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原子力発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

原子力発電所(げんしりょくはつでんしょ)とは、ウランプルトニウム核分裂反応をする際に発生する熱で水を沸騰させ、水蒸気で蒸気タービンを回して発電する発電所のことである。一般に原発(げんぱつ)と略される。

この項では主に原子力発電所の施設について扱う。

目次

歴史

1942年シカゴ大学エンリコ・フェルミが、実験炉で原子力発電の原理となる核分裂の連鎖反応を行うことに成功した。1945年にアメリカで核分裂連鎖反応を利用した原子爆弾が開発された。原子力発電は1951年に発電を行った実験炉、EBR-Iから始まる。EBR-Iの当初の発電容量は1kWであった。1954年には最初の原子力潜水艦が進水している。世界最初の原子力発電所は、1954年6月に運転を開始したソ連のオブニンスク発電所[1]である。ソ連、アメリカ以外に、イギリスカナダフランスノルウェーなどで原子炉がつくられた。

法整備(例えばアメリカのマクマホン法(1946年7月)など)や、国同士の協定の締結(西側諸国に対抗してソ連を中心とした締結など)も進んだ。1954年7月に国連において原子力に関わる国際会議、第1回ジュネーブ会議が開催された[1]

日本の原発に関連し、1955年2月、シドニー・イエーツ米国下院議員が広島に6万キロワット級原発を建設する法案を提出している[2]

西側において初めての商用原子力発電所となるのはイギリスのコールダーホール1号炉である。運転開始は1956年10月17日であり、出力6万キロワット、炉の形式は黒鉛減速炭酸ガス炉(GCR)であった。後にこの形式の炉はコールダーホール型、あるいはマグノックス炉と呼ばれた。なお、コールダーホール原発は2007年9月、老朽化のため爆破解体された。

アメリカでは、シッピングポート発電所が初となる。運転開始は1957年12月18日、出力は10万キロワット、炉の形式は加圧水型原子炉(PWR)であった。なお、シッピングポート発電所は1982年10月1日に閉鎖された。アメリカでの原子炉発注ブームは、1966年から1974年までの9年間であった[3]

フランスでは、1964年2月に運転を開始したシノンA1号炉が最初である。出力8万4千キロワット、炉の形式はGCRであった。

その後、原子力発電所は発電に際していくつかの問題を抱えているため(後述の原子力発電#問題点を参照)、原子力撤廃の流れがあったが、原油の価格高騰と地球温暖化防止を背景として、原子力発電所の建設を推進する動きが出てきている[4]

しかし、2000年代後半に鋼材などの材料費が高騰し(例えば、アメリカで150万キロワットの原子炉を建造する場合、2005年くらいには約30億ドルかかったのが、2008年には約70億ドルとなった[5])、原子力発電所は政府の支援抜きには語れない存在となっていった[5]

米国では1979年3月のスリーマイル島原子力発電所事故以来、原発の新設計画が停止されていたが[3]、2001年からのブッシュ(息子)政権が推進政策に転換(原子力ルネサンス)し、法人税控除などの優遇措置が講じられ、当政権期に原発新設が30基分も計画されたが、2011年6月までに1基も建設工事が始まっておらず、2010年時点で撤退が目立ちはじめていた[3]。地球温暖化対策を重点に置くバラク・オバマ政権にも引き継がれた。その結果、事故以来初めての原発としてメリーランド州カルバートクリフス原発第3号機が計画中であったが、2010年10月にコスト上のリスクが高いとして中止され、建設中止が30年以上(1970年代半ばから2011年の間)続くことになった[6]

発展途上国の原発建設資金について

原子力発電所建設のための資金調達は、発注側が自己資本で建設するだけでなく、受注した建設者側が必要な資金を提供し、将来発電所から生じる電気料金などの収入で投資額を回収する、プロジェクト・ファイナンス(PF)方式による建設の傾向が生まれている。一度に工事費用を支払うのが難しい国において、インフラ投資を促進する存在としての役割を担う。

2010年10月受注が決まったベトナムの原子力発電所2基建設については、財務省所管の国際協力銀行がファイナンス役として参画している[7]。またこれに続いて交渉継続している(2010年末現在)トルコの原子力発電所建設にも、このプロジェクト・ファイナンスが導入される予定[8]

主なメーカー

世界的なメーカーの寡占化が進んだ結果、2008年現在では、アレヴァ-三菱、東芝(WH)、GE-日立の3グループに絞られている。

世界の原子力発電所の一覧

2011年1月1日時点での運用中、建設中、計画中の世界の原子力発電所の一覧を出典で示す。

また、以下では、世界各地の主な原子力発電所を紹介する。

アジア

中国で稼働中あるいは建設中の原子力発電所の運営会社の株式は、1999年に発足した中国核工業集団公司(国防科学技術十大グループ企業のひとつ)が、直接あるいは子会社を通じて保有している。

アメリカ・カナダ

ファイル:Nrc reactors map.gif
アメリカ合衆国の稼動中の原子力発電所の原子炉の配置

アメリカの原子力発電所は、アメリカ合衆国原子力規制委員会(NRC)により4つの地域に分けて監督されている。

ヨーロッパ

  • ファイル:Flag of Germany.svg ドイツの原子力発電所」も参照
    • エムスラント原子力発電所
    • オブリッヒハイム原子力発電所 -(2005年廃止)
    • グライフスバルド原子力発電所 -(旧東ドイツ、1990年廃止)
    • ミュルハイム・ケールリッヒ原子力発電所 -(1988年廃止)
    • レーンスブルグ原子力発電所 -(1990年廃止)
  • ファイル:Flag of Russia.svg 「ロシアの原子力発電所」も参照
  • ヴォルゴドンスク原子力発電所(1基(1基建設中、2基計画中))
  • カリーニン原子力発電所(3基(1基建設中))
  • クルスク原子力発電所(4基(1基建設中、4基計画中))
  • レニングラード原子力発電所(4基(4基計画中))
  • ノヴォヴォロネジ原子力発電所(3基(1基建設中、1基計画中))
  • シベリア原子力発電所(2002年閉鎖)

上記以外の原子力発電所

脚注

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関連項目

技術・施設
事故
その他

外部リンク