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太陽の季節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

太陽の季節』(たいようのきせつ)は、石原慎太郎短編小説1955年発表。同年第1回文学界新人賞、翌年第34回芥川賞を受賞。

目次

概要

裕福な家庭に育った若者の無軌道な生活を通して、感情を物質化する新世代を描く。ストーリーが倫理性に欠けることで、発表されるや文壇のみならず一般社会にも賞賛と非難を巻き起こした作品である。受賞作にはなったものの選考委員の評価は必ずしも高いとは言えず、反倫理的な内容についても評価が分かれた。川端康成舟橋聖一中村光夫には全体にみなぎる若々しい情熱が評価され激賞されたものの、同時に文体の稚拙さや誤字があるなど多くの欠点も指摘されている。一部の選考委員には、奇を衒った浅薄な内容であると評価され「一種の下らぬ通俗小説である」(宇野浩二)といった批判もあった。

ストーリーは慎太郎の弟・石原裕次郎が、ある仲間の噂話として慎太郎に聞かせた話が題材になっているという。また、文芸誌に発表した処女作『灰色の教室』にも、本作の題材になった話が1エピソードとして収録されている(ただし、登場人物の名前は異なる)。

単行本・文庫本を合わせた現在までの発行部数は100万部を越える。1956年映画化され人気を博すが、その内容が問題になり、制作者の内部機関だった「映画倫理規程管理委員会」が外部の第三者も参加する映画倫理委員会と改められるきっかけとなる。2002年テレビドラマ化されたが、ストーリーは全く異なる。

石原が幼少期を過ごした神奈川県逗子市の逗子海岸には、「太陽の季節 ここに始まる」という彼の自筆が入ったモニュメントが建立されている。

太陽族

本作の芥川賞受賞を受けて「週刊東京」誌で行なわれた石原慎太郎と大宅壮一の対談で、大宅が「太陽族」との言葉を用いたことから、海辺で無秩序な行動をとる享楽的な若者のことを指す言葉として流行語化した。

本作の映画化に続き制作された、同じく石原慎太郎原作の『処刑の部屋』(1956年6月公開)、『狂った果実』(1956年7月公開)を「太陽族映画」と称して、未成年者の観覧を禁止するなどの自主規制が各地で実施され[1]、社会現象ともなった。この「太陽族映画」規制の問題は、映画業界以外の第三者を加えた現在の映倫管理委員会(映倫)が作られるきっかけとなった。問題の背景として「太陽族映画」を観て影響を受けたとして、青少年が強姦や暴行、不純異性行為など様々な事件を起こし社会問題化した。[2]

あらすじ


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


高校生・津川竜哉はボクシングに熱中しながら仲間と酒・バクチ・女・喧嘩の自堕落な生活をしている。ある夜盛り場で知り合った少女英子と肉体関係を結び、英子は次第に竜哉に惹かれていくが、竜哉は英子に付き纏われるのに嫌気がさし、英子に関心を示した兄道久に彼女を5千円で売りつける。それを知った英子は怒って道久に金を送り付け、3人の間で金の遣り取り(契約)が繰り返される。ところが英子が竜哉の子を身籠ったことがわかり、英子は妊娠中絶手術を受ける。手術は失敗し英子は腹膜炎を併発し死に、葬式で竜哉は英子の自分に対する命懸けの復讐を感じ、遺影に香炉を投げつけ、初めて涙を見せた。

映画

太陽の季節
ファイル:Season of the Sun poster.jpg
監督 古川卓己
脚本 古川卓己(脚色)
石原慎太郎(原作)
製作 水の江滝子
出演者 南田洋子
長門裕之
音楽 佐藤勝
編集 辻井正則
配給 ファイル:Flag of Japan.svg日活
公開 ファイル:Flag of Japan.svg1956年5月17日
上映時間 89分
製作国 ファイル:Flag of Japan.svg 日本
言語 日本語
allcinema
キネマ旬報
IMDb
テンプレートを表示

1956年日活作品。ストーリーは原作にほぼ忠実。原作者の弟である石原裕次郎のデビュー作でもある(もともとは原作に登場する文化風俗などを兄に代わって説明するような立場で関わっていたが、役者の数が足りなくなったため急遽出演することになったという)。

本作は、長門裕之南田洋子が結婚するきっかけともなった。

スタッフ

キャスト

ほか

アニメ

1986年に日本テレビ青春アニメ全集』の中のひとつとして制作されている。

キャスト

テレビドラマ

2002年7月7日から2002年9月15日までTBS系で日曜日21:00~21:54に放送。全11回。平均視聴率13.6%。

石原の小説から題名だけを頂いた物で、内容は全くのオリジナル。主人公竜哉の、佐原の父親の銀行に融資を打ち切られて自殺に追い込まれた父の仇をとるため佐原からすべてを奪おうとする復讐劇と、交差点で偶然出会った足に障害を持つ少女・英子との切ない恋愛を描く。

このドラマを最後に東芝がスポンサーを降り(2009年10月クールの「JIN-仁-」より、複数スポンサーの一社として復帰)、東芝日曜劇場は「日曜劇場」と名称を変更した。

キャスト

スタッフ

主題歌

サブタイトル・視聴率

各話放送日サブタイトル視聴率
第1話2002年7月7日-16.0%
第2話2002年7月14日-14.8%
第3話2002年7月21日裏切り17.2%
第4話2002年7月28日母の陰謀11.8%
第5話2002年8月4日監禁13.3%
第6話2002年8月11日暴露11.2%
第7話2002年8月18日誘惑12.8%
第8話2002年8月25日衝撃の瞬間12.6%
第9話2002年9月1日決別12.7%
第10話2002年9月8日転落13.2%
最終話2002年9月15日その愛と死14.0%
平均視聴率 13.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

外部リンク

TBS 日曜劇場
前番組 番組名 次番組
太陽の季節
※ここまで東芝日曜劇場
おとうさん
※ここから複数社提供

脚注

  1. ^ 「太陽族映画に反発 各地で観覧を禁止」『朝日新聞』1956年8月3日付朝刊
  2. ^ 少年犯罪データベース 昭和31年(1956)の少年犯罪

関連項目

外部リンク