香港
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座標: 北緯22度16分42秒 東経114度9分32秒 / 北緯22.27833度 東経114.15889度
- 中華人民共和国香港特別行政区
- 中華人民共和國香港特別行政區
Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China -
ファイル:Flag of Hong Kong.svg ファイル:Hong Kong SAR Regional Emblem.svg (地域の旗) (地域の紋章) - 地域の標語: なし
- 地域の歌: なし
- ファイル:Hongkongmontage.PNG
-
- ファイル:Hong Kong Location.svg
公用語 広東語、英語
(本文参照)主都 中環 最大の都市 該当なし - 政府
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行政長官 曽蔭権 政務司司長 林瑞麟 - 面積
-
総計 1,104km2(183位) 水面積率 4.6 - 人口
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総計(2009年) 7,026,400人(98位) 人口密度 6,460人/km2 - GDP(自国通貨表示)
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合計(2008年) 16,785億[1]香港ドル - GDP(MER)
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合計(2008年) 2,155億[1]ドル(40位) - GDP(PPP)
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合計(2008年) 3,070億[1]ドル(38位) 1人あたり 43,810[1]ドル - 香港返還
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中英共同声明署名
(中英聯合聲明/Sino-British Joint Declaration)1984年12月19日 香港特別行政区成立 1997年7月1日
通貨 香港ドル(HKD) 時間帯 UTC +8(DST: なし) ISO 3166-1 HK / HKG ccTLD .hk 国際電話番号 852
| 香港 | |||||||||||||||||||||||
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| 中国語 | 香港 | ||||||||||||||||||||||
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中華人民共和国香港特別行政区(ちゅうかじんみんきょうわこくホンコンとくべつぎょうせいく、英語: Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China、ファイル:Loudspeaker.svg 広東語發音)、通称香港(ホンコン、英語: Hong Kong)は、中華人民共和国の特別行政区の一つである。
目次 |
概要
香港は華南の珠江デルタに位置する香港島、九龍半島、新界及び周辺の南シナ海に浮かぶ島々を含めた中華人民共和国の特別行政区である。
面積は1,104k㎡であり、札幌市とほぼ同じである。人口は700万人を超えており、アジアを代表する世界都市の一つとなっている。
1842年の南京条約などにより清朝からイギリスに割譲された土地と租借地で、以降はイギリスの植民地となったが、1997年7月1日にイギリスから主権移譲され、特別行政区と改編された。
古くからアジアにおける交通の要所であり、自由港であることから、植民地時代から金融や流通の要所でもある。今日ではロンドン・ニューヨークと並ぶ世界三大金融センターの一つと評価されており[2]、ゴールドマン・サックスなど多くの多国籍企業がアジア太平洋の地域統括拠点として進出している。
中華文化圏のみならず世界でも有数の文化発信地となっており、ショッピングや食通の街として栄えていることから、世界中の観光客が訪れる。超高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みだけでなく、離島や郊外の丘陵地帯などの自然に触れられる場所などの様々な見どころが、領地が狭いために隣接しているのが特徴である。また、マカオや深圳市などの近隣地域と組み合わせて観光するケースも多く見られる。
名称
香港(ほんこん、英語: ホンコン、広東語: ヒョンゴン、という名称は珠江デルタの東莞周辺から集められた香木の集積地となっていた湾および沿岸の村の名前に由来する。現在の香港島南部の深湾と黄竹坑にあたる。「香港」と書いて「ホンコン」と読むが、これは前述の通り、広東語の発音が英語化したものである。
- 正式名称
- 1983年1月1日までは "The Crown Colony of Hong Kong"
- 1997年6月30日までは "The British Dependent Territory of Hong Kong"
- 1997年7月1日からは 『中華人民共和国香港特別行政区』 "Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China"
- 繁体字:『中華人民共和國香港特別行政區』
歴史
詳細は「香港の歴史」を参照
- 331年:中原王朝の支配下に入り、宝安県の管轄とされる(〜756年)。
- 757年:東莞県の管轄とされる(〜1572年)。
- 1839年:清朝とイギリスの間で第一次アヘン戦争が勃発。
- 1842年:南京条約で香港島を清朝からイギリスに永久割譲。
- 1843年:サー・ヘンリー・ポッティンジャーが初代香港総督に就任。
- 1856年:第二次アヘン戦争が勃発。
- 1858年:原住民差別禁止政策施行。
- 1860年:北京条約で九龍半島南部の市街地を割譲に追加。
- 1865年:香港上海銀行設立。
- 1872年:香港上海銀行が初めて通貨発行。
- 1898年:展拓香港界址専条で深圳河以南、界限街以北の九龍半島、235の島(新界)を99年間の期限で租借。
- 1935年:香港ドルを法定通貨として認定。
- 1941年:太平洋戦争(大東亜戦争)勃発。日本軍による香港の占領。酒井隆陸軍中将が香港軍政庁長官に就任。
- 1942年:磯谷廉介陸軍中将が香港総督に就任。
- 1945年:日本の敗戦によりイギリスの植民地に復帰。
- 1950年:イギリスが中華人民共和国の政府承認。
- 1967年:文化大革命の影響を受けた中国共産党系住民による暴動発生。
- 1983年:アメリカドルとのペッグ制(US$1≒HK$7.8)を開始。
- 1984年:イギリスのマーガレット・サッチャー首相と、中華人民共和国の鄧小平共産党中央委員との間で香港返還を定めた「中英共同声明」を発表。
- 1990年:香港基本法制定。
- 1992年:最後の香港総督であるクリストファー・パッテンの就任に。最後となる立法局の全議席直接選挙実施。
- 1997年:7月1日イギリスから中華人民共和国への主権移譲。初代香港特別行政区行政長官に董建華が就任し、立法局の全議席直接選挙が停止された。
- 1998年:香港国際空港が開港。啓徳空港が閉鎖。
- 2005年:香港特別行政区行政長官選挙を機に初の民主化デモ実施。
地理
詳細は「香港の地理」を参照
現在の「香港特别行政区」は、香港島、九龍半島、新界及び周圍の南シナ海に浮かぶ235余の島を含めた地域を指す。面積は東京23区の約2倍程度。
ランタオ島(大嶼山)は香港島の2倍の面積を有す香港最大の島であり香港国際空港の空港島が隣接している。2005年9月には島内にディズニーランドが開園した。香港の地形は山地が全体に広がり、最高標高は958メートルの大帽山である。中国本土との境界地域に広がる元朗平原を除き平地は少ない。また元朗平原付近の海岸部には湿原が広がる。
気侯
温帯夏雨気候(サバナ気候 - 温暖湿潤気候移行部型)に属し、秋・冬は温暖で乾燥しており、春・夏は海からの季節風と熱帯低気圧の影響で高温湿潤という気候である。
秋はしばしば台風に襲われ、スターフェリーやマカオへ向かう水中翼船などの船舶や航空便、トラム路線が運行停止になることもある。台風の警報が発令されると各種イベントが中止となるだけでなく、学校や企業、官公庁も休業となる。
冬は中国大陸から吹き込む北風により中国本土の粉塵、工場や自動車から排出される排ガスが流入することが多く、近年はそれによる霧や靄がしばしば発生している。また新界地区では、最低気温が10度を下回ることもあり、低温による凍死者も出るため気温低下が予測される日には暖房設備を準備している公共施設を開放する事がある。
| 香港の気候 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 平均最高気温 ℃ (°F) | 18.6 (65.5) | 18.6 (65.5) | 21.5 (70.7) | 25.1 (77.2) | 28.4 (83.1) | 30.4 (86.7) | 31.3 (88.3) | 31.1 (88) | 30.2 (86.4) | 27.7 (81.9) | 24.0 (75.2) | 20.3 (68.5) | 25 (77) |
| 平均最低気温 ℃ (°F) | 14.1 (57.4) | 14.4 (57.9) | 16.9 (62.4) | 20.6 (69.1) | 23.9 (75) | 26.1 (79) | 26.7 (80.1) | 26.4 (79.5) | 25.6 (78.1) | 23.4 (74.1) | 19.4 (66.9) | 15.7 (60.3) | 21 (70) |
| 降水量 mm (inches) | 24 (0.94) | 52 (2.05) | 71 (2.8) | 188 (7.4) | 329 (12.95) | 388 (15.28) | 374 (14.72) | 444 (17.48) | 287 (11.3) | 151 (5.94) | 35 (1.38) | 34 (1.34) | 2,382 (93.78) |
| 出典: 香港天文台[3] 2008年 | |||||||||||||
人口
香港特別行政区政府統計処の発表によれば香港の人口は2007年6月現在で692万1700人、前年同期比0.9%の増加であった。香港はその限定された面積であるにもかかわらず北欧諸国並みの人口[要出典]を有し、その居住地確保のために山地の中のわずかな平地部に高層マンションを林立させるという独特の景観[要出典]を有している。1平方キロメートルあたりの人口密度は6,270人と世界で最も人口密度が高い地域の一つであるが、さらに平地部分に限定すれば1平方キロメートル当たり20万人以上にもなる。香港の出生率は1000人あたり9.6人(2006年)で、世界でも低水準にある。
香港島北部の住宅地と九龍半島への人口が集中している。両者を合わせて127.4平方キロメートルと香港全体の面積の12%弱の地域に、香港総人口の約50%にあたる約350万人が居住している。九龍地区の1平方キロメートルあたりの人口密度は43,030人、同じく香港島は15,920人である(何れも2006年)。
香港の人口で最も多いのは「華人」と呼ばれる中国系で、全体の95%近くを占める。華人以外で多いのはメイドなどの出稼ぎ労働者として多くが働いているフィリピン人やインドネシア人で、その次に多いのがアメリカ人、次いで元宗主国のイギリス人である。日本人は約2万人居住している。
香港返還時、約617万人だった人口が80万人以上の本土からの移民により増加している。香港大学アジア太平洋研究センターの鄭宏泰助理教授は「中国本土からの移民人口を総合すると、2001年時点の香港総人口の約1割に当たる」と指摘する。
行政区分
詳細は「香港の行政区画」を参照
香港には、18の行政上の下部地域がある。1982年に区議会が設置されたのが、区の由来である。その後、九龍地区(九龍地區)から新界への人口移動に伴い、区の再編が行われている。1985年に、荃湾区から葵青区が分離した。1994年には、油尖区と旺角区が合併し、現在の油尖旺区となった。
香港のニュータウン
詳細は「香港のニュータウン」を参照
政治
詳細は「香港の政治」を参照
香港の政治の特徴は香港主権移譲後に施行された一国二制度にある。これはイギリス時代の行政・官僚主導の政治から、一定の制限の下での民主化および政党政治への移行期にあたり、また社会主義国である中華人民共和国の中で2047年まで資本主義システムを継続して採用されることになっている。
1997年に中華人民共和国に主権移譲された香港は香港特別行政区として改編され同特別行政区政府が即日成立した。香港特別行政区は中華人民共和国において省や直轄市と同等の地方行政区とされる。しかし中華人民共和国憲法31条および1990年に制定された香港特別行政区基本法に依拠し返還後50年間自治権の付与と本土と異なる行政・法律・経済制度の維持が認められている。また「中国香港」の名称で経済社会分野における国際組織や会議への参加も認められている。
しかし香港は「高度な自治権」を享受しているが、「完全な自治権」を認められているわけではない。首長である行政長官は職域組織や業界団体の代表による間接選挙で選出されることになっており、その任命は中国中央政府(国務院)が行う。
現在行政長官ならびに立法会議員の直接普通選挙をどの時期に開始するかが議論になっており、民主派は2012年からを、親中派は2024年からをそれぞれ主張している。長官選については、2007年12月29日に中国全国人民代表大会常務委員会より2017年に実施される選挙において直接選挙を先行実施することを容認する方針が出されたが、立法会議員の直接選挙については時期について言及されていない。
司長や局長(英語ではいずれもSecretary、閣僚に相当する)は行政長官の指名により中国政府が任命する。行政長官と司長局長クラスのみは中国籍の人物でなければ就任できないが、それ以外の高級官僚(部長クラスなど)にはイギリス人や英連邦諸国出身も少なくなく、新規採用も可能である。
また、香港基本法の改正には全人代の批准が必要であり、香港内では手続きを完了できない。また同法の解釈権も中国全人代常務委員会が有しており、全人代に基本法の制定権と解釈権が帰属するために、2007年の完全民主化要求を事実上阻止した2004年4月の全人代による基本法解釈のように、恣意的な解釈も可能である[要出典]。香港の司法府である終審法院の裁判権は香港内の事案に限定され、香港が独立という選択肢をもたない従属領域であり、また中国当局がそれを防ぐため香港に完全な自治権を与えないとの方針を有していることに由来する[4]。
司法
詳細は「香港司法機構」を参照
中華人民共和国内とは異なり、『香港特別行政区基本法』に基づき、英米法(コモン・ロー)体系が施行されている。基本法の規定により、中華人民共和国内の法律は「別段の定め」がない限り香港では施行されない。よって、基本法の解釈問題以外の法体系はイギリス領時代と全く同一である。したがって、死刑制度も存在しない。
さらに、主権移譲によりイギリス領ではなくなったためにロンドンに終審法廷を求めることはできなくなった。そのために1997年7月の主権移譲と同時に裁判も原則として、香港域内で完結する必要性が生じた。そのため、主権移譲後、最高裁判所に相当する終審法院が設置された。この時点で新たに設置の終審法院の判事のために5名以上のベテラン裁判官がイギリスから招聘された。主権移譲後の司法体制のために旧宗主国から高官にあたるイギリス人の人材を新たに招くという「珍事」は中華人民共和国が英米法を厳格に適用するための人材について不足していることを率直に認めたことを現しており、意外な「柔軟性」あるいは「現実適応性」を持つ面を確認する事象であったといえる。
終審法院の下には高等法院(高裁)、区域法院(地裁)、裁判法院(刑事裁判所)などがある。裁判は三審制である。ただし、基本法の「中央に関する規定」および「中央と香港の関係にかかわる規定」につき、条文の解釈が判決に影響を及ぼす場合、終審法院が判決を下す前に全人代常務委員会に該当条文の解釈を求めることとされる。
対外関係
詳細は「香港の対外関係」を参照
香港の外交権は中華人民共和国中央政府に帰属するが、基本法の規定により香港特別行政区は経済社会分野の条約の締結、国際会議や国際機構への参加が認められている。外交実務に関しては外交部駐香港特派員公署が設管轄している。
経済分野では香港政府による独自の在外駐在機関を設されている。国外の香港経済貿易弁事処は工商及科技局下の工業貿易署の、中華人民共和国本土にある駐広東香港経済貿易弁事処および香港特別行政区政府駐北京弁事処は政制事務局の管轄されている。香港経済貿易弁事処の実務は工商及科技局本来の業務範囲を超えた活動を行っているため、政制事務局が実質的に香港の対外事務を扱っていると考えられる。
香港域内でも香港政府に外交権限がないことの不利益が次第に認識されている。香港特別行政区政府駐北京弁事処も以前は政務司長(政務長官)の管轄であったが、2005年の行政長官施政方針において対中央(中華人民共和国本土)政策を政制事務局に集中させる方針が出され現在の形態となった。
なお、中華人民共和国と対立している中華民国(台湾)の航空機や船舶の香港乗入れや、同国民の香港への渡航条件は返還前同様であるが、航空機や船舶に同国の国旗である「青天白日満地紅旗」を掲揚、塗装することは事実上禁止されている。香港人が中国本土へ入国する時に必要なビザに相当する回郷証については民主化運動の関係者の取得が制限されている。
返還以来、中国本土の大幅な経済成長により民間交流は活発化している。例えば中国から香港大学へ入学した中国人が香港の大学に入学しその4割が香港で就職、香港から中国本土の大学に入学し就職する香港人が6割という現象が起きている[5][6][7]。広東省の曁南大学で学ぶ香港人学生はこれまで80%の卒業生が香港での就職を希望したが、2009年になると50%が本土での就職を希望している。香港男性と大陸女性の婚姻件数は1996年の2,215件から2006年の18,000件となり、香港女性と大陸男性の婚姻件数も1996年の269件から2006年の3,400件と大幅に増加している。2006年には香港の婚姻件数5万件のうち4割が香港人と大陸人の婚姻となっている。また男女の人口比率は2007年には912:1000であったが、30年後には大陸女性が香港男性と婚姻し定住する案件が増加するため709:1000となる推測も出されている[要出典]。
購買力が高い香港ではメイドを雇用する家庭が多く、その働き手として15万人のフィリピン人が香港に在住している。しかし1990年代にも香港のコンドミニアムで“フィリピン人メイドと犬の使用禁止”の張り紙が貼られ、2009年に香港の著名コラムニストが南シナ海南沙諸島領有権問題に絡んでフィリピンを「召使いの国」と揶揄するなど、香港人の差別意識が問題となっている。
一方大陸から香港への観光客は近年飛躍的増加し最大の観光客となっている。特に香港との経済格差が小さい深圳では非戸籍者へのビザ取得規制が大幅に緩和され、リピーターが増加している。
軍事
主権移譲前はイギリス軍が昂船洲(ストーンカッタース)や赤柱(スタンレー)などの基地に正規兵のほかにグルカ兵などの傭兵を含む海軍、陸軍部隊(駐香港イギリス軍)を駐留させていた。同司令官は香港総督の下に位置した。
主権移譲後にはイギリス軍に替わり人民解放軍駐香港部隊が駐留している。人民解放軍駐香港部隊の司令部は、主権移譲前まではイギリス軍の司令部が置かれていたセントラルのプリンス・オブ・ウェールズ・ビル(現在は「中国人民解放軍駐香港部隊大廈」)にある。人民解放軍駐香港部隊司令官は、中央軍事委員会および国務院国防部の下にある。香港行政長官には部隊への指揮権がない。
基本法の規定により、イギリスやイギリスの同盟国であるオーストラリアやアメリカを含む外国艦艇の休暇上陸(レスト&レクリエーション)を含む寄港は主権移譲後も中央政府の同意を経て可能とされている。ただし、中央政府の意向により寄港が許可されないケースもある。
経済
詳細は「香港の経済」を参照
2010年のGDPは約2264億ドル(約18兆円)であり[8]、福岡県とほぼ同じ経済規模である[9]。
東京・シンガポール・上海などアジアのライバル都市を大きく引き離し、ロンドン・ニューヨークと並ぶ『世界三大金融センター』との評価を確立しており[2]、世界屈指の世界都市としてその重要性を増している。17年連続で『世界で最も自由な経済体』に選出されているように[10]、経済形態は規制が少なく低税率な自由経済を特徴とする。食料や日用品などの対外依存度が高い。もともとイギリスの対中国貿易の拠点であったことから中継貿易が発達していた。1949年に中華人民共和国が成立すると、大陸から多くの移民が香港に流入、それを安価な労働力として活用することで労働集約型の繊維産業やプラスチック加工などの製造業が発達した。
1970年代からは、香港政庁が新界における住宅団地開発や交通インフラ整備などに着手(詳細は積極的不介入を参照)、香港経済は急速な発展を遂げる。しかし1970年代後半になると労働コストの上昇や工業用地不足などの問題が顕在化してきた。そして中華人民共和国の改革開放政策により1980年代からは従来の製造業は広東省の深圳市や東莞市を初めとする珠江デルタへと移転、香港は中華人民共和国を後背地とする金融センター・物流基地へ転換した。
1997年の返還後は中華人民共和国本土への経済的依存は強まり、2003年には中国本土・香港経済連携緊密化取決めの第一段(CEPAI)が中華人民共和国本土と香港の間で調印され、その後も補充協議が実施・締結されている。さらに広東省のイニシアティブによる汎珠江デルタ協力(9+2協力)にも参加している。
なおイギリス時代から完備された法体系や税制上の優遇措置、高い教育水準を有し英語話者が多数であることから、賃貸物件賃料が世界最高水準であるにもかかわらず、アジア市場の本社機能を香港に設置する欧米企業が多く存在する。
香港のGDPの80%をサービス産業が占める。また観光産業がGDPの約5%を占める他、古くから映画産業が盛んである。香港経済界の代表的人物は長江集団を率いる李嘉誠である。
地価が高いこともあり、香港はアジアを代表する都市国家であるシンガポールと共に物価高の傾向があり、商品や為替変動によっては東京の消費者物価を上回ることがある。また香港はマカオ、シンガポール、ブルネイとともにすでに日本の購買力を上回っている。
企業
「香港の企業一覧」も参照
電力や通信などの社会インフラ企業をはじめ建設や運輸、金融や流通、サービス業や報道機関まで、様々な業種の大企業が揃っており、東南アジアや中華人民共和国、日本へ進出している企業も多い。
主な財閥、企業グループは、イギリス系、華人(香港人)系、中華人民共和国本土系の3つに大まかな分類ができる。華人系には長江集団(長江集團)や会徳豊などがある。また、伝統的にはイギリス系のジャーディン・マセソンやスワイヤー・グループ、香港上海銀行が有力だが、前二者は1970年代以降、ハチソン・ワンポアなどの華人系財閥による買収などで勢力を縮小させている。さらに中華人民共和国本土系の企業としては、華潤集団、招商局集団、中国銀行・香港分行、中国旅行社やCITICがある。
金融
2011年9月、英国のシンクタンクのZ/Yenグループが公表した「世界金融センター指数」によると、香港はロンドン、ニューヨークに次ぐ世界第3位である[2]。保険部門ではロンドンやニューヨークを抑え、世界第1位となっている。
貨幣・金利
貨幣である香港ドルは、イギリス系の香港上海匯豊銀行(HSBC)とスタンダードチャータード銀行(香港渣打銀行)、中国銀行 (香港)の3行の商業銀行によって発行されている。ただし、10香港ドル紙幣の一部と硬貨は、香港金融管理局が発行している。また、イギリスの植民地時代に発行されたエリザベス2世女王の横顔入りのコインも引き続き使用している。
なお、主権移譲後の2001年に金利が自由化されたものの、2005年5月18日にアメリカドルとのペッグ制から目標相場圏制度に移行されたことにより、金利は基本的にアメリカ合衆国の金利動向に追従する。
- 外貨準備高
- 1,360億USドル(2007年5月末、世界第9位)
証券
主要な証券取引所として、1891年に開設された香港証券取引所(香港交易所/Hong Kong Stock Exchange)があり、東京証券取引所やシンガポール証券取引所と並び、アジアを代表する証券取引所となっている。市場の動きを表す指数として、代表36銘柄を対象として時価総額加重平均で算出した「ハンセン指数(恒生指數/Hang Seng Index)」がある。
- 株式市場
- 上場株式時価総額:1兆6,922億USドル(2007年2月)
運輸
- 海運
- コンテナ取扱量 1,914万TEU(20フィートコンテナ換算,2002年)
- 空運
- 取扱貨物 248万トン(2002年)
建築
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超高層建築
香港では、特に中心部の市街である香港島北部において、山がちで狭い地勢からヴィクトリア湾沿いに超高層建築が林立している。1972年に建てられた中環のジャーディン・ハウス(怡和大廈/Jardine House: 地上52階建/高さ178.5m)を皮切りに、現在では世界第4位の高さを持つ西九龍 (West Kowloon) 地区ユニオンスクエアの環球貿易広場(International Commerce Centre:地上118階建、高さ484.0m)や、2003年竣工でシーザー・ペリ設計による国際金融中心・第二期(地上88階建、高さ415.8m)を筆頭に数多くの超高層建築が見られる。
中には1985年竣工のノーマン・フォスター設計による香港上海銀行・香港本店ビルや、1988年竣工のポール・ルドルフ (Paul Rudolph) 設計によるリッポーセンター(力寶中心:Lippo Centre)、1990年竣工のイオ・ミン・ペイ設計による中国銀行タワーなど世界的に著名な建築も含まれる。
加えて香港島の向い、ヴィクトリア湾を挟んだ九龍半島側にも超高層建築郡ができつつある。これは九龍市街の埋立てが近年急速に進んだこと、そして1998年に九龍灣地区にあった啓徳空港が廃港となり、同空港への航路であった九龍上空の建設規制が大幅に緩和されたことによる(『再開発』の項で詳述)。
香港における超高層建築の集積率はアメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン地区を抜き、現在は世界で最も多い。
主な香港の超高層建築は次の通り。
- 主な超高層建築
- 環球貿易広場 (International Commerce Centre) :地上118階建・高さ484.0m…2010年竣工/箇所:西九龍
- 国際金融中心・第二期 (Two International Finance Centre) :地上88階建・高さ415.8m…2003年竣工/箇所:中環
- セントラルプラザ地上78階建・高さ374.0m…1992年竣工/箇所:湾仔(灣仔)
- 中国銀行タワー:地上72階建・高さ367.4m…1990年竣工/箇所:金鐘
- ザ・センター:地上73階建・高さ346.0m…1998年竣工/箇所:上環
- ニーナタワー :地上80階建・高さ318.8m…2006年竣工/箇所:荃湾(荃灣)
- 港島東中心 (One Island East) :地上70階建・高さ308.8m…2008年竣工/箇所:太古
- 長江センター:地上63階建・高さ282.9m…1999年竣工/箇所:金鐘
- ハイアットリージェンシー香港:地上64階建・高さ261.0m…2007年竣工/箇所:尖沙咀
またビル建設時に用いる作業員の足場として、ほとんどの建設現場で大量の竹材が使用される。これは香港に隣接する広東省などで、丈夫で安価な竹が大量に入手できることによる。この竹材の足場を用いて高層ビルを建設すると言う方法は香港の他、中華民国やマカオ特別行政区、中華人民共和国本土などで見られ、中華文化圏を中心としたアジアの一部地域特有の光景である。
再開発
近年は啓徳空港が廃止されランタオ島沖の新香港国際空港に移転したことで、これまで啓徳空港への着陸時の航路となっていた九龍地区の高さ規制が外され再開発事業が活発に行われている。九龍・尖沙咀の『ペニンシュラホテル(半島酒店)』のタワー棟や九龍・旺角地区の『ランガムプレイス』(朗豪坊:Langham Place、地上59階建て、高さ255.1m)などはその代表格である。
また西九龍地区ではオフィス、住居、ショッピングモール、ホテルなどを兼ね備えた巨大複合施設の『ユニオンスクエア』 (Union Square) が建設され、ここに隣接して『西九龍文化施設群』 (West Kowloon Cultural District Project) と呼ばれる現代美術館や劇場、ホール、展示場、スタジアムなどを兼ね備えた文化施設が建設される計画である。啓徳空港跡地のある九龍城地区や九龍湾地区では空港用地跡の敷地を利用し、オフィスと住居を主体とした複合施設を建設する計画がある。
香港島北部の市街地、特に灣仔地区でも環境整備と言う名目で再開発が進められているが、ここでは古くからの街区と言うこともあり抗議活動が展開され、急激な開発は元来居住している住民の同意を必ずしも得られていない実情も垣間見られる。
住居
伝統的な村落の形式は、外部の者の攻撃や盗難を防げる『圍』(ワイ)と呼ばれる城壁の中に切妻の家を立てるのが普通であった。この形式は、現在も新界の客家集落に一部残されている。また、現在では見掛ける機会はほとんど無くなったが、香港島南部の香港仔や九龍の深水埗、新界の西貢などでは、古くから蛋民などと呼ばれる、水上生活を営むものも見られた。
イギリスの統治が始まると、洋風建築もでき、第二次世界大戦以前の中心地区ではコロニアル・スタイルの建築が印象的だったが、大戦以後は国共内戦後の中華人民共和国からの難民によって建築様式が変更された。
1950年代までは1階が店舗で、2階が住居である伝統的なショップハウスと呼ばれるスタイルを踏襲していたが、1950年代以降はそれまでのショップハウスの柱廊を取り払い、中層化したペンシルビルになった。また急激な人口増加に対応するため、1950年代から1960年代には九龍などの郊外に、政庁はプレハブ方式による下層が工場、上層がアパートである同規格の建築群を大量に建設した。また香港への難民の流入による住居の特異な例として、九龍の九龍城地区に存在し1994年に取り壊された、九龍寨城などの例も挙げることができる。
この時期までの、香港の住環境は必ずしも良好と呼べるものではなく、この状況を改善するべく1980年代以後は政庁主体で計画的な大規模開発が行われ、低層部に商業施設を造り、その上に庭園付きの高層住宅を造るスタイルが一般的になった。
現在では、政府と民間開発業者の主導で九龍地区や新界地区の沙田、元朗、将軍澳、青衣、そしてランタオ島の東涌などを中心に超高層住宅を伴う大規模なニュータウンが建設され、同時に鉄道網も整備されている。また、香港島や九龍地区などでも超高層マンションが数多く建設されており、中には高さが250mを超える建物も幾つか完成している。 この事から「日本の住宅がウサギ小屋なら、香港は蜂の巣だ。」と言われるようになった。
香港の住宅価格は非常に高く、ニューヨークやロンドン、東京など世界的に高値と認識されている都市の水準に迫るか、場合によってはそれを上回る価格で取引が行われることもある。これはオフィスや工業用地など、香港の不動産全体に対し共通して言える現象でもある。
香港は元々狭小な領域しかない上、山がちで不動産開発の容易な平地が少なく、また駐車場用地や関税の問題から自家用車などの容易な所有が難しいため、公共交通機関の発達している市街中心部や要衝へと需要が集中している。このため不動産の価格が押し上げられ、結果的に海岸部の埋立てが加速的に進み、市中に超高層建築が林立した。半山区や跑馬地などの高級住宅地では、隣接する山地の中腹に山自体を越える様な高さの超高層住宅を建設することも珍しくない。
- 香港の主な超高層住宅
- 天璽 (The Cullinan):地上68階建・高さ269.9m…2009年竣工/箇所:西九龍
- 擎天半島 (The Sorrento) :地上74階建・高さ256.3m…2003年竣工/箇所:西九龍
- 君臨天下 (The HarbourSide) :地上74階建・高さ255.0m…2003年竣工/箇所:西九龍
- 曉盧 (Highcliff) :地上74階建・高さ252.4m…2003年竣工/箇所:跑馬地
- 海名軒 (Harbourfront Landmark) :地上66階建・高さ232.6m…2001年竣工/箇所:紅磡
- 凱旋門 (The Arch) :地上65階建・高さ231.0m…2005年竣工/箇所:西九龍
観光
観光産業が経済的に大きな位置を占めるということもあり、香港政府観光局や、フラッグ・キャリアのキャセイパシフィック航空を中心に海外での宣伝、観光客の誘致活動が大々的に行われており、現在、観光親善大使を香港出身の映画俳優であるジャッキー・チェンが務めている。
香港島中西区には香港上海銀行や中国銀行・香港分行、国際金融中心などをはじめとする超高層オフィスビルやホテルが、九龍城区、油尖旺区等の繁華街には大規模なショッピングモールや様々な様式のレストラン、高級ブランドのブティックやエステサロンなどが立ち並び、活況を見せている。
また、古くから『100万ドルの夜景』の異名を持つほど夜景が美しいことで世界的に知られており、特に香港島のビクトリア・ピークからの夜景や、油尖旺区のビクトリア・ハーバーにあるウォーターフロント・プロムナード近辺や、周辺のホテルの客室やバーから見る香港島の夜景は壮観である。12月のクリスマスシーズンから旧正月にかけては、ビクトリア・ハーバー沿いに建つビルに特別のイルミネーションが施される。
郊外や島嶼部に行くと昔ながらの風景を楽しむことができる他、自然が多く残されており、ハイキングなどを楽しむことができる。また、2005年9月に香港の新たな名所としてランタオ島に香港ディズニーランドがオープンした。
1960年代より映画産業が盛んであったこともあり、現在も香港映画の多くにこれらの観光名所が登場する他、日本やアメリカの作品においてもこれらの観光名所が登場することも多く、観光客誘致に一役買っている。
近い上に観光資源が豊富なことから、1970年代の海外旅行ブームのときより日本人の間で人気の旅行先としての地位を保っている。また、それに対し近年は日本が香港市民の人気の旅行先として定着しており、当初は東京(東京ディズニーランドや原宿など)を主な旅行先とするケースが多かったものの、近年は東北地方の温泉地巡りや北海道でのスキー、大阪や九州のテーマパークなど、その目的地が日本全国へと広がっており、香港市民の日本へ対しての興味の幅広さがうかがわれる。
観光スポット
- 香港島
- レパルスベイ(淺水灣)
- スタンレー・マーケット(赤柱市場)
- アバディーン(香港仔)
- ディープ・ウォーター・ベイ(深水灣)
- ジャンボキングダム(珍寶王國)
- オーシャンパーク(香港海洋公園)
- 石澳郊野公園
- 大潭郊野公園
- 香港仔郊野公園
- 大潭郊野公園
- 龍虎山郊野公園
- 九龍
- 香港島・九龍間
- ビクトリア・ハーバー(維多利亞港)
- スターフェリー(天星小輪)
- ビクトリア・ハーバー(維多利亞港)
- 新界
- 離島部
- ランタオ島(大嶼山)
- 香港ディズニーランド
- ゴンピン360(昂平360)--ロープウェー
- DDeck(ディスカバリー・ベイのレストラン街)
- 宝蓮寺
- 大嶼山郊野公園
- 梅窩
- ラマ島(南丫島)
- 長洲島
- ランタオ島(大嶼山)
ホテル
コンデナスト・トラベラーやインスティテューショナル・インベスターなどのホテルランキングで高い評価を受ける超高級ホテルや国際的チェーンホテルから、長期滞在者向けの低価格宿泊施設までさまざまなホテルが揃っている。
- 香港島
- マンダリン・オリエンタル香港(香港文華東方)
- ザ・ランドマーク・マンダリン・オリエンタル(置地文華東方酒店)
- グランドハイアット・香港(香港君悅酒店)
- アイランド・シャングリラ(港島香格里拉大酒店)
- コンラッド・香港(香港港麗酒店)
- フォーシーズンズ・ホテル・香港(香港四季酒店)
- JWマリオットホテル香港(香港JW萬豪酒店)
- ルネッサンス・ハーバービュー・ホテル・香港(香港萬麗海景酒店)
- エクセルシオール香港(香港怡東酒店)
- ル・メリディアン香港・サイバーポート(藪碼港艾美酒店)
- 九龍
- ザ・ペニンシュラ香港(香港半島酒店)
- カオルーン・シャングリ・ラ ホンコン(九龍香格里拉大酒店)
- インターコンチネンタル香港(香港洲際酒店)
- シェラトン・香港(香港喜來登酒店)
- ホテル・ニッコー・ホンコン(香港日航酒店)
- グランド・スタンフォード・インターコンチネンタル(海景嘉福酒店)
- ホリデイイン・ゴールデンマイル(金域假日酒店)
- マルコポーロ香港(馬哥孛羅香港酒店)
- ハイアットリージェンシー香港(香港凱悅酒店尖沙咀)
- ザ・ランガムホテル香港(朗庭酒店)
- ランガムプレイスホテル香港(朗豪酒店)
- W香港
- ザ・リッツ・カールトン香港-九龍(香港九龍麗思卡爾頓酒店)
- 重慶大廈 -- ゲストハウスなどが多く集まった雑居ビル
- 新界
- ハイアット・リージェンシー香港 - 沙田(香港凱悅酒店 - 沙田)
- リーガル・エアポート・ホテル(香港富豪機場酒店)
- スカイシティ・マリオット香港(香港天際萬豪酒店)
- ノボテル・シティゲート・香港(香港諾富特東薈城酒店)
- 香港ディズニーランド・ホテル(香港迪士尼樂園酒店)
交通
詳細は「香港の交通」を参照
通信
香港では郵便、電話、インターネットなど地球上で使用可能な通信手段は概ね全て享受でき、サービス品質も世界の国と地域の中で最も高い部類に入る。ただし、電報は利用者が減り、サービスが終了した。電話に措いては多数の通信運営会社が設立され、各社の自由な競合の結果、香港の固定電話や携帯電話市場で消費者は安価で良質なサービスが受けられるようになっている。
郵便
香港での郵便事業は香港郵政 (Hongkong Post) が行っており、これはイギリス統治時代から引き継がれたものである。1997年の中華人民共和国への主権移譲後も、中国郵政とは切り離して運営されている。ただし主権移譲にあたっては、香港郵政のCIが変更されるなどの変化が見られた。現在、香港にある郵便ポストの色は『深緑』であり、これはコーポレートカラーにもなっている(イギリス統治のロイヤルメール時代は、香港郵政のコーポレートカラーは『赤』であった)。万国郵便連合 (UPU) に準拠する。
電話
固定電話
固定電話同士の市内間通話料金は、基本的に無料である(データ通信は課金対象となる)。香港の固定電話事業のサービスは数社が行っている。最大手は電訊盈科(PCCW)で、その後に和記電訊 (Hutchison Telecom) や新世界電訊 (New World Telecom) などが続く。香港では固定電話にもナンバーポータビリティ制度が存在するため、各社の競合が見られる。
- 香港の主な電話会社
- ※2007年6月現在。
国際電話に至っては、香港ではその運営会社が数十社があると言われており、料金からサービス品質まで、消費者にとっては様々な選択が可能となっている。
市内には公衆電話が多数設置されている。中には、クレジット機能を持つIDカードが使用できたり、公衆電話端末の液晶ディスプレイからインターネットを閲覧できる高機能型のものもあるが、携帯電話などの普及によりその数は減少傾向にある。
携帯電話
現在香港では、多数の携帯電話運営会社が乱立している状態にあり、その中で競合が激化している。香港の携帯電話普及率は概ね人口比の8割~9割で、世界で最も高い水準にある。各社とも電波受信エリアの人口カバー率はほぼ100%であり、地下鉄やトンネル、超高層ビルなどを含む香港のほとんどの箇所で発着信が可能である。
- 香港の主な携帯電話会社
- 3香港(和記電訊(香港)有限公司:Hutchison Telecommunications (Hong Kong) Limited)
- SmarTone-Vodafone(數碼通電訊集團有限公司:SmarTone Telecommunications Holdings Limited)
- CSL New World Mobility Limited
- 中國移動香港(中國移動香港有限公司:China Mobile Hong Kong Company Limited、元萬眾電話)
- PCCW Mobile(電訊盈科有限公司、PCCW Limited)
- ※2008年3月現在
香港で最も使用されている携帯電話は、第二世代携帯電話 (2G) と呼ばれるGSM方式である。現在、UMTS・CDMA方式などの第三世代携帯電話 (3G) へ徐々に切り替えが移行している。月極めによる一般的な契約形態に加えて、プリペイド式携帯電話の様な前払い料金制での契約も多い。
香港の携帯電話では、欧米諸国と同様に着信にも課金が行われる。
また、日本国内で契約された国際ローミングを対象としている携帯電話(またはPHS端末)のうち、香港で使用可能なローミングサービスはNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルの4社から提供されている(ただし、3G(WCDMA、HSDPA)やGSM方式の携帯電話端末限り)。国際ローミングを対象としていない日本の携帯電話は、香港では使用できない。
日本国内で契約された国際ローミングを対象としている携帯電話の通話料金は非常に高いため、香港によく渡航する人はプリペイド式携帯電話を香港で購入した方が経済的。空港やコンピニなどで各社プリペイドSIMカードを購入するにはパスポート不要。月額式の加入契約にはパスポート(或は香港身分証)と住所証明書のみ必要(住所証明書不要の場合もある)。香港以外に渡航した場合でも、渡航した国にてSIMカードを購入すれば日本、韓国以外の全世界で利用可能。
なお、法律上オーストラリア・イタリアなどと同様に香港で販売されている携帯電話には、電話会社を限定させるSIMロックがかかっておらず、iPhoneを始め様々なSIMフリーの電話機が流通しているため、日本を始め世界各国で人気が高い。また、各国の様々なSIMロックのかかった電話機のロックを外すサービスも数多く存在する。
インターネット
香港でのインターネット接続は、普及率の高いケーブルテレビやADSLなどのブロードバンドが主流である。また、FTTH(光ファイバー接続)も普及してきている。香港のインターネット普及率は、概ね8割程度と高水準である。数多くのサービスプロバイダーが事業を展開しており、日本の企業ではSo-netやNTT、KDDIなどが進出している。
香港では個人のインターネット普及率が高く、市街の至る箇所に、無料で使用できる無線LANのGovWiFi、プロバイダー系のホットスポットが設置されている。宿泊施設では、高級ホテルから、ゲストハウスと言われるバックパッカー用の安宿まで、無料の無線LANが普及している。
1997年の『一国二制度』の方針により特別行政区として高度な自治権を有する香港では、中華人民共和国政府によるインターネット接続のいかなる言論及び表現の規制や統制、監視も行われない事となっており、現在はその方針が遵守されている。ただし、香港の捜査当局が犯罪捜査のため盗聴を行うことは一定程度認められている。
この一国二制度の遵守により香港は、中華人民共和国領内に及ぶ広域ファイアーウォールである『金盾』のネットワークからはマカオ特別行政区と共に除外され、イギリス統治時期同様に日本や欧米各国と変わらない自由で干渉のない情報交流の環境が整えられている。またこれとは逆に、本土側から閲覧や検索のできない香港のニュースメディアやサイトが多数存在する事が確認されている。
WWWにおける、香港の国別コードトップレベルドメインは『.hk』である。香港で登録されるウェブサイトの中で、現在ではセカンドレベルドメインによるものが最も一般的となっている。
報道・メディア
香港基本法は言論および報道の自由や通信の秘密を規定している。言論及び報道の自由が極度に制限されている中華人民共和国本土と異なり、香港基本法の存在のためにこれらの規定は比較的遵守されている。ただし、広告主となる企業の多くは、中華人民共和国本土で活動するうえで、中央政府の意向を気にせざるを得ない。香港経済における本土系企業のプレゼンスも増大している。そのため、広告収入に依存するメディアには、自主規制する傾向が出ているといわれる。また、有力なメディアが中華人民共和国よりの企業に買収されるケースも起こっている。低価格路線が、独立したメディアの存続を危機にさらし、広告収入への依存を強めているという側面もある。
新聞
主な新聞には、中道および右派として『信報財経新聞』、『明報』、『東方日報』、『蘋果日報』などがある。『蘋果日報』が最も中国共産党政府に批判的といわれるが、最近は遠慮がちになってきたとも言われる。『信報財経新聞』は経済専門誌、『明報』は高級紙だが、それ以外は日本のスポーツ新聞に近い内容が多い。一方、左派の新聞としては、『文匯報』『大公報』『香港商報』などがある。左派の新聞は、一般読者が少ないものの、中国共産党政府の強い影響下にあり、本土系企業の広告収入も多く得ているといわれる。
英字新聞としては、歴史ある「サウスチャイナ・モーニングポスト(South China Morning Post)」がある。
こららの新聞は、街のブックスタンドで発売されている。またブックスタンドでは、香港で印刷されている日本を始めとする世界各地の新聞や競馬新聞、各種雑誌類を発売している。
テレビ
詳細は「香港のテレビ局一覧」を参照
地上波では、無綫電視(TVB)と亜州電視(ATV)の2局があり、広東語と英語による放送が各2チャンネルずつ、合計4チャンネルである。また最近、両局のハイビジョン専門チャンネルも新設された。この他、ラジオ局である香港電台がテレビ番組を制作しているが、自前のチャンネルは無い為、TVBとATVの2局に放送を委託している。またケーブルテレビ局が数局存在しており、多くの視聴者を獲得している。
広東語放送はマカオや広東省各地で受信されているだけでなく、マレーシアやシンガポール、オーストラリアでも一部番組が放送されており、香港文化伝播のメディアとなっている。鳳凰衛視など香港に拠点を置く衛星放送チャンネルもあるが、法規制を受けて英語または北京語(普通話)で放送している。中国国内の衛星放送もおおむね受信可能であるが、個人で受信する例は少ない。
主なホテルでは、客室で日本のNHKの国際放送(NHKワールド)や、フジテレビや日本テレビなどの民放、BBCなど欧米の衛星放送、中華人民共和国本土を含むアジア各国の番組を見られるようにしている例が多い。
地上波放送については、香港政府が新たに放送免許を与える計画があり、ケーブルテレビ局が参入を目指している。
言語
公用語
公用語は英語と中国語であるが、事実上の共通語は、方言の一つである広東語である。人口の 95.2%が広東語を常用もしくは理解し、38.1%が英語を常用もしくは理解する。英語は中国語に対する上位言語であり、イギリスの統治が始まってから1974年までの間、唯一の公用語とされていたが、中国語(普通話に近い形で書いて広東語で発音する)も事実上の公用語であった。香港が中国に主権移譲された後(1997年以降)は、香港特別行政区基本法第9条により、香港の行政・立法・司法の場において、中国語に並ぶ正式な言語として英語を用いることができると規定されている。なお、香港で最も広く用いられている言語が広東語であるのは前述のとおりであるが、基本法同条の規定では単に「中国語」(中国語:「中文」、英語:「Chinese language」)とのみ書かれており、普通話・広東語の別については規定されていない。
香港はイギリス領(植民地)であると同時に国際自由港であるため社会的上昇の手段として英語の習得は重要であり、英語教育の指向性は高かった。2003年より、学科の内容理解を深めることを目標に、中学・高校で広東語を用いて授業を行なうことを奨励する政策(母語教学)を実施しているものの、英語力が低下する恐れがあるため、数多くの保護者に歓迎されていない。
中華人民共和国の改革開放政策により、1980年代後半から中華人民共和国との往来が盛んになったことから、普通話(北京語をベースにした中国語の共通語。「国語」とも呼ぶ)が普及しつつある。かつては北京語で授業を行う学校は、中国共産党系ないしは中国国民党系の学校だけであったが、中華人民共和国への主権移譲を控えた1990年代からは、大部分の小中学校で普通話会話の授業を導入している。主権移譲後、政府の会議も、北京語の同時通訳が用意されるのが当たり前になっている。
一般的に中国語は繁体字で表記されるが、中国主権移譲後、政府関係の資料は簡体字でも提供される例が増えている。香港では広東語を表記するための方言字も多く使われており、政府も香港増補字符集という文字セットを制定している。
歴史上の経緯から、香港で使われている英語はイギリス英語の影響を強く受けている。そのため、日本でよく目にするアメリカ英語による表記と比べて、例えば下記のような違いがある。
- "centre"、"colour"など、単語の一部がイギリス風の表記をされる場合が多い。
- 建物の階層の数え方は、地上階(日本の1階)を"ground floor (G/F)"と呼び、その上の階層を"first floor (1/F)"、"second floor (2/F)"…の様に数える。
- 「地下道」を"subway"、「エレベーター」を"lift"、「小学校」を"primary school"と呼ぶ(アメリカ英語: "underpass"、アメリカ英語: "elevator"、アメリカ英語: "elementary school")。
他の言語
広東語以外の中国語集団としては、北京語、客家語、潮州語、上海語、閩南語などを母語とする人たちがいる。また、香港手話を母語とする中国系の人たちがいる。外国出身者では、タガログ語、インドネシア語、ヒンディー語、日本語、タイ語などを母語とする人たちが比較的多い。
香港における人名
かつてイギリスを宗主国としていたことから、香港には本名とは別に英語名を持つ者が多く存在する。 これは、例えば「陳(チャン・Chan)」と「張(チャン・Cheung)」の様に中国語の人名が英語を母語とする者にとって区別が困難であったり、発音し難いものであったりするために個人識別の補助手段としてイギリス人が現地人の使用人や生徒等に名付けたのが起源であるとされている。[要出典][11]
香港人の名乗る英語名のほとんどは、役所への届出を経て名付ける正式な名前では無く通称のようなものである。例外として、中国語圏以外に出自を持つ香港人が中国語名と外国語名を共に正式な名前とする場合などがある。IDカードやパスポートなどへの記載は各自の選択に任されている。またそれ故、自由に名乗り、名乗ることを止め、または改名することができる。
香港人の英語名は、学校で英語の授業を受ける際に教師などによって名付けられたり、家庭によってはそれ以前の幼少期から本名と並んで名付けられたりする。ほかに、欧米人とのビジネスの機会が多いなど、仕事上の必要に応じて自ら名乗るケースもある。もちろん、その者の社会的な地位や考え方などによっては英語名を持たない場合もありうる。
具体的な名乗り方は、多くの場合「英語名-姓」の順である(例:陳港生(本名)=ジャッキー(英語名)・チャン(姓)/日本ではジャッキー・チェン)。会話上では英語名のみで呼び合うことが多い。ビジネスの名刺など、中国語名と姓名のアルファベット表記を併記する様な場合は、漢字で本名を記載し、それに併せて「英語名-名(または名のイニシアル)-姓」(例:張卓立・Charles C.L. Cheung)と記載する。また、姓を中央に配置した表記も見られる。
欧米圏の言語を母語としない者が欧米風の名を名乗る他のケースにクリスチャンネームがあるが、前述のとおり香港人の英語名はこれとは別の由来によるものが多く、英語名を名乗っていることとその者の信仰には関係が無い場合が多い。もっとも、実際のクリスチャンネームをそのまま使用している人もいる。
香港人の中には花の名前やトマトやフルーツなど野菜や果物の名前などを英語名として使っている者もいるし、自分の名前を英訳したものを英語名としている者もいる。 また最近では、日本ブームにのり、一部の親日香港人の間で、日本風の名前をファーストネームにする例も見られる。
教育
「香港の教育史」、「香港日本人学校」、および「香港の教育」も参照
学年度は9月に開始され7月までの2学期制で、1学期目は9月から1と2月で、2学期目は2と3月から7月までとなっている。
幼稚園
2006年、香港政府は幼稚園児を持つ家庭への「学券」(教育バウチャー)の配布を発表した。当初は、非営利の幼稚園に限定するとしていたが、営利の幼稚園や子供をそこに預けている人々から反発され、政府は2007年9月以前に限って時限適用することを発表した。
初中等教育
イギリスの制度に準じ、初等教育6年間、中等教育7年間(前期中等教育3年間、後期中等教育2年間、予科2年間)となっている。義務教育は、初等教育と前期中等教育の合計9年間で、その間の授業料は無料となっている。 今(2009年~)初中等教育は基本無料となっている。
中国語、英語、数学と通識教育(日本の社会科に相当)は後期中等教育の必修の科目。
高等教育
「香港の大学一覧」も参照
政府認可を受けた法定大学(公立)が8校ある。1911年に創立された香港初の総合大学であり、香港の最高学府である香港大学や、1963年に3学院の合併により設立された香港中文大学が国際的に著名である。長らく、香港の大学は、この二校だけであった。その後1984年に香港城市大学、1991年に香港科技大学、1994年に香港理工大学と香港浸会大学、1999年に嶺南大学が成立した。新設された香港科技大学以外は、いずれも既存の学院からの昇格である。他に香港公開大学がある。さらに2006年12月、樹仁学院が正式な大学への昇格を認可され、香港初の私立大学(政府からの資金援助を受けない)である香港樹仁大学となった。
大学以外の高等教育機関としては、法定学院(公立)が二校(香港演芸学院、香港教育学院)、註冊専上学院(私立)が二校(珠海学院、明愛徐誠斌学院)ある。詳細は中国語Wikipedia「香港の高等教育」の項を参照。
また、2000年からは「副学士」制度が導入された。アメリカのコミュニティー・カレッジが授与する準学士や日本の短期大学士に相当するが、香港では大学などが実施する2年もしくは3年のコースとして実施されている。
3+3+4学制
3+3+4学制は、主権移譲後、董建華行政長官が推進した教育制度改革(中国語)の一環である。中等教育における予科(2年間)を廃止し、1年間ずつ後期中等教育と大学に振り分ける。その結果、前期中等教育が3年間、後期中等教育が3年間、大学が4年間となる。新制前期中等教育は2006年度から、新制後期中等教育は2009年度から、新制大学は2012年度から開始される。
改革の理由は二つある。従来の予科の教科内容が専門的かつ高度すぎ、むしろ大学入学後に学習するのが適切な部分が多いとの批判があった。また、3+3+4学制のほうが、アメリカ合衆国など主要な諸外国の教育制度と親和性が高いとされた。
後期中等教育(日本の高校に相当)から理科系と文科系に分かれるため、前期中等教育の3年生で選択が求められる。従来の後期中等教育修了テスト「香港中學會考」と予科修了テスト「香港高級程度會考」は、「香港中學文憑考試(中国語)」に一本化される。
文化
映画
詳細は「香港映画」を参照
映画産業がイギリスの植民地時代から盛んであり、すでに映画制作事業から撤退したがゴールデン・ハーベスト(嘉禾)などの大手映画制作会社の本拠地があるなど、広東語圏における映画産業の一大拠点として君臨しているだけでなく、日本や韓国と並びアジアの映画産業における中心の一つとなっている。
また、1960年代から現在に至るまで、ブルース・リー(李小龍)やジャッキー・チェン(成龍)、サモ・ハン・キンポー(洪金寶)、チョウ・ユンファ(周潤發)など、多くの世界的に有名な映画スターを生み出したほか、ウォン・カーウァイ(王家衛)、ジョン・ウー(吳宇森)など、その個性が広く西欧諸国においても認められた才能ある映画監督を輩出しており、とりわけ1980年代から90年代をつうじての世界の映画・映像文化への独自の貢献には目を瞠るものがある。
音楽
広東語圏内のポピュラー音楽の流行発信地の一つとして、アジア圏内で人気が高い多くのアーティストを多数輩出している。また、粤劇や国楽の演奏団や、香港のロックバンドBEYONDや、イギリスから伝わったバグパイプの楽団などの特徴ある音楽団体も多い。なお、アメリカやイギリスのポピュラー音楽の人気も高いが、平井堅や浜崎あゆみなどの日本人歌手、アーティストも安定した人気を保っており、CDショップにはJ-POPのコーナーもある。
2006年7月10日 - 7月13日にかけて、香港文化中心 (Hong Kong Cultural Centre) と香港市民大会堂 (City Hall) で、国際青少年合唱祭がアジアでは初めて開催された。
ファッション
東京と並ぶアジアにおけるファッションの発信地として君臨しており、上海灘、ジョルダーノ、ジョイスなどの有名ブランドやセレクトショップの他、アラン・チャン(陳幼堅)やジョアンナ・ホーなどの世界的に著名なデザイナーやクリエイターを多数輩出している。地元デザイナーやブランドが多数いる上、中華人民共和国本土やアジア諸国など広大なマーケットを持つことから、香港ファッションウイーク(香港時装節春夏系列/秋冬系列)や香港国際毛皮時装展覧会(香港ファーファッションフェア)などのファッション関連のフェアやトレードショーなども定期的に行なわれている。
美術
九龍の尖沙咀にある香港藝術館 (Hong Kong Museum of Art) や、新界の沙田にある香港文化博物館 (Hong Kong Heritage Museum) などの美術館や博物館では、新旧の作家の作品を鑑賞することができる。また、香港の各地にも個人や法人の経営などによるギャラリーが点在しており、灣仔の香港藝術中心 (Hong Kong Arts Centre) では最近の作家を中心とした現代美術作品の展示が行われている。
また貿易都市である香港にはクリスティーズやサザビーズと言ったオークション会社がアジアでの本拠を構えており、美術市場が形成されている。隣国の中国をはじめとして、日本や台湾などの東アジア、東南アジア、ヨーロッパ、北アメリカなどから集められた古代から現代美術に渡る幅広い作品が集積している。
2年に一度、香港の美術の祭典である『香港ビエンナーレ』が開かれる。また、イタリアのヴェネツィアで2年に一度開かれる『ヴェネツィア・ビエンナーレ』にも、香港出身のアーティストによる作品が香港代表として出展がされる。
香港の著名な作家としては、トリコロールのシートを使用した作品で知られるスタンレー・ウォン(又一山人)や、グラフィックデザイナーのアラン・チャン(陳幼堅)などが挙げられる。特にアラン・チャンは日本の三井住友銀行のロゴなど、香港以外での企業CIやインテリアをデザインしていることでも知られる。
また香港発のデザイン情報誌『Idn』が発行されるなど、香港はアジアの中でも美術に関する意識は比較的高い位置にあると考えられる。香港は広告産業が盛んである土地柄、香港の美術は各種コマーシャルと密接に関わりがあることも多い。
香港の生活や歴史、文化などからインスパイアされた作品が多いが、ヨーロッパや日本、アメリカなどの文化から受けた印象を作品に反映させる例も多く見られ、貿易都市ならではの一面も伺わせる。
サブカルチャー
香港のサブカルチャーは貿易都市として東西の文化が入り交じりながらも、香港の生活や歴史を反映した独自のコンテンツも多く、多彩な一面を見せている。
1990年代の後半から、造形作家のマイケル・ラウ(劉建文)やエリック・ソー(蘇熏)、鉄人兄弟(鐵人兄弟:brothersfree)などを筆頭としたフィギュアなどの立体造形作品が隆盛した。日本では渋谷系文化の一端として紹介された。
現在の香港では、日本文化からの影響とその人気は大きい。これは元々香港で放送されているテレビ番組などで、日本のアニメーションやドラマなどのコンテンツが数多く提供されていることが考えられ、特に若年層の生活様式やファッションなどにも多大な影響を与えている。
2000年代に入ってからは高速通信網の整備と共に、YouTubeやニコニコ動画と言った動画サイトなどIT技術の発達により、香港では日本における最新コンテンツとの親和性は益々高くなっている。
更に日本のアニメーションや漫画など、いわゆる秋葉系と呼ばれる萌え文化を題材とした各種ファンイベントや同人誌即売会も香港各地で数多く開かれている他、毎年夏と冬に東京ビッグサイトで開催される世界最大の同人誌即売会コミックマーケットなどを筆頭に、日本で開かれる各即売会へ直接出向いて参加する者も増えている。
香港独自のコンテンツとしては、中国の歴史を基本とした武侠やアクション、黒社会などを題材としたを香港コミックス(香港漫画)があり、分業制で制作される劇画調のスタイルが特徴である。また近年では『時空冒険記ゼントリックス』(時空冒險記ZENTRIX)や、マクダルシリーズに代表される香港製アニメーションも幾つか制作されている。
香港でのサブカルチャー文化の消費を支えている地区は、主に香港島の銅鑼湾地区や九龍の旺角地区などで、近辺にはこれら商品を取り扱う店舗が出店している専門店街やショッピングセンターが数多くある。
スポーツ
詳細は「香港のスポーツ」を参照
香港の国内オリンピック委員会(NOC)である香港体育協会及びオリンピック委員会は大陸のNOCである中国オリンピック委員会とは別個に国際オリンピック委員会の承認を得ている。このため香港のスポーツは1997年に香港が中国に復帰してからも、大陸のスポーツから完全に独立しており、国際大会には「チャイナホンコン」として出場する。大陸で盛んなスポーツでは選手選抜が大陸より容易であるため卓球選手など、本土から香港へ移住して出場する選手も少なくない。なお、香港出身のオリンピック金メダリストはヨットミストラル級のリー・ライ・シャン(李麗姍)選手のみである。
近年に香港で行われる大規模なスポーツイベントとしては、「香港セブンズ」と呼ばれる7人制ラグビーの大会や、市民約3万人が参加するスタンダード・チャータード香港マラソンなどがある。
香港はイギリス植民地であった影響から競馬が盛んである。このためウマの輸出入に対する検疫の制度整備は大陸より進んでいる。一方で大陸はこの検疫が厳重であるため2008年北京オリンピックの馬術競技は大陸での開催ではなく、香港の沙田競馬場及び隣接した施設で開催された。既述の通り大陸と香港ではNOCの掌握が異なるが、オリンピック競技の一部が異なるNOCの領域で実施されたのは1956年のメルボルンオリンピック以来である。(競馬に関する詳細については香港の競馬を参照)
宗教
仏教・道教、ついでキリスト教徒(1993年ではプロテスタント25万8,000人、カトリック24万9,180人)が多い。
道教に根ざした思想や風習が広く市民の間に浸透している。関帝や天后など道教の神を祀った寺院(道観)が、中心部・郊外を問わず、各所に建てられている。また、近代的なビルの一角やオフィス、店舗の片隅に関帝が祀られていたり、路傍などに土地神を祀る小さな祠がしつらえられていることも多く、そこには多くの場合、線香や供物が絶やさず供えられている。
イギリスによる長年の統治の影響により、キリスト教も比較的広く信仰されている。歴史的な建造物であるものから雑居ビルの一室のものまで含めた各宗派の教会や、キリスト教系の団体を母体とする福祉施設や学校などが数多く存在している。他にも仏教寺院やイスラム教のモスク、創価学会の会館などもある。
食文化
香港では外食産業が発展しており、中国料理のみならず、世界各地の料理を出すレストランが、庶民向けの安価な食事を出す店から、世界にも名を知られた高級レストランまで、様々存在する。
中華料理
広東、潮州、四川、上海、北京、台湾、マカオ、客家など、中国地方各地の料理を出すレストランが香港中にある。また海の幸を専門に取り扱う海鮮料理店が西貢などに多数存在し、日本人にも人気がある。
また、飲茶の本場として知られており、これらの料理を楽しむために訪れる観光客も多い。
香港政府観光局では毎年『Best of the Best - 香港料理大賞』を開催して、料理界の盛り上げに一役買っている。
その他の料理
イギリス統治時代の影響から、欧米の料理にも人気があり、イタリア料理やフランス料理、ドイツ料理などのヨーロッパ各国の料理の人気も高い。また香港では、古くから、イギリスの植民地であったインドから働きに来ていた人も多く、インド料理店も各地にある。
家政婦や警備員、IT関連の職種に従事するためフィリピンやインドネシア、タイなどからやってきている人たちも多く、これらの国の料理を中心としたエスニック料理店も多く、輸入食材を扱う店もあちこちにある。またベトナム料理店や韓国料理店も多くある。
香港の日本料理
また、比較的古くから日本料理も高い人気を保っており、在留邦人向けでなく、地元住民を主なターゲットとした寿司屋やラーメン店、居酒屋などが数多く存在する。ただし日本料理店は大きく2種類に分けられ、日本人の経営者もしくは板前がいて、食材も日本から空輸して提供している『正規な』日本料理店と、香港人が、これが日本料理であろうということで調理したものを提供する『日本料理もどき(日式)』と呼ばれる店がある。 在港日本人に人気があるのは当然前者のほうであり日本企業間での接待の場所、各方面の在港日本人会の会合場所として利用されるが、価格は日本国内同等あるいはそれ以上である場合が多い。後者の評判は邦人の間ですこぶる悪く、もっぱら香港人の舌に合う料理として、香港人の間ではやっている。
軽食・ファストフード
香港では、「茶餐廳」と呼ばれる洋風または中華風の軽食を出す店が至る所にあり、チェーン店も存在する。また各種ファストフード店や、「餅店」と呼ばれるケーキ屋やパン屋も香港中で見ることができる。また、コンビニエンスストアでも軽食を買える。かつて、多かった屋台は衛生上制限を受け、決められた場所でまとまって営業をしているにとどまる。マクドナルド、ケンタッキー等の米系ファストフードの他、吉野家も数多く出店しており、日本国内とほとんど変わらない味を日本より安価で提供している。
菓子
また、日本の菓子(零食や點心と呼ばれる)の人気も高く、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは「ポッキー」や「コアラのマーチ」、「かっぱえびせん」などの日本直輸入や現地生産の日本ブランドの菓子を多く見かける上、「零食物語/OKASHI LAND」や「優の良品/AJI ICHIBAN」など、日本語表記の菓子チェーン店も存在する。
映画の中の香港
美しい風景と生活観溢れる風景が隣り合わせにある香港を、香港で製作された映画だけでなく、ヨーロッパや日本、アメリカで製作された多くの映画作品が舞台に、または劇中の一場面として描いている。
- 慕情 - (1955年 / アメリカ)
- スージー・ウォンの世界 - (1960年 / アメリカ)
- 香港クレージー作戦 - (1963年/ 日本)
- 007は二度死ぬ - (1967年 / イギリス)
- 東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯 - (1972年 / 日本・韓国・香港・タイ合作※香港で先行公開し、日本では1973年公開)
- 燃えよドラゴン - (1973年 / 香港・アメリカ合作)
- 続エマニエル夫人 - (1975年 / フランス)
- Mr.BOO! - (1976年 / 香港)
- ゴルゴ13 九竜の首(1977年 / 日本・香港合作)
- 死亡遊戯 - (1978年 / 香港・アメリカ合作)
- ポリス・ストーリー/香港国際警察 - (1985年 / 香港)
- 男たちの挽歌 - (1986年 / 香港)
- いますぐ抱きしめたい - (1988年 / 香港)
- 恋する惑星 - (1994年 / 香港)
- 天使の涙 - (1995年 / 香港)
- GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 - (1995年 / 日本)
- ゴジラvsデストロイア - (1995年 / 日本)
- 香港大夜総会タッチ&マギー - (1997年 / 日本)
- 無問題モウマンタイ (No Problem) - (1999年 / 香港・日本合作)
- 劇場版カードキャプターさくら - (1999年 / 日本)
- 花様年華 - (2000年 / 香港)
- ラッシュアワー2 - (2001年 / アメリカ)
- 007 ダイ・アナザー・デイ - (2002年/アメリカ・イギリス合作)
- インファナル・アフェア (無間道) - (2002年 / 香港)
- 2046 - (2004年 / 香港)
- 新警察故事 (New Police Story) - (2004年 / 香港)
- マクダル パイナップル王子(麥兜菠蘿油王子) - (2004年 / 香港)
- 電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦 - (2007年 / 日本)
- ダークナイト - (2008年 / アメリカ)
- PUSH 光と闇の能力者 (Push) - (2009年 / アメリカ)
関連項目
脚注
- ^ a b c d IMF Data and Statistics 2009年7月18日閲覧([1])
- ^ a b c The Global Financial Centres Index 10
- ^ “Monthly Meteorological Normals for Hong Kong”. Hong Kong Observatory. 2008-02-01閲覧。
- ^ 「『基本法解釈の正しい認識を』全人代常委副秘書長」人民網日本語版2004年04月09日
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ [4]
- ^ IMF
- ^ 内閣府による県民経済計算
- ^ 香港 17年連続「世界で最も自由な経済体」
- ^ 同姓が多いため混乱を避けるためや広東語と北京語では同じ苗字でも発音が違うため混乱をさけるため香港人が使い始めたのでありイギリス人がつけたものではないという意見もある。
外部リンク
政府
日本政府
- 日本外務省 - 香港 (日本語)
- 在香港日本国総領事館 (日本語)
観光
その他
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