一方17:25発の釜山行きNW29便を皮切りに広州香港北京上海などアジア諸都市へ約2〜3時間後に出発していくため、北米〜アジア間の接続が確立している。これがハブ空港の本来の姿である。

この条件を厳密に満たしている空港・航空会社の組み合わせとなると世界的には少なく、デトロイト(デルタ航空)、シカゴユナイテッド航空)などアメリカの他には香港(キャセイパシフィック航空)、ソウル/仁川大韓航空アシアナ航空)、バンコク/スワンナプームタイ国際航空)、シンガポールシンガポール航空)、ドバイ(エミレーツ航空)、フランクフルトルフトハンザドイツ航空)などである。

主なハブ空港

北米

中南米

アジア・オセアニア・中東

欧州・アフリカ

拠点空港都市

拠点空港都市とは英語の「ゲートウェイ都市 (gateway city)」に相当し、ある特定の広域地域の要として機能しその地域への表玄関となる空港または都市を指す言葉である。

ロサンゼルス国際空港には、全米各都市からの航空便のみならず、隣国のカナダやメキシコからの便、そして北太平洋路線に就航するアジア諸国からの便や、南太平洋路線に就航するオセアニア諸国からの便が多く発着する。そのため同空港は単にロサンゼルス市の空の玄関口という機能以上にアメリカ西海岸の表玄関として性格を持っている。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港やロンドンのヒースロー空港も同様に各広域地域における表玄関としての性格を持ち合わせている。

拠点空港都市の地位は、ある空港が当該の広域地域でどの程度要としての機能を果たしているかによって、自然に決定する。

東アジアの拠点空港都市を例にとると、成田国際空港1978年の開港以来、東アジア諸国と北米諸国を結ぶ航空便の多くが発着する拠点都市として機能してきた。しかし1990年代以降、同空港が急速に混雑化したこと、拡張計画は反対派の存在もあり遅々として進まないこと、当初より都心と距離があり利便性に難があること、航空機の性能が向上して航続距離が伸び北米から成田以遠への航行が可能になったこと、そして大型機の離着陸に必要な長い滑走路を2本備えた香港国際空港仁川国際空港1998年2001年に次々と開港したこと[3]、日本国内でも中部国際空港の開港や関西国際空港の2本目の滑走路の供用などもあり、今日では成田の拠点空港都市としての地位は急速に揺らぎ始めている[誰?]

同様の例は西ヨーロッパにおけるシャルル・ド・ゴール国際空港スキポール空港フランクフルト国際空港の間にも見られる。拠点空港都市の地位を巡るこうした競争は、各国に巨額の財政的負担をもたらす一方で、結果的には空港設備と広域航空網のより一層の拡充をもたらすものとなっている。

脚注

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  1. ^ a b c d [1](JAL)
  2. ^ NEWS RELEASE 関西国際空港株式会社 経営戦略室広報グループ 2008年1月4日 - ANA CARCGO 関空に貨物便を集約 (PDF)
  3. ^ 香港国際空港、仁川国際空港が、大型機も離着陸できる長い平行滑走路2本を備えるのに対し、2009年10月まで成田国際空港は2本目の長い滑走路の整備で遅れをとっていた。

関連項目