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首都高速道路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

首都高速道路(しゅとこうそくどうろ)は、首都高速道路株式会社(しゅとこうそくどうろ)が維持・管理等を行っている、東京都区部とその周辺地域にある路線長322.5km(管理293.5km、新設29.0km)の都市高速道路である。「首都高」と略されることが多い。なお、「首都高速」および「首都高」は、首都高速道路株式会社の登録商標である。

道路法で定められている都県道東京都神奈川県埼玉県千葉県)と市道横浜市川崎市)であり、道路構造令で「都市部の自動車専用道路」(第2種第1級・第2級)に区分される。

目次

首都高速道路株式会社

首都高速道路株式会社
Metropolitan Expressway Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 首都高
本社所在地 ファイル:Flag of Japan.svg 日本
〒100-8930
東京都千代田区霞が関一丁目4番1号 日土地ビル
設立 2005年10月1日
業種 サービス業
事業内容 高速道路、自動車専用道路の管理運営
代表者 橋本圭一郎(代表取締役社長)
資本金 135億円
売上高 連結 : 4,449億1,000万円
単体 : 4,431億5,800万円
(2008年3月期)
総資産 連結 : 4,548億1,400万円
単体 : 4,490億6,300万円
(2008年3月期)
従業員数 連結 : 2,609人
単体 : 1,099人
(2008年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 国土交通大臣 49.99%
東京都 26.72%
神奈川県 8.28%
主要子会社 首都高速道路サービス(株) 100%
外部リンク www.shutoko.jp
テンプレートを表示
ファイル:Tokyo Metropolitan Expressway map-ja-4.svg
赤線が首都高速道路の路線。点線は建設中路線

首都高速道路株式会社(しゅとこうそくどうろ、Metropolitan Expressway Co., Ltd.)は、2005年10月1日、高速道路株式会社法により設立された。 日本道路公団等民営化関係法施行法により、首都高速道路公団の業務を日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」)とともに承継した。

政府および地方公共団体が常時3分の1以上の株式を保有する特殊会社で、当分の間政府から債務保証を受ける。一方、営業年度毎の事業計画や社債の募集、資金の借入については国土交通大臣認可を要する。

また会社は機構との協定[1]にしたがい、政令で定められた機構への出資金補助金の中から、建設費の一部につき無利子貸付が受けられる。

現在の同社のスローガンは「ひと・まち・くらしをネットワーク」である。

基本理念

私たちは、首都圏のひと・まち・くらしを安全・円滑な首都高速道路ネットワークで結び、豊かで快適な社会の創造に貢献します。

経営理念

  • お客様第一

安全と快適を追求し、お客様に満足いただける質の高いサービスを提供します。

  • 地域社会との共生

地域の皆様とともに、よりよい環境の実現と地域社会の発展を目指します。

  • 社会的責任

高い倫理観と透明性をもって、お客様、地域の皆様、投資家の皆様との信頼関係を築きます。

  • 自立する経営

効率的で健全な経営を行い、新しい分野での事業も積極的に展開します。

  • 活力あふれる職場

社員が自らの力を高め、誇りと達成感を持てる職場をつくります。

業務

首都高速道路の範囲において、機構と締結した協定に基づき以下の業務を行う。

  • 高速道路の新設又は改築。完了時には、道路資産と債務がともに機構に帰属する。
  • 機構の保有する道路資産を有償で借り受けての、かかる高速道路の管理。

いわゆる上下分離方式を採用した中での「上」に相当する。

路線

同一路線について法的手続きである都市計画・基本計画・事業計画の各事業段階において(それぞれ若干異なる)「路線名」がつけられているが、案内の分かりやすさのために、一般に標識などで案内されているのは「路線呼称」と「ルートマーク(路線番号・記号)」である。

ここでは路線呼称とルートマークを見出しに記載している(路線番号・路線呼称と道路法上の路線名)。

東京線

東京都内・千葉県内路線および埼玉県内の東京外環自動車道以南の路線。

環状線

放射線

その他の路線

神奈川線

埼玉線

埼玉県内の東京外環自動車道以北の路線。

建設中・事業中路線

路線呼称が未定の路線があるため、道路法上の路線名または基本計画の路線名。 これより以下の'斜体は仮称

東京線

神奈川線

これより以下の詳細は、横浜環状道路を参照

歴史

東京に高速道路を建設する構想は太平洋戦争以前から存在していたが、本格的に検討されるようになったのは高度経済成長が始まる1950年代後半になってからである。当時の東京では自動車の急増とともに各地で渋滞が頻発するようになり、放置すればやがて交通マヒに陥ると予測されていた。政府はこの問題を解決するため、首都高速道路の建設を決定した。

最高速度

  • 都心環状線50km/h
  • その他概ね60km/h
  • 湾岸線、埼玉県・神奈川県の一部区間で80km/h
    • 湾岸線は6車線道路であり、直線が多くカーブも緩やかである。そのためこの速度を上回って走行する車両が多く、しばしば速度取締りが行われる。羽田空港周辺は、白バイによる取り締まり重点路線に指定されている。

料金

現行の通行料金

各路線は「東京線」「神奈川線」「埼玉線」の3つの料金圏に区分けされ、原則として各料金圏内では均一の料金となっている。複数の料金圏にまたがって走行する場合は、通過する料金圏ごとに料金が発生する。

普通車/大型車

  • 通常料金
    • 東京線 : 700円/1,400円/
    • 神奈川線 : 600円/1,200円
    • 埼玉線 : 400円/800円

料金 - 通行料金

路線の末端部分や料金圏境で特定料金が設定されている区間がある。

  • 特定料金・ETC特定料金 (1) : 300円/600円
  • ETC特定料金 (2) : 500円/1,000円

割引情報

2012年1月1日実施予定の距離別料金

2012年1月1日午前0時から実施される[2]。料金額と割引の詳細については、高速道路機構と首都高速会社との協定を参照のこと[[1]](料金の額及びその徴収期間 2011年6月13日)。

普通車/大型車

  • ETC搭載車(距離別料金)
    • 0~6km以下 : 500円/1,000円
    • 6~12km以下 : 600円/1,200円
    • 12~18km以下 : 700円/1,400円 
    • 18~24km以下 : 800円/1,600円
    • 24km超 : 900円/1,800円

従来の東京、神奈川、埼玉の3料金圏を廃止され、一体化される。

  • ETC非搭載車(均一料金) : 900円/1,800円
    • ただし、郊外方向へ向かう端末料金所から入場する場合は、距離に応じて500円、600円、700円のいずれかとなる。
    • 大井本線料金所等の旧料金圏の境界に設置された本線料金所湾岸環八出口等の出口料金所では、一旦停止する必要があるものの、入口料金所で受領した領収証を呈示すれば新たな料金支払いの必要はない[3]。このため、複数の旧料金圏を連続して通行する場合には入口料金所で領収証を必ず受領し、なくさないよう注意が必要である。
  • 中央環状線迂回利用割引(2014年3月末までの限定)
    • 放射路線から入り中央環状線を経由して放射路線から出る場合(中央環状線経由の距離が都心環状線経由の距離を上回る場合に限定)は、100円/200円割引
  • NEXCOとの乗り継ぎ割引(2014年3月末までの限定)
    • NEXCO東日本・中日本の高速道路(京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、東京湾アクアラインを含む。)との乗り継ぎ箇所から6kmまでの出入口もしくは最初の出入口まで利用する場合は、100円/200円割引
    • なお、これと併せて、これまで600円の均一料金であった中央自動車道高井戸ICから八王子ICまでの料金が、ETC車については250円・400円・600円の距離別料金に変更となる[2]
  • 放射道路の端末区間割引(2014年3月末までの限定)
    • 旧・東京圏内の放射道路の端末から都心環状線内側までする利用は、700円/1,400円以下となるよう割引
  • 埼玉線内々利用割引(2014年3月末までの限定)
    • 戸田出入口または美女木JCTと同JCT以北の各出入口の間の埼玉線のみを利用する場合は、100円/200円割引
  • EV割引(2014年3月末までの限定)
    • 電気自動車は50%割引

通行料金の推移

1962年に京橋 - 芝浦が開通して以来延伸を続け、延長と物価上昇率を考慮して通行料金を改定している。以下は東京線の普通車の通行料金である。

このほか、2002年7月には神奈川線が500円から600円へ改定された。中央環状王子線が開通した2002年12月には東京線が800円に値上げされる案があったが、こちらは廃案となっている。

ETC

全ての料金所ETCが利用できる。ETC限定の特定料金が設定されている区間や割引料金が設定されている時間があり、上記のETC特定料金区間 (1) ・ETC特定料金区間 (2) はETC限定である。

なお、他の都市高速道路は全てETCマイレージに加入しているが、首都高速はETCマイレージには加入しておらず、マイレージサービスは受けられない。

距離別料金導入の経緯

当初は、2008年秋からETC利用者を対象に、現在の均一料金から距離別料金へ移行する予定であった。2007年9月20日に首都高速道路株式会社が発表した意見募集案によると、距離別料金に移行した場合、東京線で普通車利用の場合、現行基本料金700円に対してETC車を400円 - 1,200円の距離別料金とし、非ETC車は一律1,200円とする案となっていた。この案に対しての2008年春までの半年間の利用者からの意見を考慮して、上限料金、下限料金、様々な割引率などが提示されることとされていた。

距離別料金導入と同時に、以下のような新たな割引制度の導入や見直しが検討された。

  • 高速自動車国道との連続利用、複数料金圏(東京線と神奈川線など)を連続利用する場合の乗継割引
  • 都心環状線の渋滞を緩和するため、都心環状線を通過する場合と中央環状線を通過する場合で料金に差をつける
  • 利用時間帯別料金の見直し

2008年8月29日、政府の「安心実現のための緊急総合対策」の中で、首都高速および阪神高速の距離別料金の導入延期(概ね1年間)が決定された[4]

その一方で、2009年3月13日、政府の「生活対策」等に基づき、首都高速および阪神高速の当面の料金引下げが決定された[5]。同時に、距離別料金として、普通車の場合、現行の東京線700円を、2011年4月1日から600 - 800円とし、2014年4月1日から500 - 900円とするなどの計画が公表された[6]

しかしながらこの計画は実施に至らず、2011年7月15日に改めて上記の内容で首都高速道路会社から関係自治体に同意申請が出され[7]、各議会での議決を経て、同年11月2日国土交通大臣の許可を得て、2012年1月1日午前0時より実施されることが決まった[2]

首都高X

ETC非搭載車に対しては、専用通信器と電子マネーEdyカードのセットを数千円の保証料で貸し出し、実際に走った料金との差額を払い戻すシステムコードネーム首都高X)を導入する方針を示している[3]

首都高Xの利用者は、入口の料金所で一旦停止して、Edyカードで上限額の1200円を払うが、車のシガーソケットに差し込んだ通信器が出口アンテナ通信し、入口・出口のデータを首都高センターに送る。翌日以降に、利用者が再度利用する首都高の料金所でEdyカードを収受員に手渡しすれば、上限額と通行料金との差額がEdyカード内に払い戻される仕組みである。首都高をしばらく使わない場合は、コンビニエンスストアファミリーマートまたはam/pm)に設置されている機械にタッチさせれば同様に払い戻される。

Edyカードの代金は数百円、通信器には数千円の保証金が必要になる見通しで、保証金は、通信器を返却すればEdyカード代と通信機使用料を差し引いて電子マネーで返金される。

首都高速道路は、このシステムを距離別料金の実施に合わせて導入する見込み。料金所で収受員との電子マネーカードのやり取りが生ずるため、ETCで得られるような割引は適用されない方向とされる(銀行ATM扱いと窓口扱いの違いと同じ)。

これの信号送受信機は、シガーライターソケットを利用するため、同ソケットの非搭載車、二輪車等については考慮されていない。

キャラクター

構想中・計画中路線

以下の路線は東京圏都市圏自専道等の路線や事業者は未定であり、首都高速道路になるとは限らない。計画・事業化等も未定であり、事業化される見通しも不明である。 斜体は仮称である。

既存路線延伸

  • 川崎縦貫道路延伸(II期)(富士見出入口 - 北見方JCT - 宿河原JCTもしくは堰JCT)
    • 北見方JCT第三京浜道路と接続予定
    • 宿河原JCTもしくは堰JCT東名高速道路と接続予定
    • 宿河原JCTもしくは堰JCTより以西へ延伸し、稲城大橋を通過し、中央自動車道と接続する計画もある。
    • 富士見出入口から北見方JCT間は、一般道路国道409号(府中街道)になる可能性が高いが、大幅変更になる可能性もある。
    • 宿河原JCTもしくは堰JCT斜体で記載されているが、具体案が決まっていないため仮称が重複している。

地域高規格道路候補路線

東京都

神奈川県

備考

首都高速道路は都市高速道路であり、都市間高速道路(東日本高速道路中日本高速道路西日本高速道路管理の高速自動車国道など)とは道路の性格が違うため、設計速度・最高速度は、湾岸線や埼玉県内などの一部路線・区間を除き、多くの区間で60km/h以下となっている。都市間高速道路に比べると急カーブが多く、多くが市街地に建設されていることから騒音への配慮も必要なためである。

また、自動二輪二人乗りも事故防止の観点から都心環状線を中心に一部区間で規制されている。

地上一般道路を拡幅し、その上空又は地下運河などの公共用地を最大限利用して大部分が既成市街地の制約の下で計画・設計・建設されているため、必然的に道路の幾何構造(曲線半径や勾配など)が道路構造令で定められる限界値となっている箇所や、出入口やJCTの分合流が左右両側の車線に行われる箇所がある。そのため、短区間で交通が合流したのち分岐する「織込み」が発生する箇所があったり、道路標識が複雑であったりすることがある。また、法律上は高速自動車国道や一般道路と同様に、追い越しをする場合や出口や分岐を右折する場合等を除き、複数車線の一番右側(追越車線)を走行することは禁止されているが、右からの分合流が多いことから会社側は「追越車線はない」とし、右から入って右に出るような場合は右を走り続けても構わないとの趣旨をホームページ上に提示している。

東名高速道路や中央自動車道などの都市間高速道路から首都高速道路に流入する場合は、上記の都市高速道路としての性格を理解して、分合流や交通の織込み、走行速度に注意が必要である。中でも東名高速道路から首都高速道路に入る際には、直後に料金所があるため大幅な速度制限を受ける(100km/h→50km/h)[8]ので特に気をつけなければならない。

首都高速道路(特にトンネル)で事故が発生した場合、AMラジオのスイッチを入れたまま走行していると、チューナーを1620kHzに合わせなくても強制的に放送に割り込み、事故が発生した場所や種類(単独・衝突・追突など)、それに伴う速度/車線規制、渋滞などの情報を運転者に知らせる仕組みになっている。

首都高速道路が登場する映画・小説・漫画・ゲームソフトなど

ここに挙げた以外でも、自動車を扱った作品では首都高速道路は頻繁に登場し、違法な公道レースが行われている場として描かれる場合も多い。

関連企業

  • 首都高速道路サービス株式会社(首都高速道路管内のパーキングエリアを管理する企業)
  • 首都高トールサービス西東京株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
  • 首都高トールサービス東東京株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
  • 首都高トールサービス神奈川株式会社(首都高速道路管内の料金収受業務を行う企業)
  • 首都高パトロール株式会社(首都高速道路管内の交通管理業務を行う企業)
  • 首都高技術株式会社(首都高速道路管内の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高メンテナンス西東京株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高メンテナンス東東京株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高メンテナンス神奈川株式会社(首都高速道路管内の土木設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高電気メンテナンス株式会社(首都高速道路管内の電気設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高ETCメンテナンス株式会社(首都高速道路管内の料金所設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高機械メンテナンス株式会社(首都高速道路管内の機械設備の維持修繕業務を行う企業)
  • 首都高速保険サポート株式会社 (車の保険や生命保険を取り扱う企業)

発行物

1964年8月1日、首都高速道路開通記念の額面10円の切手が発行された。

脚注

  1. ^ 協定一覧
  2. ^ a b 距離別料金への移行等のお知らせ”. 首都高速道路株式会社 (2011-11-02). 2011-11-04閲覧。
  3. ^ 現金でご利用のお客様(首都高速道路株式会社、2011年12月15日閲覧)
  4. ^ 「安心実現のための緊急総合対策」における高速道路料金の引下げの進め方 (PDF)”. 国土交通省 (2008-08-29). 2011-11-04閲覧。
  5. ^ 高速道路料金の引下げの実施について (PDF)”. 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 (2009-03-13). 2011-11-04閲覧。
  6. ^ 首都高速道路株式会社が管理する高速道路に係る高速道路利便増進事業に関する計画 (PDF)”. 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 (2009-03-10). 2011-11-04閲覧。
  7. ^ 首都高速道路の新たな料金について (PDF)”. 横浜市 (2011-07-27). 2011-10-20閲覧。
  8. ^ 首都高速道路株式会社|速度規制図

関連項目

外部リンク

関係法令