1. TOP
  2. Kiraku辞典
  3. メインページ

007 黄金銃を持つ男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

007 黄金銃を持つ男』(だぶるおーせぶん おうごんじゅうをもつおとこ、The Man with the Golden Gun)はイアン・フレミングの最後の007長編小説早川書房版の邦題は『黄金の銃をもつ男』)。また1974年公開、ガイ・ハミルトン監督のスパイアクション映画007シリーズ映画化第9作。

目次

小説

イアン・フレミングの小説007シリーズ長編第12作(単行本としては13冊め)。1965年、ジョナサン・ケープ社より出版された。日本でも同年に『007号/黄金の銃を持つ男』のタイトルで早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売された。イアン・フレミングは本作の校正中に死去したため、彼の遺作となった。


注意:以降の記述で007 黄金銃を持つ男 (小説)に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


あらすじ

日本で消息を絶ち殉職したと思われていたジェームズ・ボンドがロンドンに現れ、上司Mを暗殺しようとした。一時記憶を失っていたボンドは、ウラジオストクに渡航して捕らわれ、KGBによって洗脳されていたのだ。治療を受け回復したボンドに、Mは成功すれば汚名返上、失敗すれば名誉ある死という困難な任務を与えた。それは殺し屋フランシスコ・スカラマンガの活動に終止符を打つことで、ボンドはスカラマンガの本拠地ジャマイカに飛んだ。首尾よくスカラマンガの用心棒に雇われたボンドだったが、正体が露見しスカラマンガと対決に及ぶ。

出版



映画

007 黄金銃を持つ男
The Man with the Golden Gun
監督 ガイ・ハミルトン
脚本 リチャード・メイボーム
トム・マンキーウィッツ
製作 ハリー・サルツマン
アルバート・R・ブロッコリ
出演者 ロジャー・ムーア
クリストファー・リー
ブリット・エクランド
モード・アダムス
音楽 ジョン・バリー
編集 レイ・パウルトン
ジョン・シャーリー
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 1974年12月19日 ファイル:Flag of the United Kingdom.svg
1974年12月21日 ファイル:Flag of Japan.svg
上映時間 124分
言語 英語
製作費 $7,000,000[1]
興行収入 $97,600,000(世界)[1]
ファイル:Flag of Japan.svg9億3800万円
(1975年度洋画配給収入4位)[2]
前作 007 死ぬのは奴らだ
次作 007 私を愛したスパイ
allcinema
キネマ旬報
Template:Safesubst:Str sub long AllRovi
IMDb
テンプレートを表示

スタッフ

キャスト


注意:以降の記述で007 黄金銃を持つ男 (映画)に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


ストーリー

イギリス秘密情報部にボンドの番号007が刻まれた黄金の銃弾が届く。それは「黄金銃を持つ男」の異名を持つ素顔が分からない殺し屋フランシスコ・スカラマンガからの抹殺予告の様に見えた。

自ら調査に乗り出したボンドは、太陽エネルギー開発の鍵となる「ソレックス・アジテイター」をめぐってスカラマンガと対決することになる。

キャラクター、キャストなど

  • スカラマンガの役は、当初ジャック・パランスに依頼したが、断られた。
  • その後スカラマンガ役に決まったクリストファー・リーは、原作者イアン・フレミングの従兄弟である。ドラキュラ役者として有名だが、フレミングは彼をイメージして『007 ドクター・ノオ』を書いたと語っている。謀略の黒幕であると同時にボンドと互角のアクションも自らこなし、どこか哀愁を誘う経歴の持ち主でもあるという、シリーズ通じても希有な名悪役スカラマンガをクリストファー・リーが好演している。
  • 部下でありながら、彼の遺産を虎視眈々と狙うニック・ナックとスカラマンガの関係にも独特のものがある。
  • ペッパー保安官は『007 死ぬのは奴らだ』に続き脇役で登場している。
  • グッドナイトは原作ではボンドの有能な秘書であり、諸事情から工作員としても活動していた。歴代ボンドガール中でも一、二を争うドジぶりは、完全に映画オリジナルのもの。
  • 原作では、ボンドの盟友であるCIAフェリックス・ライターも登場。ライターは、長編第2作『死ぬのは奴らだ』で負傷した後、ピンカートン探偵社に転職するが、長編第9作『007 サンダーボール作戦』でCIAに復帰。本作でも、ピンカートン探偵社に在籍したままCIAの職務についている。
  • 映画ではライターは登場せず、代わりにスーン=テック・オー演ずるヒップ中尉がボンドに協力する。オーは韓国系アメリカ人俳優で、出演依頼が来たとき、洗濯屋の役ならやらないと言ったという(かつては、欧米の映画に登場する東洋人は、そのような役が多かった)。後に『ファイナル・カウントダウン』で、日本人パイロットを演じている。

秘密兵器など

  • ボンドカーとして、タイアップ契約したアメリカン・モーターズ(AMC)のホーネット・ハッチバックが使用されたが、ボンドがディーラーのショールームから盗み出した一般車両なので、特殊装備は一切装備されていない。
  • スカラマンガの車も同じAMCのマタドール・キャッシーニ・クーペだが、こちらは倉庫に隠してあるジェット・エンジン付きの翼を装着し、飛行することが可能(後の場面で、Qも同じような車を開発中だと述べている)。
    • 映画の中でスカラマンガを追うホーネットが360度回転で運河を飛び越える場面は、米国コーネル大学航空研究所のコンピューターで二ヶ月かけ計算されて行われたもの(壊れた橋の微妙な傾き具合、車のスピードなど)。車そのものも、10,000ドルをかけて21の公認特許を取得した改造が施された[3]。本番では数台のカメラが同時に回される中、カースタントマンのローレン・ウィラードによるジャンプが見事1回で成功し、歓声に包まれた。
    • このジャンプは、スタントマンのW・J・ミリガン・Jr.が、ヒューストンアストロドームで行った「アストロ・スパイラル」という360度回転ジャンプが元になっており、ミリガン自身もスタントの監修を行った。
  • ボンドは前作「死ぬのは奴らだ」に続き、ロレックスの腕時計サブマリナーを着用しているが、本作では特殊機能は使われていない[4]
  • スカラマンガの黄金銃は、ウォーターマンの万年筆(バレル)、コリブリのライター(薬室)、シガレットケース(グリップ)、カフスボタン(トリガー)、しかも全て金色のそれを組み立てて作られる単発銃で、金の弾丸で標的を殺す。なお、撮影に使用された黄金銃は、2008年に保管されていたロンドン北部のエルストリー・スタジオから盗み出された[5][6]
  • ボンドはQに作らせた偽の乳首を胸に貼り付けて、スカラマンガになりすます。スカラマンガには第三の乳首(副乳)があるため。
  • Qの研究室では、黄金の弾丸の成分分析を行うが、その後ろでカメラ型の火器の実験が行われていた。三脚に固定して発射し、レンガの壁に穴を開ける。

主題歌

イギリスの女性シンガー、ルルが起用された。同タイトル曲は、イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位3位を獲得し、前作以上のヒットとなったが、アメリカではチャート入りを果たせなかった。また、同サウンドトラック・アルバムもチャート入りを果たせなかった。

その他

ファイル:James Bond island.jpg
ジェームズ・ボンド島
ファイル:Thepeninsula.jpg
ザ・ペニンシュラ香港
ファイル:Seawise University wreck.jpg
クイーン・エリザベス号
  • 原作では(小説での)前作『007は二度死ぬ』で行方不明になっていたボンドが帰国し、Mの暗殺未遂を起こす。実はソビエト連邦に捕らわれ洗脳されていたためで、洗脳を解かれたボンドは復帰後の任務として、Mにスカラマンガ暗殺を命令される筋立てになっている。
  • 原作では本作で、Mの本名(フルネーム)が海軍提督サー・マイルズ・メッサヴィであることが、初めて明らかにされた(MのイニシャルがM.M.で、ファーストネームがマイルズであることは、小説第3作『007 ムーンレイカー』で明らかにされていた)。
  • 原作の舞台はジャマイカであるが、映画では前作『007 死ぬのは奴らだ』のロケ地に使われていたため変更された。序盤の舞台となるベイルートも検討されたが、撮るべきものが何もないとの理由で、香港マカオタイがロケ地に選ばれた。
  • スカラマンガのアジトのロケは、タイ、プーケット近くのパン・ナ・ベイにあるカオ・ピンガー島で行われた。以後、観光地となり、ジェームズ・ボンド島と呼ばれている[7]
  • ボンドが張り込んだマカオのカジノは、カジノ・マカオ・パレス(ザ・フローティング・カジノ)。
  • スカラマンガの情婦アンドレアを尾行するボンドは、香港・マカオ・ハイドロフォイル・カンパニーの水中翼船に乗り、香港へ向かう。
  • 香港でアンドレアが泊まったホテルは、ザ・ペニンシュラ香港で、名物である緑色のロールス・ロイス・リムジンも登場。
  • ヒップ大尉とソレックス・アジテイターの開発者ギブソンが会っていたのは、九龍尖沙咀(チムサアチョイ)にあったボトムズ・アップ・クラブである[8]。劇中では香港島にある設定になっていたが、2004年に閉店[9]すると、実際に香港島の灣仔(ワンチャイ)に移転して再オープンした。本作映像の看板には「最高級トップレスクラブ 日本人大歓迎」と書かれている。
  • 香港の英国情報部の秘密事務所は、クイーン・エリザベス号の中にあるという設定。同船は、退役後ビクトリア・ハーバーで大学校舎への改造中の1972年1月9日に火災を起こし、残骸と化していた。本作撮影後の1975年、撤去されスクラップとなった。
  • ハイ・ファットのバンコクにあるという設定の邸宅は、実際は香港新界にある龍圃花園(ドラゴン・ガーデン)[10]で撮影された。
  • ボンドとグッドナイトが食事したのは、オリエンタル・ホテル・バンコク。
  • ボンドが連れ込まれた道場は、タイ、サムットプラカーン県のテーマ・パーク、ムアン・ボーラン(古代都市公園)[11][12]
  • 運河のボートチェイス・シーンは、サムットプラカーン県クロンダンで撮影。
  • ボンドやヒップ大尉が使用するトランシーバーはソニー製。香港でボンドが見るショーウィンドーの中のテレビも、ソニー製品である。
  • ボンドはスカラマンガのアジトで1964年のドン・ペリニヨンを出され、1962年もののほうがいいと述べる。
  • ミラーハウスでの対決シーンは、入念な打ち合わせの末に撮影されたが、それでも撮影スタッフの姿が映ってしまっているカットがある。
  • 本作に登場するソレックス・アジテイターは、太陽エネルギーの利用によりエネルギー危機解決の切り札になるという設定。本作公開前年の1973年より、第1次オイルショックが起こっていた。
  • 本作公開当時は、前年に公開された『燃えよドラゴン』が大ヒットし、カンフー・ブームの最中であった。ボンドはハイ・ファット邸で相撲取りに襲われ、道場に連れ込まれて空手アクションを繰り広げる。
  • クイーン・エリザベス号は、斜めに傾いた船内のセットが作られた。本作の2年前には、映画『ポセイドン・アドベンチャー』が公開され、上下逆さまになった客船から脱出する人々を描いて大ヒットしている。
  • 本作のさいとう・たかを劇画版では、『死ぬのは奴らだ』、『サンダーボール作戦』、『女王陛下の007』まで(劇画版での)敵の首領だったミスター・ビッグに代わって、スカラマンガがボンド最後の敵として登場する。
  • 原作でボンド暗殺を指令するKGBセミチャストニーは実在の人物である。
  • 本作は1974年の映画の世界興行成績で第4位[13]、日本では1975年度の外国映画配給収入で第4位[2]であった。

日本語吹き替え

役名 俳優 テレビ版 DVD新録版
ボンド ロジャー・ムーア 広川太一郎
グッドナイト ブリット・エクランド 滝沢久美子 佐藤あかり
スカラマンガ クリストファー・リー 千葉耕市 佐々木梅治
アンドレア モード・アダムス 吉田理保子 亀井芳子
M バーナード・リー 今西正男 藤本譲
マニーペニー ロイス・マクスウェル 花形恵子 泉裕子
Q デスモンド・リュウェリン 田中康郎 白熊寛嗣
保安官 クリフトン・ジェームズ 滝口順平 宝亀克寿
ニック・ナック エルヴェ・ヴィルシェーズ 辻村真人 宮澤正
ハイ・ファット リチャード・ルー 藤本譲
台詞 - 木原たけし、演出 - 佐藤敏夫、制作 - 東北新社 TBS
  • DVD新録版 - 2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション
翻訳 - 佐藤一公

参照

[ヘルプ]

関連項目