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飛び出せ!青春

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

飛び出せ!青春』(とびだせせいしゅん)は、村野武範主演による東宝制作、テアトル・プロ共同制作の日本テレビ系で放送された『青春とはなんだ』(1965年)を起点とする青春学園シリーズの1作である。主題歌『太陽がくれた季節』も大ヒットした。学園青春ドラマの代表的作品。

目次

物語

「来る者は拒まない」という校長の方針により、無試験入学制度をとっている太陽学園高等学校には全国から落ちこぼれが集まっていた。中でもサッカー部は劣等生の集まりだった。新任の教師・河野武は、赴任早々のトラブルで教頭に疎んじられ、さっそくサッカー部の部長を押し付けられる。だが、河野は持ち前のチャレンジ精神と同僚の女教師・本倉明子の協力を得て生徒たちに熱き思いを伝えてゆくのだった。第1話のタイトルでもある「レッツ・ビギン Let's begin!」がこのドラマを通しての合言葉でテーマである。

概要

本作は1965年の『青春とはなんだ』を第1作とする東宝制作、テアトル・プロ共同制作、日本テレビ放映の学園青春ドラマの第6作にあたる。このシリーズは『炎の青春』(1969年)を最後に休止していたが、松竹製作の『おれは男だ!』のヒットを受け、その後番組として再開された。シリーズ初期の『青春とはなんだ』『これが青春だ』も名作ドラマとして知られるが、モノクロ作品のため再放送が少なかった両作に比べ、本作はリアルタイム世代に限らない広い層に支持され、学園青春ドラマの代表的作品と位置づけられている。

視聴率的に当初は苦戦したものの徐々に人気を高め、ピーク時には裏番組のNHK大河ドラマ新・平家物語』を抜いたこともあった。青い三角定規が歌った主題歌『太陽がくれた季節』も大ヒットし、ドラマ同様に青春ソングの代表的作品となっている。番組終了直後に映画化され、東宝チャンピオンまつりの1本として公開された[1]

舞台となった太陽学園のロケ地は日本大学明誠高等学校山梨県上野原市)だった[2]。撮影のある休日ともなると、ロケ見学者が殺到した。それ以外のロケも、主に同校の周辺で行われた(海辺のシーンは、静岡県伊豆の下田海岸)。たびたび登場する東山駅[3]も上野原の隣の四方津駅で、今も面影を残している。ホームでのシーンや電車の到着シーンは上野原駅と四方津駅で撮られている。「(舞台の)太陽学園に入学したい」という問い合わせも多かったという。

備考

  • オープニングの映像には2種類あり、村野武範と酒井和歌子のみが登場するものが第7話まで使用され、第8話からは村野とサッカー部の部員たちが登場するものが使用された。
  • 主要な生徒のひとりである高木を演じた石橋正次は、第14話から第27話までの間(第22・25話を除く)、高木が休学したという設定のもと、出演していない。これは「夜明けの停車場」の大ヒットにより、石橋が歌手として多忙になったための措置で、第28話で“復学”した後は、準レギュラーとして最終回まで出演している。
  • 東宝、テアトル・プロ、日本テレビ制作の青春学園シリーズの次作であり最終作となった『われら青春!』(1974年)では、舞台である太陽学園の設定がそのまま踏襲され、村野武範が演じた河野武の後輩である、中村雅俊演じる沖田俊が赴任した形になった。このこともあり『われら青春!』第14話「われら同級生!」には、村野のほか生徒を演じていた剛達人頭師佳孝、降旗文子、沖正夫らが同じ役でゲスト出演をした。なお、保積ぺぺ青木英美はそれぞれ『飛び出せ!青春』出演時と同じ役で、かつレギュラーであり準レギュラーだった。

放送データ

  • 放映期間:1972年2月20日~1973年2月18日
  • 放映日時:毎週日曜20:00~20:56(1972年10月以降は20:55まで)
  • 放映回数:全43話
  • 放送形態:カラー作品

登場人物

スタッフ

主題歌

  • 「青春の旅」(多くの回のエンディングに流れた)
    • 作詞:山川啓介
    • 作曲:いずみたく
    • 編曲:松岡直也
    • 歌:青い三角定規

2曲とも収録されているCD

1972年11月発売のアルバム『飛び出せ!青春』に、ボーナス・トラックを加え、CD化したもの。“太陽学園高校生徒有志”による合唱で2曲を収録(青い三角定規版は「太陽がくれた季節」のみ収録)。なお、このCDについては下の「メディア」も参照のこと。

挿入歌

  • 「ひとつの地球に生まれて」
    • 作詞:岩谷時子
    • 作曲:いずみたく
    • 編曲:大柿隆
    • 歌:村野武範
  • 「青春はどこに」
    • 作詞:岩谷時子
    • 作曲:いずみたく
    • 編曲:大柿隆
    • 歌:村野武範
  • 「夜明けの停車場」

これら挿入歌は、劇中ではギター1本の伴奏をバックに歌われることが多かった。村野武範による2曲は、上記の『飛び出せ!青春 TV青春ドラマ★グレイテスト・ヒッツ』などに収録。石橋正次の歌手としての代表曲である「夜明けの停車場」も、数多くのCDに収録され発売されている。「ひとつの地球に生まれて」は、2年後の1974年に『われら青春!』の挿入歌として大ヒットになった「ふれあい」の原型的な楽曲である。

放映リスト

話数 放映日 サブタイトル  監督 脚本 ゲスト
1 1972年
2.20
レッツ・ビギン Let's begin! 高瀬昌弘   鎌田敏夫
2 2.27 ヘソはお前だ! 永原秀一
3 3.5 華々しき悪戯 上條逸雄 沢久美子
4 3.12 やるぞ見ていろカンニング 土屋統吾郎 鎌田敏夫 水谷豊伊藤めぐみ
5 3.19 あゝ雀パイに花うけて 永原秀一 石井富子、久里みのる
6 3.26 ラヴラヴ行進曲 高瀬昌弘  須崎勝弥 川島育枝
7 4.2 このバカを許して下さい 鎌田敏夫 大塚道子武内亨
8 4.9 男の涙は伊達じゃない 土屋統吾郎 上條逸雄
9 4.16 殴られ屋引き受けます 鎌田敏夫 本郷晃
10 4.23 男なら特訓特訓また特訓 高瀬昌弘 永原秀一
11 4.30 あの裏山を守れ! 田上雄
12 5.14 ガラクタ楽団全員集合! 土屋統吾郎 田波靖男 青い三角定規
水沢有美犬塚弘
13 5.21 さらば高校五年生! 鎌田敏夫 大村千吉
14 6.4 月光仮面は正義の味方!! 高瀬昌弘 松村達雄、七尾怜子
15 6.11 栄光とはなんだ!!  木村佳世 竜雷太
16 6.25 友情か恋愛かそれが問題だ!!     土屋統吾郎    鎌田敏夫 永野裕紀子、西條康彦
17 7.2 老人パワー大爆発! 永原秀一
武田宏一
沢村貞子
18 7.9 俺に出来ないこともある!  上條逸雄 中島ゆたか皆川妙子
19 7.23 北海道へは着いたけど  高瀬昌弘    鎌田敏夫 玉川良一佐山俊二
小林夕岐子藤山律子
山田はるみ
20 7.30 この遥かなる道     永原秀一 亀石征一郎亀井光代
吉田友紀
21 8.6 学園の子連れ狼  土屋統吾郎   鴨井達比古 木村夏江村越伊知郎
市川治
22 9.3 飛び込もう青春の海へ!     永原秀一
武田宏一
柴田侊彦古川登志夫
田中春男
23 9.24 受験戦争に参加せよ!      高瀬昌弘  上條逸雄
24 10.1 校長! あなたまでがそんなことを!?     鎌田敏夫 児島美ゆき
25 10.8 その喧嘩私が買います!! 土屋統吾郎 川辺久造山田康雄
26 10.15 怪談 ついにキャーッと云わせた!!   高瀬昌弘   村井国夫
27 10.22 犬も歩けば恋に当る!    上條逸雄 本田みちこ、東郷晴子
28 10.29 学校が面白いなんてバカじゃないか!!   土屋統吾郎   鎌田敏夫
29 11.5 君がやるなら俺もやる!    鴨井達比古
30 11.12 あなたがいなくなると私は淋しい…   石田勝心  鎌田敏夫 柳谷寛小桜京子
31 11.19 ともに歩こう明日に向って!!      鴨井達比古 木下清、鮎川いずみ
32 11.26 友達だもの、信じるよ!! 高瀬昌弘   鎌田敏夫 島もとき、赤塚真人
33 12.3 35点は落第点!!   上條逸雄 加藤武
34 12.10 くたばれコンプレックス!! 土屋統吾郎   鎌田敏夫 川崎公明
35 12.17 私はダメな女!?     永原秀一 本山可久子
36 12.24 太陽劣等改造論!?    田上雄 高見エミリー
37 12.31 結局はタダの人間なのか先生も!![4] 高瀬昌弘   鎌田敏夫 地井武男菱見百合子
38 1973年
1.7
気楽に行こうぜオレたちだけは!!   土屋統吾郎     西沢利明
39 1.21 貴様と俺とは同期の桜 高瀬昌弘  鴨井達比古 寺田農藤田進
40 1.28 オレは谷岡だッ!! 鎌田敏夫
41 2.4 星の王女様になりたい! 土屋統吾郎 鴨井達比古
42 2.11 教師は生徒の応援団! 上條逸雄 桐生かほる
43 2.18 仰げば尊し? わがビギン!! 高瀬昌弘 鎌田敏夫 佐々木すみ江

メディア

  • 番組放映中の1972年11月、村野武範と生徒たち(クレジットは“太陽学園高校生徒有志”)の歌とミニドラマで構成されたアルバム『飛び出せ!青春』[5]テイチクより発売された(構成・脚本は鎌田敏夫)。このアルバムは2004年9月、青い三角定規の「太陽がくれた季節」などのボーナス・トラックを加え、『飛び出せ!青春 TV青春ドラマ★グレイテスト・ヒッツ』としてCD化され発売された。
  • VHSビデオが、株式会社バップより1999年2月から8月にかけて全22巻が発売された(一部のシーン、およびセリフの音声がカットされている)。第1巻が第1話のみの収録(定価2940円)で、第2巻以降の各巻は2話ずつの収録(各5040円)。
  • DVD化はされなかったが、2009年12月23日、バップよりブルーレイディスク全5巻が発売された(マスターはVHSと同じものを使用している)。第3巻までは9話ずつ(各9450円)、4巻および5巻は8話ずつ収録(各8400円)。

書籍

第1話、第4話、第14話、第24話、第38話、第40話、第43話(最終回)のシナリオを収録。放映データ、キャスト表、スチール集、鎌田と中村良男プロデューサーとの対談なども掲載。
  • 千田秀雄・新樹瞳志著『飛び出せ!青春』(1972年、日本テレビ放送網発行、読売新聞社発売)
  • 千田秀雄・新樹瞳志著『続・飛び出せ!青春』(1972年、日本テレビ放送網発行、読売新聞社発売)
上記2冊は、日本テレビ編のノベライズ本。新樹瞳志は、青春学園シリーズの次作『われら青春!』のノベライズ本も執筆している。

脚注

  1. ^ テアトル・プロ製作、東宝配給。1973年3月17日公開。カラー・シネマスコープ、上映時間73分(再編集版ではなく、新たに撮影された)。脚本=鎌田敏夫、監督=高瀬昌弘。酒井和歌子と大田黒久美は出演していないかわりに、高瀬監督の秘蔵っ子である梅田智子が出演した(県立東高校の女生徒・宮下由美子役)。なお、『青春とはなんだ』から『あさひが丘の大統領』までの日テレ青春ドラマシリーズの中で、ほぼ同じスタッフ・キャストにより、TVシリーズと同時期に同じタイトルで映画化されたのは『飛び出せ!青春』だけである。
  2. ^ 平成22年度(2010年4月~)の同校の生徒募集キャッチフレーズは“Let's Begin!”であった。
  3. ^ 駅入り口のロケには小田急線向ヶ丘遊園駅も使用されており、現在も当時の面影をしのぶことができる。
  4. ^ 第37話は、一般視聴者からの公募により寄せられたストーリーの入選作をもとに脚本が執筆された(原案:佐藤久美)。
  5. ^ 出演:村野武範、頭師佳孝、穂積ペペ、剛達人、沖正夫、武岡淳一、関田哲也、五十殿敬一、谷岡行二、橋本弘行(橋田役)、青木英美、松原麻里、降旗文子、小椋寛子、和田ひろみ(あけみ役)。

参考文献

  • 岡田晋吉著『青春ドラマ夢伝説-あるプロデューサーのテレビ青春日誌』(日本テレビ放送網、2003年9月)ISBN 4-8203-9863-6
  • 高瀬昌弘著『昭和千本のドラマたち』(廣済堂出版、2007年11月15日)ISBN 978-4-331-51242-5
日本テレビ 日曜20時枠
前番組 番組名 次番組
飛び出せ!青春
日本テレビ 日曜20:55 - 20:56枠
おれは男だ!
(20:00 - 20:56)
飛び出せ!青春
(1972.2 - 9)
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