ロジャー・ディーン
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概要
ヒプノシス、キーフと並び、多くのプログレッシブ・ロック・アルバムのアート・ワークを担当した事で、そのバンドのファンから親しまれているアート・デザイナー。
幻想的な作風を用いて、色づかいや枠線の描き方に東洋絵画風の要素が見られる。
特にイエス関連の作品で知られ、ディーンのイラストがもつ透明で幻想的なグラフィック・イメージが、イエスの追求した前衛的かつクリアな音楽性をリスナーに喚起させる力が強く、イエスもそれを高く評価して、一時はイエスの第六のメンバーとも言われた。
略歴
ケントのアシュフォード生まれ。4人兄弟(男2人、女2人)の一人。父親が軍のエンジニアであった関係で、少年時代はキプロスや香港などを転々とした。1959年に一家がイギリスに戻り、同時にアシュフォード・グラマー・スクールに入学。1965年にロンドンの王立芸術大学を卒業し、工業デザイナーとして働き始める。
1968年、ロニー・スコット・ジャズ・クラブ(Ronnie Scott's Jazz Club)の改装に携わった時、そのクラブと関係があったエイドリアン・ガーヴィッツ(Adrian Gurvitz)らのバンドガン(The Gun)のアルバム『GUN(邦題『悪魔天国』)』のカバー・デザインを依頼され、それがきっかけとなってジャケット・デザインの仕事を開始する。『Us and Them: Symphonic Pink Floyd』のディーン自身のライナー・ノーツによれば、ピンク・フロイド在籍時のシド・バレットとアパートをシェアリングしていた。
1971年、イエスの4作目のアルバム「こわれもの」のジャケット・デザインを担当。それ以降、商業的にも成功するイエスのアルバム・ジャケットの多くを手がける。イエスのほか、ユーライア・ヒープやジェントル・ジャイアントのジャケット・デザイン、或いはヴァージン・レコードのロゴやレーベルのデザインなどを次々と手がけていく。
1970年代前半は、イエスのステージ・セットにも携わっており、その為ツアーにも帯同する事が多かった。1973年3月の来日公演におけるイエスの記者会見では、当初はイエスの専属カメラマンを装って会場に姿を現したが、目ざとい記者に見破られ、メンバーと一緒にインタビューをうけさせられるというハプニングが起こった。
1976年にリリースされたジョン・アンダーソンのソロ・アルバム『サンヒローのオリアス (Olias of Sunhillow)』のジャケットは、ロジャー・ディーンがデザインを担当したイエスのこわれものに描かれた絵が元になっており、実際にはサンヒローのオリアスのジャケットもロジャー・ディーンが手がける予定だった。だがこの時ロジャー・ディーンは初の個人画集『Views』の作成にかかっており、時間的な余裕が無かった為、知人のデイブ・ロウというイラストレイターに依頼した。
1975年、自身初の画集「Views」をイギリスで出版。初のジャケット・デザインを担当したGUNのアルバムから、この時点での最新作であるスティーヴ・ハウのソロ・アルバム「ビギニングス」までを、その制作過程まで含めて収録した。
2009年に公開されたアメリカ映画『アバター』に登場する空中に浮かぶ岩、翼竜などの世界観がロジャー・ディーンの描いてきたものにそっくりであることを指摘する人が多いが、ロジャー・ディーンはこの映画には一切の関わりを持っていない。ロジャー・ディーン本人もそっくりであることを自身のホームページで言及している。
音楽アルバムのジャケット
イエス・ファミリー
イエス
- こわれもの - Fragile 1972
- 危機 - Close To The Edge 1972
- イエス・ソングス - Yessongs 1973
- 海洋地形学の物語 - Tales From Topographic Oceans 1973
- リレイヤー - Relayer 1974
- イエスタデイズ - Yesterdays 1975
- イエス・ショウズ - Yesshows 1980
- ドラマ - Drama 1980
- クラシック・イエス (Classic Yes) - Classic Yes 1981
- 結晶 - Union 1991
- イエスストーリー (Yesstory) - Yesstory 1992
- シンフォニック・イエス - Symphonic Music of Yes 1993
- キーズ・トゥ・アセンション - Keys To Ascention 1996
- キーズ・トゥ・アセンション2 - Keys To Ascention2 1997
- ラダー - The Ladder 1999
- ハウス・オブ・イエス - House of Yes~Live from House of Blues 2000
- アルティメット・イエス (The Ultimate Yes)- The Ultimate Yes 2003
イエス・メンバー関係
- バジャー(Badger) 『ワン・ライヴ・バジャー』
- スティーヴ・ハウ 『ビギニングス』
- スティーヴ・ハウ 『スティーヴ・ハウ・アルバム』
- エイジア『詠時感〜時へのロマン』
- エイジア『アルファ』
- エイジア『アストラ(Astra)』
- アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ『閃光』
- アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ『イエス・ミュージックの夜 』
- トリビュート・アルバム『テイルズ・フロム・イエスタデイ』(イエスのメンバーも参加)
- リック・ウェイクマン『地底探検〜完結編』
その他のアーティスト
- オシビサ (Osibisa)『Osibisa』
- オシビサ『Woyaya』
- グラス・ハマー『The Inconsolable Secret (邦題:悲しみの淵に潜む秘密)』
- クリアー・ブルー・スカイ 『Clear Blue Sky』
- グリーンスレイド (Greenslade) 『グリーンスレイド』
- グリーンスレイド 『ベッドサイド・マナーズ』
- グリーンスレイド 『タイム・アンド・タイド』
- ジェントル・ジャイアント 『オクトパス (Octopus)』
- バッジー『Never Turn Your Back on a Friend (Never Turn Your Back On a Friend)』
- マグナ・カルタ (Magna Carta)『Lord Of The Ages』
- ユーライア・ヒープ『悪魔と魔法使い (Demons & Wizards)』
- ユーライア・ヒープ『魔の饗宴 (The Magician's Birthday)』
- ユーライア・ヒープ『シー・オブ・ライト (Sea of Light)』
- ユーライア・ヒープ『Acoustically Driven』
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団『Us and Them: Symphonic Pink Floyd (Us and Them: Symphonic Pink Floyd)』
- マシュー・スウィート『ブルー・スカイ・オン・マーズ』(ロゴデザインのみ)
- TM NETWORK『Major Turn-Round』
- エレクトリック・シープ『SWEEP』(日本のバンドである)
その他の作品
- ヴァージン・レコードの初期のロゴとレーベル面のイラスト。
- Yessongs (ビデオ・イエスのライブ・ビデオのアートワークを担当)
- イン・ザ・ビッグ・ドリーム (アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのプロモーション・ビデオのアート・ワークを担当)
- テトリス(TETRiS)のタイトルロゴ(特に2002年以降のガイドラインに対応した作品のほとんどで使用されている)。
- パソコン用画像処理ソフトウェアKai's Power Toolsの監修。開発者のカイ・クラウスとロジャー・ディーンはイエス、スティーヴ・ハウのCDのジャケット作成に共同参加している。なお、日本においてKai's Power Toolsの初めのバージョンを販売していたソフトウェア会社ビーピーエス(2001年に解散)の会社名ロゴ・マークのデザインもロジャー・ディーンの手によるものだった。同社の発売していたゲーム・ソフトスーパーブラックオニキスのパッケージなどのイラストも担当していた。
- ABWHフォント
参考文献
オリジナル
- Views(画集・1975 / 新版・2009)
- Album Cover Album(写真集・1976 / 新版・2008)※レコード・ジャケットの歴史を紹介
- Magnetic Storm(画集・1984 / 新版・2009)
- Views(DVDビデオ・2002)
- Dragon's Dream(画集・2009)
日本語
- ロジャー・ディーン 『Dragon's Dream ロジャー・ディーン幻想画集』 佐々木千恵訳、ブルース・インターアクションズ、2009年。ISBN 978-4-86020-370-2。
- ロジャー・ディーン 『ヴューズ - ロジャー・ディーン作品集』 風間英美子訳、日本テレビ放送網、1987年。ISBN 4-8203-8732-4。
関連項目
外部リンク
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