日蝕 (小説)
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『日蝕』(にっしょく)とは、平野啓一郎の中編小説。彼のデビュー作でもある。
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概要
事実上の持ち込みにより、「新潮」1998年8月号に一挙掲載され「三島由紀夫の再来」というコピーとともにセンセーショナルなデビューを飾った。古語や雅語、古めかしい言い回しを織りまぜた衒学的な擬古文体と15世紀の中世フランスという舞台設定の結びつきや、異端とされる知識を探求する僧侶が、答えを得た瞬間にその意味を見失うという鮮烈なプロットが話題となった。
1999年2月には第120回芥川賞を受賞。石原慎太郎を除く[1]ほぼ全ての選考委員から高い評価を受け、受賞に至った。23歳6ヶ月での受賞は当時の最年少記録歴代4位であった。
盗作疑惑
日蝕(小説)の盗作疑惑については「佐藤亜紀」の項も参照
「日蝕」には突如として盗作疑惑が浮上した。発端となったのは、1993年に「鏡の影」を発表している作家の佐藤亜紀が2003年に自身のウェブサイト上で行った告発だった[2] 。98年に芥川賞候補作となった「日蝕」と、中世ヨーロッパを舞台にした「異端とされる知識を探求する僧侶が、答えを得た瞬間にその意味を見失うという鮮烈なプロット」をもった「鏡の影」が読み比べられないように、同年に新潮社が後者を絶版にしたのではないかという内容である[3]。また佐藤はブレヒト「ガリレイの生涯」などの作品をいくつか挙げ、「異端な探求もの」というジャンルがすでにほぼ確立されたものであり、数年前に国内の同じ出版社からだされている自身の作品を平野が「日蝕」を書く上で読んでいないはずがない、という主張もしている。
一方で平野は自身のブログにて「(「鏡の影は)1行も読んだことがない」と反論し、疑惑を否定している[4]。
この疑惑は佐藤亜紀が自身の版権を新潮社から引き上げたほかは、作家の山之口洋がこの疑惑をやや否定的にみる形で若干の「検証」をした程度であり[5]、新潮社による公式な声明などは出されていないままである。
文献表示
平野啓一郎「日蝕」新潮社、1998年(2003年に新潮文庫より再刊)
佐藤亜紀「鏡の影」新潮社、1993年(1998年に新潮社より絶版。ビレッジセンターなどでの復刊を経て、2009年から講談社文庫にて再刊)
脚注
- ^ 「果たしてこうした手法を用いなければ現代文学は蘇生し得ないのだろうか。私は決してそうは思わない。」『文藝春秋』1999年3月選評掲載号
- ^ 「バルタザールの遍歴」絶版の理由
- ^ 外部リンクに細かな類似点をまとめたサイトがあるのでそちらも参照
- ^ 平野啓一郎公式ブログ「web2.0的世界において、「名誉」を守るということについて」
- ^ 両作品を比較検討した結果、細部においていくつか造形が似ていることを指摘しているが、両者の目指す方向性自体がかなり違うと述べている。 - bk1の書評コラム「不審事物」




