条件
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条件(じょうけん)とは、法律行為の効力の発生・消滅を、将来の発生が不確定な事実にかからせる付款またはその事実である。
目次 |
民法上の条件
この節で、民法は条数のみ記載する。
概説
法律用語としての条件は、 (1)その条件が客観的に明確なもので (2)実現の可能性があり (3)公序良俗に反しないもの でなければならない。 条件としては認められない例としては、 (1)については「いいものをくれたら」など、 (2)については男性に対し「妊娠したら」など、 (3)については「人を殺したら」など、 があげられる。 これらの条件が付された契約は、条件部分が当然に無効とされ、条件にかかる行為のみが単純に有効とされる。
条件が実現することを条件の成就という。
なお、「法律行為の効力の発生・消滅を将来発生することの確実な事実にかからせる付款またはその事実」を期限というが、ある付款または事実が条件であるか期限であるか見解が分かれる場合もある(出世払いを参照)。
条件の種類
条件には停止条件と解除条件とがある。
- 停止条件(127条1項)
- 停止条件(ていしじょうけん)とは、ある法的効果が予定されているが、その発効が特定の条件の成就まで停止されていること。しばしば例として挙げられるものとしては「大学に合格したら、腕時計を買ってあげる」という約束がある。この場合、「腕時計を買ってあげる」という法律行為が、「大学に合格したら」という仮定の条件によって停止されている、ということになる。
- 解除条件(127条2項)
- 解除条件(かいじょじょうけん)とは、発生する契約を解除しその効力を失わせるための条件。例えば、「代金支払いが滞った場合には、買った物を返還する」という場合、「代金支払いが滞る」という事実が解除条件である。
条件の有効性
既成条件・不法条件・不能条件・随意条件
一定の条件が付された場合について、民法は法律行為につき無条件あるいは無効とする(131条~134条)。
- 既成条件(131条)
- 法律行為時にすでに成就している条件のことをいう。停止条件のときは、条件とする意味が無いので法律行為は無条件となり、解除条件のときは、すでに法律効果が消滅していることになるから法律行為は無効とされる。
- また、条件が成就しないことが確定している場合、停止条件のときは、条件が永久に成就せず効力が生じることはないので法律行為は無効となり、解除条件のときは、条件が永久に成就せず効力が消滅することはないので法律行為は無条件となる。
- 不法条件(132条)
- 法に反する条件のことをいう。違法なことを条件とするのは、法律上効果を認めるわけにはいかないので無効とされる。また、同じ理由で、不法なことをしないことを条件とすることも同じく無効となる。
- 不能条件(133条)
- 客観的に成就することがありえない条件のことをいう。条件が成就しないことが確定している場合と同じように、停止条件のときは、条件が永久に成就せず効力が生じることはないので法律行為は無効となり、解除条件のときは、条件が永久に成就せず効力が消滅することはないので法律行為は無条件となる。
- 随意条件(134条)
- 単に債務者の意思のみに係る条件をいう。「履行したくなったら履行する」というような場合である。
- 停止条件の場合は、債務者を拘束する内容ではなくなるので、債権として意味が無いので無効とされる。
- 解除条件の場合は、「期限の定めのない債務」と同様に、条件としての効力が認められる。
条件に親しまない行為
条件を付すことができない法律行為を「条件に親しまない行為」という。主に身分行為についての公益上の不許可と単独行為についての私益上の不許可がある[1]。
- 公益上の不許可
- 婚姻、養子縁組、認知、相続の承認、相続放棄など家族法上の行為(身分行為)に条件を付すと身分関係を不安定なものにしてしまうため身分行為に条件を付すことはできない[2]。婚姻や離婚などについては確定的意思が必要とされる行為であるために条件を付すことが許されないと理由づけすべきとみる見解もある[3]。
- 私益上の不許可
- 相殺(506条参照)、解除、取消、追認、買戻、選択債権の選択など単独行為に条件を付すと相手方の法的地位を不安定なものにしてしまうため単独行為に条件を付すことは原則としてできない。ただし、相手方を不利な地位に立たせるおそれがない場合(債務の免除など)には、例外的に単独行為に条件を付すことが許容される場合もある。債務者の不履行を停止条件とする意思表示も認められる[4]。
- その他
行政法上の条件
行政行為の効果を将来発生することの不確実な事実にかからしめる意思表示。
詳細は「 行政行為#附款」を参照
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脚注
- ^ 我妻栄著『新訂 民法総則』409~410頁、岩波書店、1965年
- ^ 遠藤浩・川井健・原島重義・広中俊雄・水本浩・山本進一著 『民法1 民法総則 第4版増補改訂2版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、2002年5月、228頁
- ^ 内田貴著 『民法Ⅰ 第3版 債権各論』 東京大学出版会、2008年4月、303頁
- ^ 内田貴著 『民法Ⅰ 第3版 債権各論』 東京大学出版会、2008年4月、303頁
- ^ 遠藤浩・川井健・原島重義・広中俊雄・水本浩・山本進一著 『民法1 民法総則 第4版増補改訂2版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、2002年5月、237頁




