古楽器
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古楽器(こがっき)とは、西洋音楽(クラシック音楽)において、その使用が現代に至る演奏史上で廃れた楽器、あるいは改良や変更を受ける以前の古い様式の楽器を指す。 英語では、original instruments (オリジナル楽器)もしくは period instruments (ピリオド楽器)などと呼ばれる。[1] これに対して、20世紀ごろから標準的に用いられている様式の楽器を「モダン楽器」と呼ぶことがある。ヴァイオリン、フルート、トランペットなどの楽器は、歴史上その仕様に変更を受けながら使い続けられてきたため、同名のモダン楽器と古楽器では、しばしばその音質や奏法に差がみられる。
目次 |
概要
古い時代に製造され、当時そのままの姿で、主に教会、古い城館、博物館や個人の蒐集家のもとに保存・伝承された楽器(オリジナル楽器)もあるが、実演奏においては、それらの楽器の構造や形状・製法・材料を、現物や音楽文献の裏づけによって忠実に再現したレプリカを用いることも多い。また、ヴァイオリン属の楽器やヴィオローネなどでは19世紀以降に改造された楽器を、元のかたちや状態に復元して使うこともある。ただし、20世紀前半に、推測や史料考証の誤りから造られたモダン・チェンバロや、弦楽器の「バッハ弓」は、現在では古楽器およびその部品の複製とは認められない。
古楽器の研究・復元は19世紀末ころから始まり、特に1970年代ころから古楽器を用いた演奏とともに盛んとなった。 古楽器を用いることによって、古い音楽の作曲当時の音響を再現できるだけでなく、モダン楽器では無理が生じるアーティキュレーションなどをより自然に演奏できる。 現在ではバロック時代以前の音楽の演奏には作曲年代に応じた古楽器を用いることが一般的であり、古典派以降の音楽についても、史的考証に基づいて演奏に古楽器を用いることが少なくない。
主な古楽器
- 管楽器
- リコーダー
- フラウト・トラヴェルソ
- ショーム
- バロック・オーボエ
- オーボエ・ダモーレ
- オーボエ・ダ・カッチャ
- シャリュモー
- バセットホルン
- ナチュラル・トランペット
- スライド・トランペット
- ナチュラル・ホルン
- コルノ・ダ・カッチャ
- クルムホルン
- コルネット(ツィンク)
- サックバット(サグバット)
- セルパン
- オフィクレイド
- ポンマー(ポマー)(en:Pommer)
- 弦楽器
- ヴィオール属
- ヴィオラ・ダ・ガンバ
- ヴィオラ・ダモーレ
- ヴィオラ・ポンポーサ(チェロ・ピッコロ)
- ヴィオローネ
- バロック・ヴァイオリンなどヴァイオリン属の古楽器
- バリトン(en:Baryton)
- レベック
- プサルテリウム(プサルテリー)
- ハーディ・ガーディ
- シターン
- リュート
- テオルボ・キタローネ
- ビウエラ
- オルファリオン
- 鍵盤楽器
- チェンバロ
- ヴァージナル
- スピネット
- クラヴィコード
- タンゲンテンフリューゲル(en:Tangent piano)
- フォルテピアノ
- ポルタティフ・オルガン(en:Portative organ)
- パイプオルガン
古楽器の調律
古楽器による演奏では、現代のA=440Hzという基準とは異なったピッチが用いられることが多い。また音律には古典音律が用いられることが多い。
現在バロック音楽の演奏にあたっては、A=440Hzよりも半音低いA=415Hzのピッチが最も一般的に用いられている。フランスのバロック音楽には、さらに半音低いA=392Hz、ドイツのオルガンや教会音楽では、現代よりも半音高いピッチであるA=465Hz、古典派の音楽には、現代よりも若干低いA=430Hzが、それぞれ採用されることもある。ただし、これらのピッチの数値は、現代の古楽器演奏で用いられる例である。史実をある程度反映してはいるが、当時はより多様なピッチが用いられており[2]、A=415HzやA=392Hzという数値は、演奏の便宜をはかるために、A=440Hzを基準に平均律の半音間隔で設定されたものにすぎない。実際にそのような基準ピッチが歴史上使われていたわけではないことに注意。
脚注
- ^ 他にearly instruments(昔の楽器)、aurthentic instruments ([歴史考証に基づいた]正統的な楽器)など。日本語では、「オリジナル楽器」と「ピリオド楽器」がよく用いられる。「ピリオド楽器」はある曲が作曲された当時(period)の楽器という意味で用いられる。「オリジナル楽器」は、ある曲が作曲された当時の、作曲家がそれで演奏されることを意図した楽器(佐々木節夫(2000) p.12、鈴木秀美(2000) p.82)という意味で用いられるほか、製作されたときと同じ状態を保った楽器あるいはある時代の様式で新たに製作された楽器(鈴木秀美(2000) p.82)と定義されることがある一方、その定義の一部を否定するような、コピー楽器(復元楽器)ではない(佐々木節夫(2000) p.22)という意味でも用いられる。
- ^ Dolmetsch Online - Music Theory Online - Pitch, Temperament & Timbre
関連項目
外部リンク




