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ヴィクトール・フランクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファイル:Viktor Frankl2.jpg
1950年代のフランクル

ヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl、1905年3月26日 - 1997年9月2日)は、オーストリアの精神科医心理学者。著作は多数あり、日本語訳も多く重版されている。

目次

来歴

1905年ウィーンに生まれる。ウィーン大学在学中よりアドラーフロイトに師事し、精神医学を学ぶ。

ウィーン大学医学部精神科教授、ウィーン市立病院神経科部長を兼任。「第三ウィーン学派」として、また独自の「実存分析」を唱え、ドイツ語圏では元々知られていた。フランクルの理論にはマックス・シェーラーの影響が濃く、マルティン・ハイデッガーの体系を汲む。精神科医として有名であるが脳外科医としての腕前も一級であった。

第二次世界大戦中、ユダヤ人であるが為にナチスによって強制収容所に送られた。この体験をもとに著した『夜と霧』は、日本語を含め17カ国語に翻訳され、60年以上に渡って読み継がれている。発行部数は、(20世紀内の)英語版だけでも累計900万部に及び、1991年のアメリカ国会図書館の調査で「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入ったという[1]。また、読売新聞による「読者の選ぶ21世紀に伝えるあの一冊」のアンケート調査で、翻訳ドキュメント部門第3位となったとされる。

よく誤解されるがフランクルのロゴセラピーは収容所体験を基に考え出されたものではなく、収容される時点ですでにその理論はほぼ完成しており、はからずも収容所体験を経て理論の正当性を実証することができたと言えよう。

極限的な体験を経て生き残った人であるが、ユーモアとウィットを愛する快活な人柄であった。学会出席関連などで度々日本にも訪れていた。

著作(主な日本語訳)

  • 『生きがい喪失の悩み 現代の精神療法』 中村友太郎訳 エンデルレ書店、1982年(絶版、巻末に詳細な書誌)

研究・関連書

  • 『人生があなたを待っている 夜と霧を越えて』(全2巻、みすず書房、2006年)
ハドン・クリングバーグ・ジュニア、赤坂桃子訳-著者はアメリカの臨床心理学者
  • 諸富祥彦 『どんな時も、人生には意味がある フランクル心理学のメッセージ』(PHP文庫、2006年)
    • 元版 『どんな時も、人生に“YES”と言う』 (大和出版、1999年)
  • 諸富祥彦 『生きる意味 ビクトール・フランクル22の言葉』 (ベストセラーズ、2010年)
  • 諸富祥彦 『人生に意味はあるか』(講談社現代新書、2005年)
  • 諸富祥彦 『生きがい発見の心理学』(新潮社、2004年)
  • 諸富祥彦 『生きていくことの意味』(PHP新書、2000年)
  • 諸富祥彦 『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(コスモスライブラリ、1997年) 
  • 山田邦男編 『フランクルを学ぶ人のために』(世界思想社、2002年)
  • 山田邦男 『苦しみの中でこそ、あなたは輝く フランクル人生論』(PHPエディターズ・グループ、2009年6月)
  • 山田邦男 『生きる意味への問い―V・E・フランクルをめぐって』(佼成出版社、1999年)
  • 斉藤啓一 『フランクルに学ぶ』(日本教文社、2000年)
  • 宮地正卓 『運命・自由・愛―フランクルの生きる意味随想』(中央法規出版、2002年)  
  • 広岡義之 『フランクル教育学への招待』(風間書房、2008年)

出典・脚注

  1. ^ 諸富祥彦 『生きてゆくことの意味』、p.32、PHP新書、2000年

関連用語