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参議院

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファイル:Flag of Japan.svg 日本の議会
参議院
さんぎいん

ファイル:Japanese diet outside.jpg
国会議事堂(手前が参議院、奥が衆議院)
議会の種類 上院
議長 第29代:平田健二
民主党
副議長 第28代:尾辻秀久
自由民主党
成立年月日 1947年5月3日
所在地 〒100-0014
東京都千代田区永田町
1丁目7番地1号
定数 242
選挙区選出 - 146(60.3%)
比例区選出 - 96(39.7%)
選挙制度 小選挙区制中選挙区制
非拘束名簿式比例代表制
議会運営 委員会中心主義
公式サイト 参議院
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参議院(さんぎいん、英語: House of Councillors)は日本国会を構成する議院

イギリス議会アメリカ合衆国連邦議会など、欧米の議会における上院に相当する。

目次

沿革

1889年(明治22年)に公布された大日本帝国憲法では立法機関(天皇が有する立法権の協賛機関、5条)として帝国議会を置き、帝国議会は衆議院貴族院の二院からなった。民選(公選)議員のみからなる衆議院に対して、貴族院は、皇族議員、華族議員、勅任議員(帝国学士院会員議員、多額納税者議員など)によって構成された。

1946年(昭和21年)に公布された日本国憲法は立法機関として国会を置き、国会は衆議院参議院の二院からなる。衆議院および参議院はいずれも民選議員のみによって構成され、衆議院議員および参議院議員国会議員)は「全国民を代表する選挙された議員」と定められた(43条1項)。GHQの示した憲法改正案(マッカーサー草案)では衆議院のみの一院制とされていたが、日本側の反発を予想し、実際には当初から民選の二院制を視野に据えていた。実際、日本側の松本烝治は二院制の意義を説き強く反発したため、GHQ側は、第二院を第一院(衆議院)同様、民選議員のみにすることを条件に二院制の存続を認めた。こうして成立したのが参議院である。

衆議院との違い

参議院議員の任期は6年で、衆議院議員の任期(4年)より長い。衆議院はたいてい任期途中で解散となるため、実質的な任期の差はさらに広がる。また、解散がされる衆議院と異なり任期途中での解散がなく、3年ごとに半数改選が行われる。内閣不信任決議は衆議院のみの権限であるが、参議院の権限は決して無視できないものであるため、内閣は常に両院を意識する必要がある。確かに、内閣総理大臣の指名、予算の議決、条約の承認については衆議院に絶対的な優越があるが、法律案の議決については相対的な優越しかなく、憲法改正案の議決に関しては完全な対等である。しかも、憲法ではなく法律にもとづく国会の議決に関して対等の例が数多くある。このため、参議院を無視してしまうと法律案その他の議決に重大な障害となるため、内閣は常に両院の総意(これには、衆議院の優越により衆議院の意思がそのまま両院の総意となった場合をも含む)にもとづき行動しなければならない。

議場には天皇の座席がある。貴族院を前身とする参議院だけでなく、衆議院にも「御所席」と称する天皇の座席が置かれている。

参議院の構成と選挙

衆議院と同様、慣例により議長および副議長は会派を離脱する。

院内勢力

2011年11月14日現在の会派別議員数 定員242

()内は政党別内訳

選挙

3年ごとに総定数の半数ずつを改選する。都道府県単位(定数1~5)の選挙区制大選挙区制)と全国単位の比例代表制非拘束名簿式)の並立制であり、1人の人間が同時に双方へ立候補(重複立候補)することはできない。

比例代表制は1983年(昭和58年)の選挙から採用されている。その前は都道府県単位の選挙区制(地方区)と全国区制の2つが同時に行われていた。

第1回選挙時は任期3年の議員と任期6年の議員とが同時に選出された。

選挙資格

  • 選挙資格:20歳以上の日本国民
  • 被選挙資格:30歳以上の日本国民。ただし、選挙区で300万円、比例区で600万円の供託金を納めなければならない。

任期

  • 任期は6年。半数が3年ごとに改選される。
  • 衆議院任期が最長4年に対し、参議院は衆議院と異なり任期中の解散はない。

定数

定数は公職選挙法により定められ、以下のような経過をたどって、現在(2006年2月)、都道府県を単位とする選挙区選出議員が146人、全国を単位とする比例代表議員が96人であり、合わせて242人である。

  • 1947年:250議席、第1回選挙
  • 1971年:251議席、沖縄選挙区追加(半数改選分+1)
  • 1972年:252議席、沖縄選挙区追加(半数改選分+1)
  • 2001年:247議席、定数削減-5(第二次世界大戦後初)
  • 2004年:242議席、定数削減-5

この総定数は衆議院480の約半分に過ぎず、1回の通常選挙で改選されるのは半数のみである。その121のうち、都道府県単位の選挙区に割り振られるのは比例代表分48を差し引いて73だけとなるため、いわゆる一票の格差が全国47選挙区の間での大きくなりやすい。この問題についてたびたび訴訟が起こされ、幾度か違憲または違憲状態とする判決が出ている[1]。何度か定数配分の是正が行われてきたが抜本的な解決には至っていない。この解決策として、例えば、議員定数増加、複数の選挙区を合区する案、さらに、地方ブロック単位の中選挙区制案などの参議院改革論も検討されているが、議員報酬増加批判や各議員の事情や政党間の利害の対立もあって進展していない。なお、これらの案には参議院不要論に対抗するための衆議院との差別化も意図されている。

参議院の役員人事

国会法・参議院規則に役員の任期についての規定はなく、慣例により、通常選挙の都度交代人事が行われる。また、議長・副議長は就任にともない会派を離脱し無所属となることが慣例となっている。

2011年11月14日現在)

議長・副議長・事務総長

役職氏名所属会派(出身会派)
議長平田健二無所属(民主党・新緑風会)
副議長尾辻秀久無所属(自由民主党・無所属の会)
事務総長橋本雅史非議員

参議院常任委員会

役職氏名所属会派
内閣委員長芝博一民主党・新緑風会
総務委員長藤末健三民主党・新緑風会
法務委員長西田実仁公明党
外交防衛委員長福山哲郎民主党・新緑風会
財政金融委員長尾立源幸民主党・新緑風会
文教科学委員長野上浩太郎自由民主党・無所属の会
厚生労働委員長小林正夫民主党・新緑風会
農林水産委員長小川勝也民主党・新緑風会
経済産業委員長前川清成民主党・新緑風会
国土交通委員長岡田直樹自由民主党・無所属の会
環境委員長松村祥史自由民主党・無所属の会
国家基本政策委員長鈴木政二自由民主党・無所属の会
予算委員長石井一民主党・新緑風会
決算委員長山本順三自由民主党・無所属の会
行政監視委員長福岡資麿自由民主党・無所属の会
議院運営委員長鶴保庸介自由民主党・無所属の会
懲罰委員長今野東民主党・新緑風会

参議院特別委員会

役職氏名所属会派
災害対策特別委員長松下新平自由民主党・無所属の会
沖縄及び北方問題に関する特別委員長岸信夫自由民主党・無所属の会
政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長足立信也民主党・新緑風会
北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長大塚耕平民主党・新緑風会
政府開発援助等に関する特別委員長藤井基之自由民主党・無所属の会
消費者問題に関する特別委員長山本博司公明党
東日本大震災復興特別委員長増子輝彦民主党・新緑風会

参議院調査会等

役職氏名所属会派
国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長藤原正司民主党・新緑風会
国民生活・経済・社会保障に関する調査会長鴻池祥肇自由民主党
共生社会・地域活性化に関する調査会長直嶋正行民主党・新緑風会
憲法審査会会長小坂憲次自由民主党
政治倫理審査会会長空席

歴代参議院議長

備考

衆議院で可決され参議院で否決された法案

過去に13例ある(みなし否決を除く)。ただし、衆議院で可決されたものの、参議院で議決できずに審議未了で法案が廃案になった例、参議院で修正案が可決された後で衆議院で参議院案が可決された例は多い。また、参議院で修正案が可決された後で衆議院が参議院案に賛成せず廃案になった例、参議院否決でも法案が成立した例もある。詳しくは衆議院の再議決を参照。

衆議院で可決され参議院で否決された法案例
参院本会議議決日法案票差その後
1950年(昭和25年)5月1日地方税法改正案73102295月2日の両院協議会で成案成立に至らず廃案
1951年(昭和26年)3月29日食糧管理法改正案64126623月31日から5月10日までの両院協議会で成案成立に至らず廃案
1951年(昭和26年)6月2日モーターボート競走法案6595306月5日に衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
1954年(昭和29年)6月1日協同組合金融事業関連法案少数多数不明 参議院での継続審議を経ての否決であったため参議院先議扱いとなり廃案
1994年(平成6年)1月21日政治改革関連法案118130121月29日に両院協議会で修正案が成立し、衆参本会議で可決
2005年(平成17年)8月8日郵政民営化関連法案10812517否決を受け同日衆院解散により廃案
総選挙で賛成派が圧勝し、再提出された法案が10月14日に国会で可決し成立
2008年(平成20年)1月11日補給支援特別措置法案10613327同日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
2008年(平成20年)5月12日道路整備費財源特例法改正案10812618翌日、衆院本会議で野党による両院協議会請求動議否決の上3分の2以上の賛成で再可決し成立
2008年(平成20年)12月12日補給支援特別措置法改正案10813224同日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
2009年(平成21年)3月3日第二次補正予算財源法案10713326翌日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
2009年(平成21年)6月19日海賊行為対策法案9913132同日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
2009年(平成21年)6月19日租税特別措置法改正案9913132同日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立
2009年(平成21年)6月19日年金改正法案9913132同日、衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決し成立

特徴

良識の府
参議院は解散のない長期在任規定から政権選択にとらわれることなく有識者によって審議される「良識の府」と呼ばれる。
河野謙三が参議院議長になってから参議院改革が徐々に行われた。正副議長の党籍離脱の原則、審議時間の確保、小会派への割り当て質問時間の増加、自由討議制の導入、決算重視の審査、押しボタン式採決の導入などが図られたが、抜本改革にはほど遠い状況ではある。
再考の府
衆議院先議案が衆議院で可決した後に参議院に送付されて国会で二度目の審議に入ることが多いことから「再考の府」とも呼ばれる。予算は衆議院先議規定があり、条約や法律も政権にとって重要法案は多くが政権側によって衆議院先議法案となりやすい。与野党対立法案では衆議院可決後に参議院で審議未了で廃案や継続審議となることもある。
学習院大学教授の福元健太郎が参院発足後の1947年から2000年に政府が衆議院先議に提出した7106本の全法案を分析すると、衆議院が可決した法案を参議院が実質修正したり廃案になった例は8%。審査回数で参議院が衆議院を上回ったのは22%という結果が出た[2]。一方で、政策研究大学院大学教授の竹中治堅は「参議院は戦後日本の政治過程において多くの場面で現状を維持する方向で影響を与えてきた」と分析している[3]
政局の府
参議院議決が政局になることから「政局の府」とも呼ばれる。
佐藤栄作首相は、「参議院を制する者は政界を制する」と語り、たびたび重宗雄三参議院議長のもとに出向き、法案成立の協力をあおいだ。また、竹下登首相は「参議院を笑う者は参議院に泣く」と語り、参議院を軽視することを戒めた[4]。衆議院優越規定があるが、法案の採決における衆議院優越規定について出席議員の3分の2以上という高いハードルを課していること、参議院に解散がなく任期の長いことが影響している。参議院に首相に対抗しうるボスが出てくる傾向は、のちに、村上正邦青木幹雄輿石東らでもみられている。
1975年には、伯仲国会のなかで政治浄化が課題だった三木政権の政治資金規正法の採決では可否同数となり、議長決裁で可決されて成立する決着を迎えた。ねじれ国会になると、1998年の問責決議可決による閣僚辞任、2008年には第二次世界大戦後初の日銀総裁空席やガソリン税暫定税率期限切れによるガソリン大幅値下げ、与党を無視した野党による強行採決による証人喚問など、与党が急に解決できない政治課題が度々出てきた。また、2005年郵政国会では郵政民営化法案の否決が衆議院解散という最大の政局となった。

その他

  • 議員バッジは衆議院のものに比べると一回り大きく、衆議院が金メッキであるのに対して金張りである。バッジを紛失した場合は自費で購入することになる。
  • 参議院の名称は、8世紀大宝令制定直後に追加された令外官参議に由来する。

脚注

  1. ^ ただし、選挙結果を無効とした場合、選挙区の改正が出来なくなる為、事情判決の法理により、選挙結果は有効とされている。
  2. ^ “「良識の府」は幻想か”. 読売新聞. (2007-06-13). http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/election07/kikaku2/k2_07061301.htm 2010-06-03閲覧。 
  3. ^ 竹中治堅『参議院とは何か』(中央公論新社)
  4. ^ 後藤謙次「小沢一郎 50の謎を解く」(文春新書)

関連項目

外部リンク

座標: 北緯35度40分35.5秒 東経139度44分40.5秒 / 北緯35.676528度 東経139.744583度 / 35.676528; 139.744583